BACK

 

大阪凌霜クラブ便り


2月定例会報告

日時: 平成18年2月21日(火)19:00 
講師: 加護野忠男氏(神戸大学大学院経営学研究科教授)
演題: コーポレートガバナンスを考える

2月は人気教授の登場とあって参加申し込み60名以上と盛況でした。 これは当初の予定演題が「神戸大学は生き残れるか」という、いささか刺激的なものであったためかとも思われ、私も個人的にはこの話に関心があったので、予定変更は多少残念でありました。急拠の演題変更は「先輩の皆さんに心配をかけるような話はあまりしないよう」との大先生からのご忠告に従ったとのことで、結局、加護野教授の専門分野の話となりました。

しかし、コーポレートガバナンス=企業統治(企業でよい経営が行われるようにする活動)を考える観点から神戸大学に例を引いて、大学のいろんな問題点を加護野氏流の表現で持論を展開された。

曰く、「大学にまったく一体感がない」「学長が変わるたび重点方針が変わる」「理系が弱いため、学生1人当たりの補助金が国立大学の中で1番少ない」「強い部門をより強くすることが大事だのに、弱い部門を強くしようとして、強い部門にしわを寄せている」「将来的に育成不要な分野を併合している」「経営学部門は頑張っているので足を引っ張らないでほしい。できれば他部門とは一線を画したいくらいだ」等々・・・

加護野氏特有の言い回しで、凌霜メンバーがほとんどの聴衆はなるほどとうなづいておられる方も多かったが、神戸大学のさまざまな問題は良くわかるものの、しからば、その問題解決のための方策は何か、問題解決のために大学内部で加護野氏はどう動いておられるのか、何を提言されているのかといったあたりが聞けずじまいに終わったのは残念である。

本論の「コーポレートガバナンス」については、ホリエモン事件でいろいろな問題が提起されていることもあり、どう考えればよいかのヒントがつまっているとのことで、
「企業でよい経営が行われるようにする活動がコーポレートガバナンスだ」との定義から種々の考察を興味深い事例を紹介されつつ話された。

 以下、印象に残った言葉を羅列し報告に変えます。

  • 株主は残余分配権を持っているだけであり、会社の所有者ではないだろう。所有者は有限責任ではなく、「無限責任」でなければならない。
  • 良い経営を実現するための制度・慣行にいろんなものがあるが、経営者の監視のための「監視」は監視しているものがちゃんと監視しているかをまた監視せねばならず、きりがない。社外監査役・取締役、担当のない役員、取締役と執行役員の分離などは、現場を知らない・正しい情報が入ってこない人間が経営を行うことであり、うまくいくわけがない。
  • 日本の企業の歴史は株主から、いかに企業を守るかの歴史だ。日本の企業は株主が変なことを言ってこないように、従業員持ち株制度を作るなどいろいろ工夫してきた。アメリカは日本の企業が経営しにくくなるよう(アメリカ企業に競争力を回復させようとして)株主主導の会社にしようとしてきた。
  • ベルリンの壁崩壊以降、資本主義同士の戦いが始まった。
        米・英系の資本主義・・・会社は株主のものだ
        獨・スイス・北欧系・・・会社は共同体みんなのものだ
  • 株価は本来企業の将来価値を含めて決まるべきだが、今は、落ち着くところに落ち着いておらず、ある誤りがあれば次の誤りに向かって動いている。
  • 株は今は自由に他人に譲渡できるが、変な株主の言いなりにならない工夫が必要だ。
      制度的な整備も必要で、例えば、長期保有者の優遇や、会社に提案をした株主は3年間は譲渡できないとか、会社の資産を処分させたような株主は長期保有を義務付ける等。
  • その他、上手な株の持ち合いや上手な非上場化などで、経営者は利益を株主に即、還元するよりも会社内に留保し、会社価値を高め、企業の長期的な収益力をたかめるべきである。

等々、以上2時間近くにわたり熱弁をふるわれた。

文責:尾島

<参加者>

S17U 高木 二郎 S38経 藤澤 隆博
S19U 末永 山彦 S38法 妹尾 由明
S20工 島  一雄 S39営 江崎 勝久
S23U 平田 二郎 S40営 西島 忠男
S23U 米内 滋郎 S41営 浅井 長久
S23U 西澤 信雄 S41法 丸山 弘毅
S28営 寺田 冨彦

S42営

小西  
S30経 杉本 孝昭 S42法 尾島 洋三
S30経 上田 善弘 S42法 西岡喜久男
S30営 片山 松造 S43法 森原 隆繁
S30営 塚元 一彦 S44経 福島 幹人
S30法 佐藤 一夫 S44経 野中 克己
S32工 上原 尚廣 S44経 大澤 一敞
S32工 清水  侑 S45経 辻本 健二
S32農 安尾  勲 S45経 法花 敏郎
S33営 森清 晴夫 S45経 野口 紀之
S33工 常慶 直久 S45法 安藤 幹雄
S34経 坂本  勇 S45法 菱川 道生
S34営 金原 正展 S51営 大江 正行
S34営  馬島 尚平 S51法 水島  昇
S34法  木村 進一 S53法 足立  悟
S35法  久島 環六  S58法  永田 和久
S36営  原  敏郎 S62教 堀上  明
S37経  青木  實 H12院  末包 厚喜
S37経 斎藤 勝弘 H13院 松村 真吾
S37経 亀若 佳幸 H13院 高瀬  進
S37営 井村 達男    
S37営 別役 重武   参加者数 56名
S37法 中谷 正司    
S37法 増田 正義    

神戸大学学友会大阪クラブ・大阪凌霜クラブ

〒530-0001 大阪市北区梅田1-3-1 大阪駅第1ビル11階
TEL 06-6345-1150
FAX 06-6345-1889
E-mail : osaka@kobe-u.com