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大阪凌霜クラブ便り


5月定例会

日時:H16年5月18日(火)19時〜20時30分
講師:足立 正樹
経歴:1943年神戸大学経済学部卒後大学院博士課程卒経済学博士、神戸大学講師、助教授を経て現在神戸大学大学院経済学研究科教授
演題:高齢社会と社会保障の課題

1)高齢化社会から高齢社会へ急速な変化(高齢社会の到来)

ゼロ歳〜14歳 若年人口、15歳〜64歳 生産年齢人口(労働力人口)、65歳以上老年人口と定義すると老年人口は現在2400万人で総人口の19%を占める。

7%で高齢化社会(AGING SOCIETY)となり14%で高齢社会(AGED SOCIETY)となるが世界最初に始まったフランスでは1865年から1980年と115年掛かったのに比べ日本は1970年から1994年の24年間と非常に早いスピードで到達した(世界平均は50〜80年)。 この変化は政府機関の予測では2050年にピークに達し総人口比35.7%となる。現在は5.26人が一人の老人を面倒見るのが2.8人に一人となり政府の対応が困難にしている原因であるがこの予測自体が甘い。

2)総人口における老年人口が35.7%は異常、世界で30%を超えるのは日本だけ。

 

平成13年の平均年齢男78.07歳、女84.93歳(男の平均が低いのは中,高年の自殺)であと数年後がピークでそれ以上平均年齢は伸びないと思われるので総人口を増やすには出生率を上げなければならない。

政府は2002年の出生率1.31を2050年の老人人口35.7を確保するには1.37に回復しないといけないが近年の出生率低下傾向からして非常に無理がある予測。

今の人口を維持するには出生率は2.06〜2.1%必要で厚労省予測では2050年1億人、2100年4900万人、2500年30万人、3000年500人となり日本は消滅する。12億の中国も1970年からの単生子政策で減少に向かい(儒教の国では男子優先社会なので胎児が女だと堕胎されてしまい、出産する女子がいないと人口はどんどん減少し高齢化率は日本を抜くだろう)インドは未だ産児制限をしていないのでこのままではインド国の日本州になるかも。

3)後期高齢社会
65〜69歳 YOUNG OLD 早期老年人口、70〜74歳 MIDDLE OLD 中期老年人口、75歳以上をOLD OLD 後期老年人口といい現在11.9%が2050年には21.3%となる。それは要介護人口の比率が高くなり介護保険の負担額が高くなるということ。

ヨーロッパでは老人に対し看護士は鬼みたいになって老人に対し動け、動けと云うが

日本は老人を大事に大事に優しく扱いその結果寝たきり老人を増やしている。「寝たきり」という言葉は英語に翻訳出来ない言葉。今後介護の課題が深刻化してくる。

4)低成長時代と高齢化の本格的展開が重なった。
田中角栄は1973年高度成長と福祉を掲げたが10月のオイルショック以後は過去のような高成長率は期待できない。低成長になると税金の伸びがないので老人福祉のための財源の捻出が困難になってくる。

社会保障について
社会保険(保険料を払うことによって生活上の危機が起きた場合に一定の救済を受ける)と公的補助(貧しい人の救済なので全て税金)

社会保険は老齢医療保険(健保、国保)、年金保険(厚生年金、国民年金)、失業保険、労災保険、介護保険に分類される。

年金はある世代が年金を積み立てて同世代の最後の一人が死ぬまで支払う積立方式で行われてきたがこの場合過去の生活水準を維持するだけの計算なので生活水準の向上とインフレに対処できない。

そこで支払い必要な年金額を現役世代に割り当てる賦課方式に1973年に変わった。

ちなみに今年金を受け取っている人達は現役時代1300万円の年金控除で60歳から25年間に得る年金は4700万円になる。現役が多い場合は支えられるが今後人口が減少するなか厳しい見方では2050年には1.1人の現役が一人の老人を養うことになり今国会での年金議論で50%保障と言われているが不可能である。

一元化の議論もされているが今でも掛け金が所得比例の厚生年金から定額の国民年金の基礎年金部分への補填が行われておりそれをそのまま一元化することはサラリーマンが一番損することになる。

介護保険については在宅介護を施設介護で補完することになっているが現実は在宅介護を優遇する制度がないので施設介護利用が増えてきており今後税金が特養建設に使われ結果介護料率も増えるという悪循環がおこる。

今後は在宅介護を優遇し施設介護はお金がかかるような制度にしなければならない。

結論
子供を生み育てる努力が報われる社会をつくる。

子供を生まずにお金を貯めて老後に蓄えと年金で優雅に過ごすという考え方では国が潰れてしまう。

子供を生み育てることが得であるという制度をつくらなければならない。

女性が子供を生むことで将来その人の年金受給額を優遇するようにすることである。
フランス、ドイツ、スエーデンで実施されている。次の世代を育成するということは国政レベルでしなければならない。少子化に歯止めを掛ける事が大事。

以上難しい硬いテーマを明るく、判りやすく解説されまだまだ詳細に聞きたいと思った講演でした。今後の政策に期待しましょう。

文責 西岡

S23U 平田 二郎 S41法 丸山 弘毅
S23U 西沢 信雄 S42営 関口 年弘
S26Q 日比 三郎 S42営U 小山 哲史
S28E 久保 国忠 S42法 尾島 洋三
S29E 藤井 久弥 S42法U 西岡喜久男
S29E 中西 寛治 S43営 阿部 太聞
S29営 八木 頼夫 S43営 吉田 栄作
S30営 塚元 一彦 S43営 武川 雄二
S31営 浅野 定志 S43法 武田 直彦
S32経 丸山 喬三 S43法 徳田 栄造
S32工 熊本 隆弘 S43法 森原 隆繁
S32工 上原 尚廣 S43文 廣野 幸夫
S32工 木村 誠也 S43経 中原 良明
S32農 安尾  勲 S49経 田中 俊明
S34法 中永晋一郎    
S34経U 坂本  勇    
S37経 澤田 惟之    
S37営 別役 重武    
参加者数 32名



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