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活躍するOB  神戸大学トピックス バックナンバー

vol.25 (2005.01〜2005.03)


Index

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生まれ育った「ロイ・スミス館」を訪問

 3月1日、灘区篠原北町にある洋館「ロイ・スミス館」(1936年 建築)で生まれ育ったドロシー・大谷・スミス(58)さんが、米フィラ デルフィアより来日して同館を訪れた。洋館の近くに住むスミス さんのいとこらに案内してもらい、約40年ぶりに生家に入った。 スミスさんは子供の頃に撮った写真と比較しながら、松や庭石が 美しい日本庭園やシャンデリアがともる玄関など、昔のままの生 家を見て感慨にふけっていた。
 同館はスミスさんの祖父で貿易商の大谷茂氏が建設。当時とし ては最高級の木材を使い、円形の窓ガラスやステンドグラスなど を備える豪華な造りで、商用やパーティーで多くの人が訪れたと いう。その後洋館は外国人学校の女子寮として売却され、現在は 「ロイ・スミス館」として神戸大六甲台後援会が事務所として使っ ている。同後援会の協力により、戦争と阪神大震災の二つの災禍 を乗り越えたスミスさんの「ルーツ」は40年ぶりに本人との再会 を果たした(3月2日付大阪読売)。
 ロイ・スミス館の名称は米国イリノイ州出身のロイ・スミス教授 にちなんで命名されたもの。スミス教授は明治から昭和にかけて 神戸大とその前身校で約60年間にわたり、商業英語、アメリカ文 化史等を講した。この建物はロイ・スミス教授の教え子たちにより 先生の住居として寄贈され、スミス教授離日後は神戸大学六甲台 講演会事務所として使用されている。なお、ロイ・スミス先生の胸 像(ローイ・スミス教授と表記)が六甲台キャンパス正門から階段を 上がった西側に設置されている。

(2005.3.31)

3月28日付日経・夕刊記事について

 「地方国公立大、東京に拠点」(大阪本社版)、「地方大学、 東京に拠点」(東京本社版)の見出しで、3月28日付日本経済新聞 夕刊に神戸大学関連記事が掲載された。
 本件は、3月3日、日本経済新聞社編集局ベンチャー市場部から の取材にもとづくもの。記事の中に「神戸大学は4月、東京オフ ィスを開設する」とあるのは、昨年4月に開設した「神戸大学東 京オフィス」開設準備室が、正式に「神戸大学東京オフィス」 になることを意味している。なお、取材記者がベンチャー担当 であったたため、記事内容がベンチャーに偏しているが、今後 も、就職支援や大学広報は「神戸大学東京オフィス」の重要な 機能である。

(2005.3.30)

吉田一彦名誉教授(国際文化)の新著「無条件降伏は戦争をどう変えたか」




ご参考

 吉田一彦名誉教授(国際文化)の「無条件降伏は戦争をどう変 えたか」が、PHP新書の一冊として刊行された。定価は777円(税込)。
 第二次世界大戦最中の1943年、カサブランカ会談において、ルー ズベルト米大統領は日独伊に「無条件降伏」を突きつけた。いかな る妥協も許さないその要求は、連合国首脳をも驚かせ、枢軸国側は 必死の抵抗を試みた。「無条件降伏」呈示の結果、戦争は長期化し 、双方に多大な犠牲をもたらす。なぜ米国は無条件降伏に固執した のか?前代未聞の過酷な要求は、どのような契機で生まれ、従来の 戦争観をいかに変えたのか?戦争に対するアメリカの潜在意識をあ らためて問いなおす意欲的な作品である。
 吉田名誉教授には、『暗号解読戦争』(ビジネス社)、『ドゥーリ トル日本初空襲』『アメリカ義勇航空隊出撃』(以上、徳間文庫)。 『暗号戦争』(日経ビジネス人文庫)、『CIAを創った男 ウィリア ム・ドノバン』(PHP文庫)、『騙し合いの戦争史』(PHP新書)など、 多数の著書がある。

(2005.3.30)

日経新聞「ジェネレーションY」座談会に-長谷川さん(2003年営卒)

 3月2日の日経新聞夕刊「ジェネレーションY」のコーナーで 、長谷川智紀さん(2003年営卒)が若者代表として登場している。 記事は、さまざまな分野で活躍する若者の話題を集めて、昨年5 月からスタートした同連載を座談会で締めくくろうというもの。 司会は人生の教科書『よのなか』の著者でもある、東京都内初の 民間出身公立中学校長藤原和博さん。
 長谷川さんは大学在学中に同級生の小島英生さん(2003年工院 卒)とともに、神戸大学就職活動支援組織job-naviを設立、さま ざまな支援イベントを企画運営した経験を持つ。卒業後は一旦ソ ニーに入社したものの、飲み屋での出会いきっかけでパソナより 新会社設立の誘いを受け、昨年11月より20代・成長企業専門の採 用支援会社「パソナアイ」代表取締役として就任。同じくソニー に就職していた小島さんも同時期に退社、同社取締役として就任 している。
 座談会では、面倒と思われがちな地域とのかかわりを積極的に 求めたり、意外と熱い面をもった若者たちの胸の内が明かされて おり、上の世代が思っている「若者」とのずれが語られる。長谷 川さんは座談会の中で、「若い人間を「若い」とくくらないでほ しい。二十台でも面白い人はいる。もっと挑戦の機会を与えてほ しい。」と、若者が成長できる場を求める。

(2005.3.29)

島田恒さん(1962年経卒)の新著「NPOという生き方」




ご参考

 わが国の経済がめざましい発展を遂げるのと同時に、私た ちはモノの豊かさを追い求めることに目を奪われているのではな いか。過重労働やストレスの拡大、勝ち組・負け組と呼ばれる企 業間・個人間の格差、地域コミュニティの希薄化などが顕在化し て、豊かになったはずの私たちは、たった一度の人生を本当に幸 せに生きているといえるのだろうか。
 そのような時代だからこそ、「もう一つの社会」「もう一つの 生き方」の創出の可能性をNPOに見出そうと出版されたのが島田 恒さん(1962年経卒)の「NPOという生き方」(PHP新著・720円+税) 。あまりにも経済合理主義に偏している社会のバランスを回復し 、真の豊かさを実現しようという願いをこめて、現代社会におけ るNPOの役割やその運営についてまとめている。

(2005.3.28)

死ぬまで走り続けたい-羽田さん(1961年教卒)

 全羽田英彦さん(1961年教卒)はマラソンを始めて25年、以 来フルマラソン6回を含め、302回5千キロメートル以上を走った 計算になるという。
 羽田さんの本業は洋画家。年1回のペースで個展を開き、現在 は西宮美術協会の代表も務める。また1999年に学校長として定年 退職するまでは、小学校の教諭としての顔もあった。走ることを 学校での活動に積極的に取り入れ、子供たちと共にグラウンドを 走る多忙な日々を過ごしたという。
 阪神大震災での自宅全壊被害にも負けず市民レースに出場し続 けた羽田さんは、何事にも変えられないゴール時の爽快感と達成 感を忘れられず、走ることをやめられなくなってしまったと語る (3月6日付産経)。

(2005.3.25)

「鉱石の道」計画策定へ大詰め

 全国有数の鉱山として栄えた明延(養父市)、神子畑(朝来郡 朝来町)、生野(同郡生野町)をつなぐプロジェクト「鉱石の道」 が、本年度の計画策定を目指し、事業化に向けた調査が大詰めを 迎えている。3地域をめぐるモニターツアーや東京でのシンポジ ウムを行い、国の「地域再生計画」の認定も受けた。かつて鉱石 を運んだ道に、新たな人の流れが生まれようとしている。一方で 施設の保存費用の課題なども多く、足立裕二教授(工)は、「地域 の思いと企業の考えをどう調整し、そこを行政がどうバックアッ プするかが問われている」と語っている(1月21日付神戸新聞)。

