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岡本孝司(法学部 昭和30年卒業) バンザイ、バンザイ 筆者の家の近くに“こぐま幼稚園”と呼ばれる小さな幼稚園がある。この幼稚園は日本人や日系人の子弟だけではなく白人や黒人の子供も受け入れている。今年のイースターの休み中にこの幼稚園の運動会があり、孫の一人がここに通園しているのでそれを見に行った。 バンザイは太平洋戦争中のバンザイ突撃と関係がある。バンザイ突撃は、身を殺して国を救う崇高な犠牲的精神の発露であり、また生還を期せざる者の悲壮な肉弾戦であった。バンザイ突撃が有名になったのは、1944年7月7日未明サイパン島北部のマッピ山に追い詰められた5千の日本兵が行った玉砕作戦である、これは今日でも多数のアメリカ人が知っている。アメリカでは帝国陸軍を“戦争の下手な残虐な素人集団”(cruel amateurs)と侮蔑していたが、帝国陸軍が実施した戦術の中で一番愚劣でしかも乱暴な蛮行が、バンザイ突撃であると信じている。筆者は隣の白人の老人にバンザイは戦争とは関係なく、単に喜びの歓声であると説明したが、彼がどれほど理解できたかは分からぬ。手元にあるThe American Heritage Dictionaryを開くと“バンザイとは日本軍による戦争中の雄叫び”としか書いてない。どうもバンザイという言葉はアメリカ人には不快感を与えるようだ。 岡本孝司、在米35年以上、ロスで発行されている雑誌に最近“渡米時の思い出”なるエッセイが掲載された。これは2007年8月16日文窓に掲載された同じタイトルのエッセイを一部修正、加筆したものである。 |