電子プレス

KUBC PRESS電子版 番外編 (2014.11)

※ この記事は、「KUBC PRESS」2014年10月号の記 事の一部(注釈部分)です。
注釈の後に追記の記事がありますの で、よければご覧ください。

まだご覧になっていない場合は、こ ちらよりどうぞ!




(※1)
もっとも投稿数の多いニコニコ動画ですらすべてを網羅していないため正確な数は不明。参考までにボーカロイド曲を有志がまとめた「初音ミクWiki」に登 録されている曲数は24523曲(2014年9月23日現在)。実際にはこれを大きく上回ると推測される。

(※2)
現在ニコニコ動画上で再生数の多い「千本桜」のPVを制作したハンドルネーム「三重の人」は、当初気に入ったボカロ曲にPVをつけたところから活動がス タートしている。

(※3)
http://bonet.info/interview/6900
ボーカロイドは発売元のクリプトン(など)の意向で、身長体重などの基本的なものを除き詳しい設定はされていない。

(※4)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm982882(ニ コニコ動画の動画リンク)

(※5)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1136355  一例としてPackaged(kz氏)

(※6)


(※7)
初音ミクはあくまで音楽制作用ソフトである。500本売れればヒットというところを大幅に上回る実績を残した。

(※8)
https://www.youtube.com/watch?v=LR01CUHbRws
この動画から、(語弊があるかもしれないが)あくまでおもちゃ、イロモノ扱いであったことがわかる。

(※9)
具体例は避けるが、空耳動画、MAD動画が主。二次創作あるいは拝借してきたものが多い。

(※10)
最初から順に、sm1097445sm1274898sm1340413sm1342044。 すべてニコニコ動画の動画番号である。

(※11)
celluloidはsm1204327、 ミラクルペイントはsm1588476、 メルトはsm1715919

(※12)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1359820

(※13)
同様に二次創作の投稿が多いサイトとしてpixivが同年の9月にサービスインしているが、こちらはボーカロイドに限らない。

(※14)
詳しくは読者の方に調べていただきたいが、JASRACの著作権管理制度を巡っては2001年以後ネット上での批判が大変多い。そもそも二次創作を歓迎す るネット文化に対して、著作権管理を厳格にすること自体そぐわないともいえる。

(※15)
http://ascii.jp/elem/000/000/094/94608/

(※16)
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20110214/1034478/

(※17)
とある曲の歌詞にあったオリコン1位も取れちゃうかもしれないという願いが実現したことを感慨深く思ったユーザーも多い。

(※18)
http://d.hatena.ne.jp/gen256/20111105/1320503106
少々古いデータだがニコニコ動画のコメントのうち8割以上は10代以下による投稿である。つまり、動画の空気感は彼らが醸すこととなる。この頃から年齢構 成はさほど大きく変化していないため、現在もほぼ同様と推測される。
http://ascii.jp/elem/000/000/904/904502/index-2.html
http://www.garbagenews.net/archives/2038005.html
ボーカロイドのユーザー層の理解の一助になると思う。
http://dic.nicovideo.jp/a/%E3%83%8B%E3%82%B3%E3%83%8B%E3%82%B3%E5%8B%95%E7% 94%BB
ちなみにニコニコ動画自体の年齢層は20代がもっとも多い。

(※19)
http://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/dspace/bitstream/2261/4477/1/KJ00004259182.pdf
一例としてクラシック音楽の年齢層を示しておく。もちろん、制作側にも20歳前後の人はたくさんいるし、何なら中学生だっている。

(※20)
言い方は悪いが、「人気だと見せかければ」「一定水準のクオリティなら」受け入れられてしまうのだ。これは世の中の流れと同じで、いいものが必ずしも人気 を博す世界ではないということだ。

(※21)
http://d.hatena.ne.jp/sky-graph/20140729/1406639195

(※22)
批判を覚悟で強い言い方をさせていただく。ソースを具体的に示すことは波風が立ってしまうので避けておく。

(※23)
ボーカロイドの歌声より一般ウケしやすい人間の声に置き換えた動画群はその傾向が強いといわれる。ただ名誉のために言って おけば、作曲者側とのコラボにより、あるいはアレンジにより、曲の素晴らしさを引き出しているパターンもある。あくまで「信者」とそれに対峙する投稿者、 あるいは外野の視聴者のスタンスの問題である。

(※24)
ボーカロイド文化の最初期を牽引したはずのsupercellのryo氏でさえその批判を汲み取り、2012年発売の曲に綴っている。

(※25)
「MikuMikuDance」は個別にコンテストが開催されているし、ボカロ曲での投稿が多い「歌ってみた」は歌手単体での売り出しがなされている。も はやボーカロイド文化の影響下にはない。





 こ こから先は本文の追記となります。
 まだご覧になっていない場合は、こ ちらよりどうぞ!