(2005.3.24)

無料法律相談を始めて半世紀-法律相談部

 法律相談部が、訪れた市民の悩みに耳を傾ける無料法律相 談会を開始して半世紀以上になる。夫の暴力や、浮気相手への慰 謝料請求などドラマに出てくるような話も多い。法律では解決で きない相談もある。現部長の大道若奈さん(20)と総務担当の松下 隆啓さん(21)も、毎週土曜日の午後、丁寧に話を聞いて一緒に解 決方法を考える。2人は一般市民の目線で動ける「街の法律家」 を目指して勉強中だ。相談者の「ありがとう」のひとことがその 原動力となる(2月25日付朝日)。

(2005.3.23)

農業の六次産業化!?-加古教授

 加古敏之教授(農)は、兵庫県の農業について「全般に規模 が小さく、厳しい状況」と指摘。競争力強化のため、農産物の製 造・販売を一体的に手掛ける「六次産業」で付加価値を高めるよ う提唱する。
 農業の『六次産業』化とは、一次(生産)、二次(加工)、三次( 販売)を全部やるから合わせて『六次』。放牧で元気な乳牛を育 て、生乳からチーズ、ヨーグルトに加工し、所得を増やしている 農家もあると加古教授は語る(1月21日付神戸新聞)。

(2005.3.22)

「カラヴァッジョ」-宮下助教授(文)




ご参考

 喧嘩、暴行、器物破損、公務執行妨害等の乱暴を重ねた挙 句、殺人を犯し逃亡中に38歳でその生涯を閉じたイタリアの画家 カラヴァッジョ。この「呪われた画家」に関する本格的な研究書 「カラヴァッジョ」(宮下規久朗助教授(文)著・名古屋大学出版会 4,800円+税)が出版された。
 宮下助教授は模範的な美術史学の方法論を駆使し、客観的な視 点からこの画家をめぐる諸問題を縦横に論じている。カラヴァッ ジョに関する本格的な研究書としては日本初であり、長年、研鑽 を積み重ねた宮下助教授の愛着や思い入れが伝わってくるとも評 されている(2月13日付日経他)。

(2005.3.18)

大好評!「ゆかりの50人」シリーズ-神戸新聞社古川東京支社長(1972年農卒)




ご参考

 神戸新聞社古川潤東京支社長(1972年農卒)が手がけた「ゆ かりの50人」シリーズが大好評だ。ポケットに入れて神戸の街を 散策できるサイズのハンディガイドブックで、神戸、播磨、阪神 などにゆかりのある人物50人のエピソードやスポットを紹介して いる。
 活字離れをくいとめる意味もあり、親しみやすく手に取りやす い形で神戸の足元の文化を発信しようとした結果が神戸市内での ベストセラーにもつながった。
 「神戸ゆかりの50人PART2」には出光佐三さん(出光興産創業者 )や山口誓子さん(俳人、大学構内に山口誓子記念館がある)など 、神戸大学に縁の深い人物が紹介されており興味深い。
 また、NHKの日曜大河ドラマ「義経」の放映にあわせて「源平 と神戸ゆかりの50選」も刊行されている。
 このシリーズの前身ともいうべきものが「兵庫50の木」。農学 部出身の古川さんが手がけたシリーズとあって、木の葉の実物大 の写真を使ったユニークな図鑑で、自然学校の教材にもよく使わ れているという(12月20日発行六篠(りくそう)会報*)。
 ※六篠会は農学部の同窓会
 各書は神戸市内の書店などで定価300円(税込み)で購入可能。 また、神戸大学東京オフィス(電話03-3211-0032)でも購入できる 。

(2005.3.17)

CSRと企業フィランソロピー 谷本寛治一橋大学大学院商学研究科教授(1984年経営博士修了)

 ここ1、2年、CSR(企業の社会的責任)が取沙汰され、ブーム となっているが、今年で第2回目となるCSRのベストプラクティス 「企業フィランソロピー大賞」の授賞式において、谷本寛治一橋 大学大学院商学研究科教授(1984年経営博士修了)がCSRについての 基調講演を行い、次のように述べている。
 日本では過去何度か「企業での社会的責任」がブームとなって おり、いろいろな学会や経済関係者の間で議論がなされた。今回 のブームでは企業がリードする形で議論が進んでいるが、CSRは企 業経営のレベルだけではなく、もう少しマクロなレベルから公共 政策としても考えていかなくてはならない。
 講演内容の詳細は日本フィランソロピー協会機関誌「月刊フィ ランソロピー」(2005年3月号)に掲載されてた(神戸大学東京オフ ィス開設準備室(東京・丸の内 電話03-3211-0032)にて閲覧可能) 。

(2005.3.16)

「学力論争とはなんだったのか」山内助教授(大教センター)




ご参考

 大学教育研究センターの山内乾史助教授が「学力論争とはな んだったのか」(ミネルヴァ書房・1890円税込)を共著出版した。は たして子どもたちの学力はほんとうに低下しているのか。
 ・「学力低下」をとりまく問題のとらえ方
 ・学力低下の実態と論争の類型
 ・子どもたちに何が起っているのか
 ・ゆとり教育のもたらしたもの
 ・大学教育の改善・開発に向かって
 ・学校改革の可能性
 ・現代の大学生
 以上のような章立てで構成され、学力低下をめぐる論争に関し て事実を整理し、本質を抽出した一冊。

(2005.3.15)

「日本ガマ論」-宇野健一さん(1974年工院卒)




ご参考

 昨夏、ちょっと変わった本が出版された。「日本ガマ論」( 文芸社1700円+税)著者は宇野健一さん(1974年工院卒)。ガマの油 売りの口上に乗せて、敗戦から経済大国、石油ショックを経てバ ブル崩壊の道をたどった日本と自身の半生をユーモラスに語って いる。
 ガマが鏡を見て己の醜さにびっくり仰天し、アブラ汗を流して 妙薬を作り出す姿を、「無」から「有」を生んできた戦後の日本 に重ね合わせ、やりすぎてやせ細っていくガマの姿に「有」から 「無」への転落を写している。自身の海外でのビジネス経験を踏 まえ、幅広い視野で面白おかしく語る、ちょっと変わった「日本 論」。

(2005.3.14)

「カブトムシと進化論」-河野和男元教授(農)

 昨春農学部を定年退官した河野和男元教授は、カブトムシな ど甲虫類の世界的なコレクターとしても知られている。この度「 カブトムシと進化論」(新思索社・2625円税込み)を出版、30年にわ たる品種改良の経験と、自身の膨大な昆虫標本を縦横に駆使して 独自進化論を展開する。なお、随所で触れる古今の進化論のおさ らいと、24頁におよぶカラーの昆虫標本写真が光っている。

(2005.3.11)

今夏、九州から大阪まで古代船が走る

 埴輪から復元された古代船が今夏、有明海から大阪まで手漕 ぎで「大王の棺を」曳航する。設計者は海を愛してやまない松木 哲名誉教授(海)。和船や古代船研究の第一人者で日本海事史学会 を設立、現在は副会長を務めている。
 松木名誉教授は、宮崎・西都原古墳群で出土した埴輪船などをモ デルに、全長11.9メートルの木造船を設計した。7月に熊本の海岸 を出発し、瀬戸内海を経由して大阪までの800キロを、1ヵ月半か けて手漕ぎでの航行する予定だ。こぎ手は下関市の「独立行政法 人水産学校」の学生達で、左右6人ずつが交替して行うという(1月 29日付産経)。

