全くの経済オンチの私が、直感的に感じている事です。つまり、破滅に向かって増殖していくガン細胞のような気がして仕方ありません。飽くなき欲望が自らを破滅させる、破滅させるまで止まらない・・・。特効薬は?
つい先ごろ世界を震撼させた、アメリカのサブプライムローン(低所得者向け高金利住宅ローン)問題。アメリカ国内ばかりでなく世界の金融機関に混乱をもたらしました。当時ニュースといえば、サブプライム、サブプライムとアメリカの問題なのになぜ、こんなに日本のマスコミまでが大騒ぎするのかと思っていましたが、これが結局資本のグローバル化がここまで進んでいたことを明らかにさせた、つまりこれは氷山の一角だったのですね。
これから先は、前回紹介させていただいた本「貧困大陸アメリカ」と「日本経済見捨てられる私たち」から学んだ事です。たくさん引用させていただくことにします。
「サブプライムローン」問題は単なる金融の話ではない、アメリカで中流階級の消費率が飽和状態になった時、ビジネスが次のマーケットとして低所得層を狙ったシステム、リスクに無防備な低所得の人々を「商品」として市場原理に組み込もうとした・・・世界を二極化している格差構造と、それをむしろ糧として回り続けるマーケットの存在・・・そこでは「弱者」が食い物にされ、人間らしく生きるための生存権を奪われた挙げ句、使い捨てにされていく。
効率重視の市場主義の基盤は、大企業の競争力を高める事で経済を上向かせる、そのために企業に対する規制を撤廃・緩和し、法人税を下げ、労働側にきびしい政策を許し、社会保障を削減する。一部のエリートと仕事を失った中間層の格差は広がり、社会保障政策の縮小で貧困層に転がり落ちた中間層(の消滅)は社会の底辺から這い上がれないという仕組みを作り出した・・・。(貧困大陸アメリカ)
日本は、小泉構造改革としてこの後を追いかけ始め、現状があるのですが、「構造改革」の考え方はすでに90年代半ばに登場しています。バブル景気後の不況、金融危機、不良債権問題の深刻化などで「改革」にたいする期待、経済界の支持。特に経済界は、会長の名を冠した「ビジョン」を発表し、効率化と規制緩和を主張し、小泉構造改革で一体化していきます。そして忘れてならないのは、アメリカ企業の日本への進出を行いやすくするための改革を期待した、毎年アメリカ政府から提示される「年次改革要望書」の存在です。
なぜ、日本の経済界の期待とアメリカ政府の要望が衝突しなかったか・・・
アメリカ政府の陰にある日本に進出しようとする企業群と、日本の経済界を代表する財界を支える企業群、ともに大企業として捉えれば同じ穴のむじな、狙いは同じ・・・グローバル化の本質。(日本経済見捨てられる私たち)
「日本経済見捨てられる私たち」のなかでは、先に紹介させていただいたように企業が利益をあげる状況になっている、構造改革が狙いとしたのは企業が儲かるような構造経済構造にすることだったのです。全体の所得が増えない中で企業の収益が増えている、つまり家計部門から企業部門に所得が移転している、その移転をたやすくするために働く人達に犠牲を強いてきた・・・ということです。
しかしここからです。今度は構想改革政策が、収益をあげるためなりふり構わぬ行動を企業に強制するようになった、種々の規制緩和のもと、力を増した株式市場を始めとする金融市場が、企業にそれを強いるようになり、潜在的な能力を十分に発揮していないとみられた企業は乗っ取りの対象とされ、それを容易にする法律上の枠組みや制度も整えられ、現実に買収が行われた・・・。
今、世界中で格差の広がりが伝えられています。社会全体が不安のどん底に陥れられています。急激な原油価格の異常な値上がり、穀物不足だとか、世界的な食料危機・・・私たちにはなぜこんなことになっているのかわからないことばかりです。でも、少しばかりカラクリが見えてきました。そうなると全世界の飽くなき欲望がやがて自らを破滅に追い込んでいってしまうような気がしてならないのです。この増殖を止める手立てはあるのでしょうか?