 本文をご覧になった方にはボーカロイドについてずっと追っていたという方もいらっしゃると思います。そんな方々には少々物足りない記事ではあったと思い ます。
 また、本文では紙数の関係で年表を2010年頃で打ち切っておりますので、その先2014年までのことにも触れたいと考えております。

 本文とは違ってゆるりとした文体で進めてまいります。


◇2014年のボーカロイド

 2014年10月現在、ボーカロイドを搭載したDTMソフトとして、初音ミクや鏡音リン・レンのほかに71種類が発売されています。ただしこれは「初音 ミク Append」などのバージョン違いも含んだ数字です。
  ボーカロイドの特徴は、ボーカルに対する評価要素が小さいため「純粋に曲に評価が向く」ということでしたが、反面初音ミクの声質に適した曲ばかりが作られ る傾向が出る、すなわち表現の幅が狭まるということがありえます(本文では言及しませんでしたが、ジャンルの偏りにはこのあたりも関係しているのかもしれ ません)。
 たくさんの種類のボーカロイドが出るということは、表現の幅という意味ではプラスに働きます。例えばこちら(Music Wizard of Oz / OSTER project)など。
 ちなみにこれだけの数のボーカロイドが出てもなお、初音ミクは王者に君臨し続けているあたり、さすが人気の立役者といったところでしょう。

 実際に製品として発売されているボーカロイド以外にも、有志がフリーソフトとして公開しているUTAU(とその歌声用データ=音声ライブラリ)にも触れ なければなりません。
 これはしゃべっているだけの人の声を無理やり歌に仕立て上げるいわゆる「人力ボーカロイド」を発祥とし、ボーカロイドとは全く別の系統ですが、現在同一 のジャンルとして扱われます。

 また現実世界では、コンビニ大手のファミリーマートが2012年からたびたび初音ミクとコラボしたキャンペーンを行っているのはご存じの方も多いと思い ます。
 初音ミク発売元のクリプトン社は札幌市に本社をおいているため、さっぽろ雪まつりの雪像、札幌市電のラッピング電車などのコラボを積極的にすすめていま す。
 そのほか、トヨタ自動車やセガなどもコラボ企画を何度か行っています。特に後者は制作した音楽ゲームが人気を博しています。
 変わったところで言えば、初音ミクを用いたオ ペラや演劇(VOCALOIDの躍動)など、露出は多方面にわたっています。


◇今後はいったいどうなるの?

 未来は予測できない、といえばそれまでなのですが…。
 しかしそうも言っていられませんので少し考えてみることにします。

 音楽を筆頭とするCGM文化としてのボーカロイド文化は、本文で触れたとおり、大きく衰退はしないものの、ゆるやかにその規模を縮小すると考えていま す。また、supercellのryo氏やlivetuneのkz氏、米津玄師氏など大きく注目を集めたままメジャーデビューするという方々も少なくなる のではないでしょうか。
 というのも、「ブラック★ロックシューター」、「カゲロウプロジェクト」など、歌声にボーカロイドを使っているけれどもキャラクターはオリジナル、なん てものが出ているからです。これはこれでひとつの文化圏・エコシステムを構築しますし、大概が人気作品だからシリーズ物になるわけです。
 したがって、「音楽 with 一枚絵 → 共感した人がPVなど作る → 同人人気が出る」がボーカロイドキャラクターのみで完結しなくなるわけです。ボーカロイドキャラクターだけで成立していたCGM文化がゆらぐ、あるいはマ ンパワーが分散するという流れがありうると思います。
 またこうしたものを前例に、安易にボーカロイドを使えばユーザーからボカロを踏み台にして人気を得たんだろうなどというある意味理不尽な批判を受けるこ ともありえます。こうしたちょっとひねくれた考えが大きな声で叫ばれれば、全体が萎縮してもおかしくありません。
 
 ただしツールとして考えるならば、ボーカロイドはすべてコンピュータ上で完結する性質上、アミューズメント分野への進出は考えられます。うまくプログラ ムを組めば、時と場合に応じた歌声を「自動で」響かせてくれるかもしれません。
 あるいは演劇・オペラのように、逆にボーカロイドを表現の幅として利用する芸術家の方々が出てくるのも必然と言えましょう。

 ただひとつ断言できるのは、いくらボーカロイドの性能が上がろうとも生身の人間の歌声がなくなることだけはないということです。


◇ボーカロイドの楽しむポイント

 イラストや同人誌をはじめとした二次創作もいいのですが、やはり筆者としては音楽を推しておきます。
 作曲者は確かにアマチュア作家ばかりですが、バンド活動に付随して活動する方々、DIYで歌詞曲動画を全部作ってしまう方々など三者三様です。
  本屋でぱらりと開いた本を気に入るのと同じように、ふと開いたものが気に入るかもしれません。インターネットに埋もれた、自分好みの曲を発掘するのは楽し いものです。ピンとくるものを探し当てたときの喜びもひとしお。これは決してボーカロイドに限った話ではありません。いろいろなサイトをめぐりめぐって探 してみてくださいね。