(2005.3.10)

目的の明示なき改革は失敗する-加護野教授(営)

 2月2日付の産経新聞で、加護野忠男教授(営)が郵政民営化に ついて、苦言を呈している。
 加護野教授は、この国のこれまでの民営化の例を挙げ、次のよ うに述べている。
 NTTの改革は巨大組織を迷走させ、先端技術開発の停滞をもたら してしまった。国鉄改革も、効率化には成功したが、一部で悪し き収益志向を助長し、利用者サービスを低下させてしまった。国 立大学の改革はこのままでは失敗に終わるだろう。郵政改革で失 敗を繰り返さないためには、過去の失敗から学び、改革の基本を きっちりと押さえることが大切だ。

(2005.3.09)

私の忘れ得ぬ一冊「アレグサンダー・ワース」-木村助教授(法)

 ミネルヴァ書房の発行しているPR誌ミネルヴァ通信で、「私 の忘れ得ぬ一冊」と題した連載がある。連載第5回目となる2005年 2月号で、木村幹助教授(法)が「アレグサンダー・ワース」(野口名 隆/高坂正堯訳・みすず書房)を紹介している。
 歴史は時としてストーリーが過剰に単純化され、そこに複雑な 心の動きを読み取ることは難しい。しかし、人は常に勝者と敗者 のどちらかの立場にいるとは限らない。木村助教授は、第2次世界 大戦直後のフランスにおける複雑な人々の心情を、イギリス人ジ ャーナリストであるワースがみごとに描く。その手腕を木村助教 授は絶賛する。

(2005.3.08)

「兵庫県の歴史」-鈴木副学長ら再編集




ご参考

 旧版「兵庫県の歴史」が出版されてから30年以上が経ち、そ の間にも埋もれていた県域の史実が明らかにされてきた。そうし た最新の研究成果を踏まえて「兵庫県の歴史」(2004年発行、山川 出版社)が新しく編集された。
 執筆には鈴木正幸副学長(文)ら9名が携わった。中世史において は福原遷都など平氏政権に関する記述を充実させ、近代・現代史に おいては従来の通史に記述されていない史実の発掘に努め、県南 部だけではなく、中部・北部における歴史的営みも可能な限り紹介 している。今後はさらに地域に均整の取れた兵庫県の歴史を著す ことを課題と挙げている。

(2005.3.07)

「躍進するブラジル」-鈴木さん(1954年経卒)

 鈴木登さん(1954年経卒)が、2003年から2004年の2度の訪伯 によって感じたブラジルの躍進を、自身の経験を踏まえて冊子に まとめている。鈴木さんは伊藤忠商事の駐在員として1972年から 6年間Rio de Janeiroに駐在。今般の訪問は約20年ぶりで、1973年 から2年間役員を務めたCENIBRA社の創立30周年記念式典に出席す るためのもの。ブラジルの底力とダイナミックな発展を目の当た りにしたという。自身の訪伯時の足取りを追いつつ、農業開発を 中心とするブラジルの経済的発展と根深い構造問題、停滞気味で ある日伯経済関係についても言及している。また、躍進著しい中 国へのブラジルからの輸出は増加傾向にあり、2002年には日本へ の輸出額を超えた等の重要な指摘がされている。
 淡い緑の表紙で丁寧に印刷製本された本冊子は、神戸大学東京 オフィス(丸の内・TEL03-3211-0032)にて閲覧可能。

(2005.3.04)

『神戸ゆかりの50人』に登場の水島銕也神戸高商初代校長




ご参考

 『神戸ゆかりの50人』(2002年、神戸新聞社、定価300円)が 発行され、神戸市内の書店で発売中。50人の中には平清盛、楠木 正成、豊臣秀吉等の歴史上の人物を含んでいる。また、港町神戸 らしくW・モラエス(ポルトガル)、H・フロインドリーブ(ドイツ)、 呉金堂(中国)等多数の外国人も登場している。
 『神戸ゆかりの50人』には、水島銕也(みずしま・てつや)神戸高 商初代校長が登場している(同書32ページ)。水島校長は、1864年 (元治元年)大分県中津のうまれ。一橋大学の前身東京高商教授を 経て、1903年(明治36年)に神戸大学の前身神戸高商の初代校長に 着任した。少人数のゼミナール制度、全人教育等特色ある教育の 導入は水島校長ん、した。神戸高商の校長を22年という長きにわ たりつとめ、1928年死去した。『神戸ゆかりの50人』には、以上 のような水島銕也校長の業績と六甲台の講堂の南側に建てられた 胸像(朝倉文夫作、「水島銕也先生」の文字は渋沢栄一書)の写真 が掲載されている。
 大分県中津市にある水島校長の生誕地は「水島公園」として現 在も保存されている。公園内には「水島銕也先生誕生之地」の碑 が建つ。また、中津市が発行している小冊子「なかつ」には、「 時代にきらめく郷土の先哲」として18名が紹介されている。水島 銕也も18人の中の一人。福沢諭吉、中上川彦次郎等と共に掲載さ れている。

(2005.3.03)

「現代世界経済叢書」全8巻完結




ご参考

 神戸大学経済学研究科、経済経営研究所等の教官等多数が編 著者として参加して、ミネルヴァ書房出版の「現代世界経済叢書 」全8巻。2004年4月に始まった刊行が完結した。概要は以下のと おり。
 ・第1巻「日本経済論」:編著者 植松忠博(神戸大)・小川一夫(大阪大、前神戸大)
 ・第2巻「中国経済論」:編著者 加藤弘之(神戸大)・上原一慶(京都大)
 ・第3巻「アメリカ経済論」:編著者 村山裕三(同志社大)・地主敏樹(神戸大)
 ・第4巻「アジア経済論」:編著者 北原淳(名古屋大)・西澤信善(近畿大)
 ・第5巻「ヨーロッパ経済論」:編著者 久保広正(神戸大)、田中友義(駿河台大)
 ・第6巻「ロシア・東欧経済論」:編著者 大津定美(大阪産大)・吉井昌彦(神戸大)
 ・第7巻「ラテンアメリカ経済論」:編著者 西島章次(神戸大)・細野昭雄(エルサルバドル大使、元神戸大)
 ・第8巻「アフリカ経済論」:編著者 北川勝彦(関西大)・高橋基樹(神戸大)
 前記編著者以外にも多数の神戸大教授陣が執筆している。

(2005.3.02)

記録の収集・発信で「あの日」を未来に伝える神戸大学

 阪神大震災を後世に伝えようと、神戸大学ならびに関係者に よる取り組みが続いている。
 神戸大学付属図書館が1995年5月に開設した「震災文庫」。「公 開できるものならなんでも」という方針による震災記録の収集は 、今では3万8千5百点にも及び、丹念な資料収集が情報発信にもつ ながっている。
 震災の教訓を生かし、防災情報を分析・活用するために、国と兵 庫県が整備した「人と防災未来センター」。2002年春の設立以来 、国内外で発生した多くの自然災害に専任研究員らを派遣してい る。神戸大学4年の時の震災体験により防災研究者を目指した越山 健治専任研究員もその一人。神戸市でさえ「防災都市」と呼べる のかと、研究者としての厳しい目で現状を見ている(1月13日付読 売新聞朝刊)。

(2005.3.01)

ワインでコミュニケーション上手に、サンクセンス社長、松浦尚子さん(1994年教卒)

 1月31日付朝日新聞で、松浦尚子さん(1994年教卒)が紹介さ れている。松浦さんはワイン知識と文化の普及につとめる(有)サ ンクセンスの創業者。セミナー、講演、連載コラム執筆、ラジオ 出演などで活躍している。
 松浦さんは、ベネッセに入社に勤務の後、1997年に渡仏、ボル ドー大学ワイン醸造学部公認の「ワインテイステイング専門家資 格」を取得した。ワイナリー立ち上げのプロジェクトに携わり、 日仏間で働いた後、2002年帰国し、翌年サンクセンスを設立する 。「ワインは世界共通の教養のひとつ、気分は楽しくなり、強力 な触媒機能を果たす。ワインのおいしさを伝えながら、日本人の コミュニケーションの役に立ちたいというヴィジョンがあります 」と松浦さんは語る。

(2005.2.28)

ESSのOB会ユニオンクラブ機関誌第8号発行

 神戸大学ESSのOB会ユニオンクラブの機関誌第8号が、1月に 発行された。体裁はA4版80ページ。
 巻頭言は神戸大学名誉教授・医学博士の横尾能範幹事(1963年教 卒)が「組織の生命力」というタイトルでESSとそのOB会を語る。
 使用言語は日本語と英語。卒業生だけでなく現役学生も寄稿す る。エッセーあり、インタビューあり、アンケートありという多 彩な内容の機関誌である。ブラジル訪問記(鈴木登:1954年経卒、 元伊藤忠商事)、8年暮らしたニューヨークの思い出(長山博美:19 63年文卒)、生き方論(東城忠幸:1978年営卒、ソニー勤務)俳優に なった先輩(大内厚雄、1994年工卒)へのインタビュー等テーマも 極めて多彩である。
 ユニオンクラブのホームページは下記。
http://home.kobe-u.com/ess-uc/

(2005.2.25)

書く習慣つけ心の発達を、魚住教授(国際文化)

 1月27日付朝日新聞コラム「私の視点」において、魚住和晃 教授(国際文化)が、「書き取りや習字など文字を書くことが心の 発達を支える役割を持っており、その重要性を再認識すべきであ る」と主張している。
 習字や書き取りを繰り返すことは、根気を要し、我慢強さを養 う。我慢が出来ない"きれやすい"子どもにとって、習字や書き取 りは根気を養う良い方法である。また、文字を書き続けることは 手や口を活発に動かすことに通じ、高齢者にとっても頭脳の思考 や集中力を活性化する。IT教育も重要だが、文字を書くことの意 義と効力を再認識すべきであると、魚住教授は結ぶ。

(2005.2.24)

梶山寿子さん(1987年文卒)の新著「ジブリマジック」

 映像・活字媒体と幅広い分野で活躍中の梶山寿子さん(1987年 文卒)が、昨年11月に「ジブリマジック」を講談社から刊行した。 定価は1600円+税。
 この本のサブタイトルは「鈴木敏夫の『創網力』」というもの 。「となりのトトロ 」「もののけ姫」「ハウルの動く城」等数多 くの長編アニメ作品を生み出したのは、スタジオジブリと宮崎駿 監督。しかし、本書の主役はスタジオジブリの鈴木敏夫事業本部 長である。凄腕プロデューサーとして知られる鈴木氏が作り上げ た"ビジネスモデル"が数々のヒット作品の背後に存在する。梶山 さんは、スタジオジブリのメガヒットが、鈴木プロデューサーの 奇抜な発想とネットワーク構築力から生まれたプロセスに迫り、 その解明を行っている。
 約5年間の地道な取材をバックに書かれた本書は、長編アニメ関 連文献というだけではない。ビジネスマンの間では"経営書"とし ても読まれている。ビジネス誌「プレジデント」や「週刊ダイヤ モンド」も、書評欄でいち早く本書を取り上げた。
 梶山さんは、神戸大学卒業後テレビ局勤務の後、アメリカに渡 りニューヨーク大学で学び修士号を取得(1992年)した。その後、 読売新聞米国版記者を務め、1998年に帰国、現在はフリーのジャ ーナリストとして活躍中。日本におけるドメスティック・バイオレ ンス報道の先駆者として講演活動も行っている。著書に「子ども をいじめるな」(文春新書)「家族が壊れてゆく」(中央公論新社) 等がある。また、「ニッポン早わかり」(テレビ神奈川)ではコメ ンテイターとして出演中。(株)ベルシステム24で顧問も務める。

(2005.2.23)

糖尿病発症たんぱく質を特定、春日雅人教授、内田亨博士(医)

 神戸大(医)の春日雅人教授や内田亨博士らの研究グループは 、糖尿病の発症に細胞の増殖を抑えるブレーキ役のたんぱく質が かかわっていることを動物実験で突き止めた。このブレーキを解 除すれば、インスリンを分泌する細胞が増えて血糖を正常値に下 げられるとみられ、新たな治療薬の開発につながる可能性がある 。研究成果は1月31日の米科学誌ネイチャーメデイシンの電子版に 掲載される(1月31日、日経等)。

(2005.2.22)

言葉は過去の人々の記憶-詩人安水稔和さん(1954年文卒)

 神戸の詩人安水稔和(やすみず・としかず、1954年文卒)さん は長田の町で暮らしている。95年の震災で自宅は半壊、震災の1週 間後、「神戸 五十年目の戦争」という詩を書いた。震災がらみ の仕事は決して断らない。
 この10年、復興の影には立派なマンションや復興住宅でも孤独 死があった。街は復興したように見えても、人々の心はとり残さ れたままだ。生活者にとって10年は区切りとはならない。繰り返 し繰り返しあの日を思い出して暮らしていかなければならないの だ。
 安水さんにとって言葉は新しく作るものではない。言葉とは過 去の人々の心が盛られた記憶であるという。そこには震災の死者 の記憶もある。全壊家屋で生き残った少年の言葉はそのまま記憶 として安永さんの詩に刻まれる(1月8日付朝日夕刊)。
 あれだけのことがあって かわらんかったら おかしいです(「 おかしい」)。
 なお、安水さんは1992年制定された神戸大学学歌の作詞者。作 曲は、神戸大学中村茂隆教授(発達)(当時)だった。

(2005.2.21)

津波の被害予測と船舶に与える影響について-久保教授(海)

 昨年12月26日のスマトラ沖地震による津波被害のちょうど1 ヶ月前、11月25日に発行された日本海難防止協会情報誌「海と安 全」冬号で『津波がくる!その時あなたは』の特集を行っている。 その中で久保雅義教授(海)が、専門家としての見解を述べている 。
 久保教授の表題は「東海・東南海・南海で発生する津波と被害の 予測および津波が船舶に与える影響」。津波と湾岸計画や津波が 係留船に与える影響などについて、グラフや図解を用いて具体的 に解説している。

(2005.2.18)

御影師範(発達科学部の前身)の英語教諭だった詩人八木重吉

 詩人八木重吉(1898-1927)は、僅か30年の短い生涯ながら、 珠玉の詩篇の数々を残し、愛好家も多い。生前に出た詩集は、19 25年(大正14年)発行の「秋の瞳」(新潮社)のみ。しかし、死去の 翌年には、自選詩集「貧しき信徒」(野菊社)が出版され、その後 も多数の詩稿が発見された。死後22年目の1948年に創元社から「 八木重吉詩集」が発行されている。以後、詩集、文学全集への収 録など多くの出版物が刊行され、詩人八木重吉の評価は高まるば かりである。また、専門家による研究書も出版されている。
 東京府南多摩郡堺村(現町田市)に生まれた八木重吉は、鎌倉 師範学校(現横浜国大)を経由して東京高等師範学校(現筑波大)に 学ぶ。1921年(大正10年)に同校を卒業後、御影師範学校(発達科学 部の前身)の英語科教諭となる。初めての関西移住である。御影師 範教諭の時代、八木重吉は結婚し二人の子供の父となる。この時 期、八木重吉は住吉や御影に住む。業務の傍ら詩作に励んだ時期 でもあった。キリスト教信者であった八木重吉。作品はキリスト 教精神を強く反映したものだった。
 御影師範教諭から転出して千葉県東葛飾中学の教諭となったの が1925年3月。転出の翌年、八木重吉は肺結核を発病する。そして 1927年10月26日に熱烈なキリスト教信者として昇天してしまう。 1958年、八木重吉の生家には詩碑が建てられた。また、没後50年 目の1977年10月26日に、御影師範の跡地である神戸市立御影中学 校の校庭に教え子の手によって詩碑が建てられている。
 (文中敬称略)

(2005.2.17)

震災から10年、犠牲者の家族それぞれの思い

 阪神大震災から10年、当時神戸大学法学部4回生だった森渉 さんは、倒壊した下宿部屋の下で眠るように亡くなっていた。昔 から時事問題に関心があり、ゼミで国際政治学を学んだことがき っかけでジャーナリストを目指していた渉さん。春からは新聞記 者としての社会人生活が待っていた。父の茂隆さんは、「9・11」 (米中枢同時テロ)以降の世界を、中東の混乱を、息子だったらど う報道するだろうと思いを馳せる。ゴスペル歌手として活躍する 姉の祐理さんは、渉さんのことを語りながら歌い続ける。年月を 経てようやく理性を取り戻した母の尚江さんにとっては、それが 慰めともなる。
 多くの犠牲者を出した阪神大震災から丸10年が経った。神戸の 街は一見力強く復興したようにも見えるが、犠牲者の家族や友人 は、それぞれの思いを胸に刻んだまま、いまを生きている(1月12 日付東京新聞)。

(2005.2.16)

NPO法人企業ミュージアム協会理事長-亀田訓生さん(1960年営卒)

 1月17日付の電通報(出版元鞄d通)で、NPO法人企業ミュージ アム協会理事長亀田訓生さん(1960年営卒)が、「企業ミュージア ム」の魅力を紹介している。企業はボーダレスなグローバル競争 下におかれ、生き残りをかけた活動を余儀なくされる一方で、長 年の経済活動のなかで蓄積された資産の活用法が問われている。 記念館、博物館、資料館、歴史観などと呼ばれる「企業ミュージ アム」なども資産活用の重要な施策だ。
 亀田さんが理事長を務めるNPO法人企業ミュージアム協会は、「 企業ミュージアム」の存在を広め、社会教育、生涯学習、地域文 化振興、子供の健全育成の一助となるものを目指す。講座の開催 や館が製作販売するグッズコンテストなどを実施し、"企業家をき わめ学ぼう"と地道な活動を続ける。「社会全体に閉塞感が充満す る今の時代だからこそ、多大な貢献ができる」と亀田さん。

(2005.2.15)

阪神・淡路大震災から10年の特集「予防時報」

 社団法人日本損害保険協会が発行する「予防時報」220号(20 05年1月1日発行)に阪神・淡路大震災から10年の特集が組まれてい る。
 公開座談会の欄では室崎益輝独立行政法人消防研究所理事(工・ 名誉教授)が専門家(火災の研究家)として、また阪神・淡路大震災 の被災者として、地震防災対策や自治体の情報伝達のありかたな どについて意見を述べている。
 また同誌冒頭では、NHK大阪放送局アナウンサー住田功一さん( 1983年営卒)が「感じる力」と題した随筆を寄せている。住田さん 自身も六甲の実家で被災、直後に第一声をNHKの電波に流した本人 である。随筆の中で住田さんは、人々の想像力がすっかり乏しく なってしまったと記す。これまで数多くの災害を体験してきたに もかかわらず、人の命がどのように奪われていったのか、その「 死」の現場を伝えていかなければならない現実を指摘している。

(2005.2.14)

震災から10年-復興住宅での暮らしぶりを卒論に

 古賀裕介さん(発達)は、復興住宅に住む被災者の暮らしぶり や、地域への愛着度を卒業論文にまとめている。古賀さんは震災 当時小学6年生、自宅に大きな被害はなかったものの、震災後10年 目を迎える今年、被災地に住みながら何かやり残したような思い に駆られたという。西宮浜の復興住宅に何度も足を運び、被災者 の思いを聞いてまわった結果、復興住宅にもっと愛着を持てる"居 場所"が必要だと指摘する古賀さん。春からはJR西日本に就職が決 まっており、赤字ローカル線の活性化などに取り組みたいと意気 込む(1月11日付神戸新聞)。

(2005.2.10)

卒業生に生涯アドレス発行

 大学・同窓会等が、卒業生に「生涯メールアドレス」を発行 する動きが全国的に広がってきた。神戸大学でもkobe-u.comのイ ンターネットサービスがあり、利用者が徐々に拡大しつつある。 1月からは凌霜会(経済・経営・法学)と紫陽会(発達)の在学生も準会 員としてサービスが利用できるようになっている。
 1月25日付日経新聞夕刊では、早稲田大、東海大、一橋大、東工 大、神戸大などにおける「生涯メールアドレス発行」の動きを追 っている。生涯アドレスに届いたメールは会社などのアドレスに 転送させて利用できる。転職などでアドレスが変わっても転送先 を変更すればアドレスを変更する必要がなく、疎遠になりがちな 同窓生とつながり続けられる。また、インターネットのサービス を利用すれば1年に1〜2回程度発行される同窓会報に比べて、大学 の情報をリアルタイムで得ることができ、大学側としても母校を 身近に感じてもらえたらと大きな期待を寄せる。
 神戸大学における「生涯メールアドレス」に関してはhttp://www.kobe-u.com/参照。

(2005.2.09)

筋ジストロフィー治療に光、松尾雅文教授(医)

 1月18日付日経夕刊「病を知る」欄で、筋ジストロフィーの 遺伝子治療法を開発した松尾雅文(医)教授が紹介されている。
 遺伝子の異常により、ジストロフィンがなくなり、筋肉の細胞 が壊れて、筋肉が萎縮する進行性の病気である。現在の治療法で はまだ、進行を抑える程度。松尾教授等は「デユシェンヌ型筋ジ ストロフィー研究治療開発支援機構」というNPOを設立し、寄付な どを募って、国内での治療薬供給体制を整えようとしている。

(2005.2.08)

津波伝える仕組み必要、シシラ・コロンバゲさん(自然科学院生)

 国連防災会議に、スリランカ出身の神戸大大学院生、シシラ ・コロンバゲさんがスタッフとして参加している。コロンバゲさん は学業のかたわら、アジア防災センター(神戸市中央区)で補助ス タッフとして働いている。
 コロンバゲさんの故郷は、スリランカの南部の町マータラ。大 津波に襲われ、実家の母と連絡が取れなかった。12月2日に同セン ターの一員として母国に入り、30日に母の無事を確認した。しか し、今でも行方が分からない友人や親戚がいる。「津波の知識を 伝えられたら、助かったかもしれない」という無念さは強く、会 議の成果に期待している(1月18日付日経・夕刊)。

(2005.2.07)

荷宮和子さんの新著「バリバリのハト派」

 荷宮和子(にみや・かずこ)さんの新著「バリバリのハト派」 が晶文社から刊行された。定価は1680円。荷宮さんは神戸大卒(学 部・卒年不明)。女子供カルチャー反戦論/平和・自由・平等の精神は 「ベルばら」から学んだ!等多様なテーマを縦横無尽に語る。「女 子供文化」をこよなく愛する著者が反戦・反差別のメッセージを語 る。
 荷宮さんは、荷宮さんは中公新書ラクレシリーズの1冊として昨 年12月に「なぜフェミニズムは没落したか」(760円)を刊行。ラク レからは、これで通算3冊目の刊行である。

(2005.2.04)

科学者ってどう見える?ROSE調査についてコメント、小川正賢教授(発達)

 12月11日付朝日新聞夕刊が、科学教育と日常生活の関連性調 査をするROSE調査の最近の結果について報じている。ROSE調査は オスロ大学のショーバーグ教授を中心に、世界の研究者が実施し ている。
 その最近の調査によると、ナイジェリアやトリニダードトバゴ の子供は科学者に光り輝くイメージを持っているのに対し、イギ リスや日本の子供の科学者像は「時に恩恵よりもダメージを与え る」、「アニマックで髪やひげはほうっておく」といったものが 多いということらしい。
 このことについて、ROSE調査に参加している小川正賢教授(発達 )は「経済や科学技術の発展とともに、子供達の興味や関心が多様 化し、相対的に科学への関心が低下しているのではないか」と見 る。日本の子供はいくつかのグループに分類されるが、注目され るのは「理科はおもしろいけど他にもっと好きなことがある」と いう隠れ理科好きが3割もいることだ。小川教授は、「一口に理科 離れといっても、意識や関心はが違う。各グループの興味や生活 様式に会った教育を工夫することが必要になる」と述べている。

(2005.2.03)

次世代の薄型表示装置も大型化が可能に!?喜多隆助教授(工)

 喜多隆助教授(工)は、次世代の薄型表示装置である電界放出 型ディスプレー(FED)で電子発生源となる窒化アルミニウムの新し い合成法を開発した。これまでの合成方法は炭化ケイ素の基盤上 に窒化アルミを蒸着させる方法で、画面の大きさは2インチ程度に とどまる。新しく開発された方法では反応温度を下げることに成 功し、基盤としてガラスや金属フィルムが使用できるようになっ た。これにより大型化が容易になり、40インチの大型テレビ画面 への応用も可能になるという(1月6日付日経産業)。

(2005.2.02)

環境管理会計、上場企業に普及-國部教授(営)

 読売新聞の「けいざい講座」で國部克彦(こくぶ・かつひこ) 教授(営)が、環境管理会計について次のように解説している。
 企業経営を環境の観点から経済的に分析する「環境会計」は、 環境と経済を両立させるための手段として注目されている。日本 でも環境庁(現・環境省)が2000年に「環境会計ガイドライン」を発 表して以来、普及する傾向にある。環境省の調査によると、調査 対象の上場企業のうち約32%が環境会計を導入した(1月17日付読売 )。

(2005.2.01)

ラオスでの清掃ボランティア-上田流通科学大教授(1958年営修前修了)

 途上国ボランティアといえば井戸掘りや農村開発のように、 ある程度の専門技術が必要なイメージがある。ところが知識や技 術がなくても、誰もが一緒にできる清掃を通じて、ラオスでのボ ランティアに取り組む活動がある。
 他の東南アジアの国々と同様、ラオスでも食品や商品の包装に バナナの葉が用いられ、弁当を食べた後などはそれをバスの窓か らポイ捨てにする。ところが90年代からの経済発展で大量のビニ ールやペットボトルが流入し、土に還らないゴミとなり道路に散 乱するのだ。経済発展の波は、開発と自然環境の保全をどう共存 させるかという課題をもたらす。
 上田義朗さん(1958年営修前修了)は流通科学大学教授。01年に JICAの仕事でラオスを訪れてその現状を見た。学生らとアイデア をまとめ、2003年9月には日本とラオスの学生を中心に260名以上 が現地で清掃活動を行った。昨年9月に第2回目を行い、日本から の参加学生も大学生を中心に大きく広がる。ゴミ拾い終了後には 一緒に参加した小学生に絵本の読み聞かせや、日本の遊びを紹介 するなど、技術なしで現地の若者と交流できる活動はこれまでの 「寄付・寄贈・贈呈」の援助ではなく、ラオスの人々と一緒に行動 をすることが基本姿勢。
 ラオスの人々が車窓からタバコやごみをポイ捨てにしないとい うマナーやモラルが身につき、自主的、自発的に清掃活動が出来 るようになるまでこの活動は続くと上田教授は語る(12月24日付毎 日)。

(2005.1.31)

「文化としてのスポーツ」山口教授(発達)

 2004年秋号の「指導者のためのスポーツジャーナル」誌(日本 体育協会発行)に、山口泰雄教授(発達)が新しいスポーツ文化の可 能性について次のように解説を寄せている。
 21世紀に入ってからスポーツシーンが大きな変化を見せている。 従来日本では、スポーツは文化としてではなく、学校教育における 強制的身体活動として扱われてきた。それが今や「するスポーツ」 「みるスポーツ」にとどまらず、「ささえるスポーツ」としての 多様化を果たした。
 オリンピックなどのビックイベントにおいても、スポーツボラン ティアの存在なしには運営が不可能な状況。また、スポーツは地域 活性化への期待も大きく担っており、ここでは逆にプロ選手などに よるアスリート・ボランティアの活動が期待される。スター選手の 地道な社会貢献活動によってスポーツが身近なものになり、価値が 高まり、地域との連携やまちづくりへとつながる。このような「さ さえるスポーツ」の活動を通じてスポーツ文化は発展し、スポーツ という文化に対する人々の関わり方がますます多様化していくだろ う。

(2005.1.28)

平島専修大教授(1971年経卒)編「現代外国為替論」刊行




ご参考

 平島真一専修大教授(1971年経卒)編「現代外国為替論」が 、有斐閣コンパクトシリーズの一冊として刊行された。定価は19 00円+税。本書は7人の大学教授等が執筆している。平島教授のほ か高浜光信明治大教授(1996年経院前修了)、藤田誠一神戸大教授 (経)も執筆者のひとり。その他の執筆者は森佳子(ロイター通信 社)、八尾晃(大阪商大)、中条誠一(中央大)、小川英治(一橋大) 。
 本書は、外国為替取引や銀行の外国為替業務の技術的解説書で はない。外国為替取引、外国為替業務について"経済学的に考察" を行っている等の特色がある。

(2005.1.27)

男たちの神戸生協運動を語る野尻コープこうべ理事長(経・名誉教授)

 日経マスターズ(日経BP社刊)の2004年10月号で、野尻武敏 コープこうべ理事長(経・名誉教授)が、日本最大の「NPO」的組織 (日本の法律では生協はNPOとは認められていない)を生んだ神戸 生協運動について語っている。1988年に神戸大学教授を退官、そ の後現職に就いた野尻理事長は、「社会運動の理念」と「事業の 安定」を融合してきた生協の歴史に、経済学者としても学ぶべき 点が多いと語る。
 「全身が病んでいる今の日本」を変える可能性を秘めているの は、「連帯」と「友愛」、「生活」や「経済」を重んじるNPOで ある。神戸生協運動は、その生みの親とも言える明治男達の高邁 な「理念」と着実な「経営」が融合した時点で、現在へと至る明 確な道筋を示した。まさに元祖NPOともいえる神戸生協運動を支 えた明治男達のように、「まだまだ現役」と意気盛んな50代、60 代の企業OBたちが、NPOのような活躍の場をみつけることが、こ れからの社会を豊かにする第一歩かもしれない。野尻理事長は、 このように結んでいる。

(2005.1.26)

松崎郁生さん(1969年教卒)の新著「ヘンリー・フォードのアメリカ自動車物語」

 米国在住の松崎郁生さん(1969年教卒)の著書「ヘンリー・フ ォードのアメリカ自動車物語」が刊行された。本書は、日本語で 書かれているが、発行は米ケンタッキー州の出版社BBI。松崎 さんは、米国シンシナティ郊外に住み、日系の自動車関連企業に 勤務している。
 約15年前、松崎さんは一念発起してアメリカ自動車産業史を調 べるようになった。本書はその集大成。ヘンリー・フォードの人 物像、アメリカの交通史・自動車史、右側通行や左ハンドル、自 動車ローン等々話題は多彩で興味が尽きない。なお、本書はカリ フォルニアとシカゴの紀伊国屋書店、旭屋書店で購入できる。
 松崎郁生さんの連絡先:i.matsuzaki@hoa-ky.com

(2005.1.25)

公務員に「公僕」意識を説く金井教授(営)教授

 組織から情実を排除し、能率よく安定した業務を継続して こなしていくために生まれたはずの官僚組織。しかし、相次ぐ不 祥事、早期退職、はびこる怠慢で官僚組織は揺れている。迷える 公務員に「公僕」意識を取り戻すための経営メソッドを、金井壽 宏(営)教授が、「諸君」2004年12月号で説いている。以下は、そ の概要。
 キーワードは、パブリック・サーバント・リーダーシップ(パブ リックサーバント=公僕)。本来公務員に不可欠ともいえる熱い志 や倫理観を貫くには、レベルの高いリーダーシップが必要である 。迷える公務員について、社会に貢献したい・奉仕したいという 思いを抱く人材の不足や、公務員という仕事に入る前に仕事内容 を現実的に知らせることが不足している。
 理想の公務員組織のあり方を考える上で、現場と本部の関係が 重要である。本部の幹部が現場感覚を持ちながらも、国民や住民 に対してはサーバントであるという気持を原点に置きつつ、大き な絵を描くことが求められる。
公務員組織に活力、倫理観、変革力をもたらすうえで、モチベー ション、キャリア、リーダーシップ、組織、戦略、という企業に とって不可欠な要素を、役所や役人を語るときの語彙に加えて欲 しい。と金井教授は結ぶ。

(2005.1.24)

土嚢で新風を巻き起こすメルクリオの由田さん(1963年経卒、1999年営院)

 土嚢(どのう)という古典的な防災グッズの商品開発で、メ ルクリオ代表取締役の由田克己さん(1963年経卒、1999年営院)が 新風を巻き起こそうとしている。
 大学卒業後に勤務した高島屋では、ドル箱企画の「味百選」で 社長賞を獲得した由田さん。その後の海外事業本部での東南アジ アとの関わりが、定年後土嚢を生業とする第一歩となった。シン ガポールやマレーシアでは、スコールであふれる側溝対策として 土嚢が利用されるが、30kgもあるような土嚢では使い勝手が悪い 。
 吸水ポリマーを応用したメルクリオの「ウォーター・イン・どの う」は、家庭でも安心して利用できるのが最大のセールスポイン ト。エコジー商品でもあり、防災意識が高まる日本各地で注目を 浴びている(月刊ライト 2004年11月号)。

(2005.1.21)

1970年代の西塚研究室-阪大高井教授(1974年医卒)による-

 朝日新聞が新年から「はじめの一歩、独創の道」と題する 科学記事の連載を開始した。その第1回は、1月5日に掲載。1970 年代に神戸大・西塚研究室に入り、「Gキナーゼの研究」を教 授とともに行った大阪大学高井義美教授の談話が寄せられてい る。この研究成果により、西塚泰美教授が後年ノーベル賞候補 者と報じられることになる。
 神戸大の学生だった高井教授は、西塚教授から高級洋酒を示 され「教授になったらこれが飲めるぞ」と誘われ、西塚研究室 に入ることになった。森山良子のフォークソングを流しながら 、毎日300サンプルの実験を繰り返した。「発ガンのきっか けを作るホルボールエステルとCキナーゼの関係を調べて欲し い」と、フランスの研究者から依頼され、これが大発見につな がった。実験の成功が続くにつれ、研究費が増え、1985年には 7千万円の大台に乗った。等々思い出は尽きない。
 昨年11月4日に、惜しまれつつ亡くなった西塚教授。極めて近 い立場にあった高井教授により、その足跡が偲ばれている。こ の記事には、若き時代の西塚教授の写真も添えられていた。

(2005.1.20)

三土理科大教授(経院)の新著




ご参考

 三土修平(みつち・しゅうへい)東京理科大教授の新著「ミニ マムエッセンス統計学」(日本評論社)が、刊行された。定価は18 00円+税。統計学を学ぶ以上知っておかねばならない最低限の要 点がまとめられている。
 三土教授は、東京大学法学部を卒業後経済企画庁に勤務。その 後神戸大(経)大学院で学び大学教授に転身した。愛媛大学教授を 経て、現在は東京理科大(理)教授。秦野純一のペンネームで書い た小説「しろがねの雲」が第14回潮賞を受賞するなど多才。

(2005.1.19)

楠本昌彦さん(1986年医卒、1992博士修了)の共著『肺がんがわかる本』




ご参考

 楠本昌彦さん(1986年医卒、1992博士修了)の等共著による 『肺がんがわかる本』(2004年、法研)が刊行された。定価は1800 円+税。楠本さんは国立がんセンター中央病院第一領域外来部気 道縦隔科医長で医学博士。専攻は放射線診断学で、現在の専門は 「肺癌の画像診断などの胸部放射線診断」。
 本書は国立がんセンター中央病院の浅村尚生呼吸器外科医長が 監修。監修者、楠本さんを含め、5人の医師が執筆している。目 次は以下のとおり。
1章◎肺がんとはどういう病気か
2章◎肺がんとはどうやって見つけるのか
3章◎肺がんではどんな検査が行われるのか
4章◎肺がんとわかったときの治療法
肺がんの治療方針にはどのようなものがあるか
外科治療の実際
放射線治療
化学療法・集学的治療・臨床試験
緩和医療
5章◎再発の不安、転移の心配
6章◎緩和ケア
緩和ケアについて考える
放射線による緩和的治療
7章◎医師と患者さんの関係、私はこう考える
 なお、本書は東京凌霜クラブで購入可能。同クラブの会員は特 別価格1600円。

(2005.1.18)

滝川好夫(経)教授の新著「アピールできるレポート/論文はこう書く!-レポートから学術論文まで-」




ご参考

 滝川好夫(経)教授の新著「アピールできるレポート/論文は こう書く!-レポートから学術論文まで-」(2004年、税務経理協会 )が発行された。定価1260円+税。
 本書は「レポート」「答案」「レジメ」「卒業論文」「修士論 文・博士論文」を、
1.どのように書けばよいのか
2.どのように見せればよいのか
3.どのように報告すればよいのかを説明している。
 特に2・3「プレゼンテーション」を重視しているのが本書の特 色
 「論文の内容」が優れ、良い「プレゼンテーション」により相 手を説得させてこそ、良い論文と言える。学生向けに書かれたも のであるが、社会人が読んでも実用書として得るところが大きい だろう。

(2005.1.17)

法隆寺から最古の壁画片、百橋教授(文)が鑑定

 12月2日付の各紙で、「法隆寺の若草伽藍(創建法隆寺)西側 で、670年の火事で消失したとされる金堂や塔の壁画片とみられる ものが発見」というニュースが大きく報道された(斑鳩町教育委員 会発表)。
 この壁画片を鑑定したのが文学部の百橋明穂(どのはし・あきお) 教授。各紙の報道には百橋明穂教授の「釈迦の前世物語の本生図 のような説話的な壁画や聖徳太子の死を悼んで作られたといわれ る刺繍"天寿国繍帳"に似た部分もある」という談話が紹介されて いる。

(2005.1.14)

改革推進へのアクセルに-神戸大学監事赤塚さん

 11月28日付の読売新聞「論点」欄に、神戸大学監事の赤塚宏 一さんが寄稿している。「監事」は4月に迎えた独立行政法人化に 伴い、新たに設置された職務。民間企業の監査役ほど職務内容が はっきりしているわけではなく、まだまだ手探りの状態だ。
 赤塚さんは、神戸商船大(現海事科学部)の卒で、前職は日本船 主協会常務理事。
 明治以来百年もかけて創りあげた国立大学としての文化と伝統 、意識や慣習、仕事のやり方は一朝一夕に変わるものではない。 学長や理事はあたかも、氷山を目の前にしてこれを避けるため舵 は切ったものの、一行に針路を変えないタイタニック号のブリッ ジに立ちすくむ船長と航海士たちのようにも見えると赤塚さんは 記す。
 その中で監事としての役割は、監査を通じて大学の最高意思決 定機関や執行機関に対するチェックを行うことである。学長を始 めとする役員会との緊密な、しかし執行機関の枠外にあってクー ルな視点で、あるときはブレーキとなりあるときはアクセルとな って連携を行うことが、日本の大学としてかつて一度も経験した ことのない大競争時代を生き残る術となるだろう。

(2005.1.13)

「日本の実業家-近代日本を創った経済人伝記目録」のデータから




ご参考

 「日本の実業家-近代日本を創った経済人伝記目録」(B5版328 頁)が、日本アソシエーツ社から刊行された。この本は、日本工業 倶楽部・日本経営史研究所編によるもので、791名の経済人伝記等が リストアップされている。各実業家毎の50音順配列。記載事項とし ては、[経歴]欄に生没年・関係企業団体の肩書・出身地・学歴・略歴・ 受賞暦など。[伝記・評伝]の欄に自伝・評伝・列伝、自著書などの著 作が公刊、私家版を問わず収録されている。
 791名のうち、伝記・評伝等で文献点数の多い実業家を、多い順に 10名あげると以下のとおりとなる。
 松下 幸之助 306点
 本田 宗一郎 194点
 渋沢 栄一 191点
 井深 大 94点
 小林 一三 90点
 岩崎 弥太郎 84点
 土光 敏夫 75点
 松永 安左ヱ門 75点
 盛田 昭夫 72点
 安田 善次郎 70点
 また、791名の経済人出身県別ランキングを調べてみると、次の ような結果となる。
 出身地 収録人数
 東京  158名
 兵庫  54
 大阪  50
 京都  47
 愛知  43
 福岡  42
 滋賀  31
 新潟  29
 長野  28
 神奈川 24
 静岡  24
 更に、出身大学(新制大学ベース)別のランキングは、以下のとお りで神戸大は6位。
 東大  270名
 慶応大 80
 京大  45
 早大  30
 一橋大 28
 神戸大 15
 九大  12
 東工大 10
 大阪市大 9
 明大   6

(2005.1.12)

置塩名誉教授(経)の論文集「経済学と現代の諸問題」




ご参考

 昨年死去した置塩信雄名誉教授(経)の論文集「経済学と現代 の諸問題」が、大月書店から刊行された。定価は2800円+税。章立 ては、以下のとおり。
 第1章 マルクスを現代に生かす
 第2章 ケインズは生き続けるか
 第3章 競争は利潤を消滅させるか
 なお、同書には1990年2月6日の神戸大退官最終講義「経済学と 現代の諸問題」や早坂忠東京大学教授との対談「近代経済学とマ ルクス経済学」が収録されている。国際的に著名な"置塩経済学" を多面的に紹介している点が特徴。

(2005.1.11)

近頃の若者考、五百旗頭教授(法)

 10月6日付朝日新聞夕刊の「思潮21」に、定期寄稿者一人であ る五百旗頭真教授(法)が寄稿。以下は、その論旨。
 日本社会もアメリカの社会に似て、いいのも悪いのもいるという 多様性に満ちた社会になってきている。五百旗頭教授のゼミでは、 毎週本を読んできて発言し、教授との応答を求められる。その結果 、90分の時間が4時間になって9時に終わる。その知的格闘を喜びと するゼミ生は圧倒的に多い。
 大学院生も外国の公文書館へ出かけ、オリジナルの資料を集め、 優れた論文を書く。教授の学生時代は考えられなかった。スポーツ 選手がスイスやロッキー高地でキャンプを張るのと同様のこと。や る気と能力さえあれば、インフラが良くなっているので、伸びる機 会を与えられている。
 しかし、日本のエリート層と高等教育がなお米欧に及ばないのは 心配である。米欧の教授達から「韓国、中国に比べても、最近の日 本の若者は覇気が無い」と指摘される。その意味で、政府が100名 の若者を長期留学させ、学位取得を支援する制度が今年発足させた ことは注目に値する。松下村塾と岩倉使節団の初心に戻って出直さ ないと、日本は21世紀を越せないのではないか。
 なお、11月25日(木)18:00から東京凌霜クラブで開催の「木曜会 」(全学部の同窓生を対象)おいて、五百旗頭教授の講演があった。 演題は「大統領選挙後の世界と日米関係」。

(2005.1.07)

チップワンストップ高乗正行社長(1993年理卒)

 週刊ダイヤモンド誌11月27日号に、チップワンストップ高乗 正行社長(1993年理卒)が紹介されている。
 高乗社長は、地球惑星科学科太陽系物理学の専攻。所属は、スー パーコンピュータ使い放題の研究室であったが、自分には向かない と悟り、在学中は学生向け雑誌を出したり、パーテイ券を売ったり していた。それでも技術と関わる仕事をしたいと衛星ビジネスをし ていた日商岩井に入社する。衛星ビジネスは挫折したが、幸運だっ たのは、新設の情報産業本部に配属になったこと。素人集団だった ため、好きなように仕事が出来、スカイパーフェクトTVやニフテ イの立ち上げに追われた。
 米国駐在中に子会社のベンチャーキャピタル会社を立ち上げ、投 資先を探していた時に、日本では電子部品流通が全く効率化してい ないことに気がついた。これがチップワンストップ設立のきっかけ である。この10月、設立から3年8ヶ月で株式公開にこぎつけた。

(2005.1.06)

被災地の「歴史」守る活動-「歴史資料ネットワーク」

 災害被災地に出かけ、歴史的資料を集めて守るNGO「歴史資料 ネットワーク」(事務局・神戸大文学部)は阪神大震災から一ヵ月後 に発足した。設立当時から活動を指導する奥村弘助教授(文)は、震 災から二ヶ月経った三月末の伊丹市で、歴史的資料が大量のゴミと して処分されるのを見た。「もっと早く来ていたら・・・。」
 この経験を活かし、2000年の鳥取西部地震では真っ先に現地にボ ランティアを派遣し、地元研究者の資料救援活動を支援した。災害 のたびに派遣を重ね、今年10月に兵庫県豊岡地区を襲った台風23号 の被災地にも毎週のように車を走らせる。
 被災者が生活再建に向けて必死で泥をかき出しているとき、「資 料ありませんか」というのは正直難しいが、その時期に行かなくて は失われてしまう。歴史資料は新たなまちづくりにも生かされる。 なぜ、今のような町ができたか、水路はなぜあるのか。先人の知恵 がこれからのまちづくりに道筋を与えるからだ。歴史資料を守り、 新たなまちづくりに生かすこの活動は、少しずつ実を結びつつある (11月21日読売)。

(2005.1.05)


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