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志望動機。これは面接で最も基本的な応募者の情報ですが、最近、少し傾向が変わってきているようです。これまで提出したエントリー・シートを振り返ってみると、志望動機の文字数が少なかったり、順番が一番最後になっていたり、企業によっては「志望動機」という項目そのものが無かったりしませんか?経済見通しが不透明な時代は、投資も簡単にはできません。そのためには未来への夢に対する根拠が求められているようです。
最近、コンピテンシー面接というものが流行っています。コンピテンシーという概念にはいくつかの理論・見解があります。語源のコンピタンス(competence)は英語辞書では単純に「能力・資格・有能性」等とされておりますが、人事の分野では「常に高い業績を出す社員の行動特性」という意味で捉えられています。1980年代に組織と個人の関わり方の研究から「コンピタンスは"自己意識の拡大"による経験から形成される」という説明をしたのはハーバード大学のクリス・アージリス教授です。教授の言う"自己意識の拡大"とは、何か自分の力で達成した経験から「俺はやったぞ!」という充実感と成功感を感じることであり、それには以下のような条件が必要だということです。
・自分で立てた目標であること
・その目標はチャレンジング("やり甲斐のある"ちょっと難しい)であること
・その目標達成の手順を自分で考えたこと
・その目標と手順は、自分の欲求・価値観に合っていること
・目標を完遂したことによって自分の学習になったこと
・その目標達成は、自己満足だけではなく他者からも評価されたこと
さてこのコンピテンシーを取り込んだ採用面接は、新卒学生向けと中途採用向けとでは若干異なりますが、共通しているのは具体的な行動実績や成功体験等の事実を中心にヒアリングすることです。新卒学生には職業経験がありませんので、過去の何か苦難を乗り越えた実績にフォーカスして、そこから本人が何を学習したかを綿密に伺うわけです。学習したということは「再現性がある」ということで、人間の最大の能力ですからね。ですから、コンピテンシー面接では抽象的・相対的表現を、具体的・絶対的な表現で説明しなければなりません(まあ、言われてみれば当たり前のことです)。
最近、良く聞くアカウンタビリティという言葉をご存知でしょうか?何かの事業を委託された人や組織がその実行内容について説明する責任のことで、企業経営者や公共団体等に対して用いられます。採用面接における過去の実績重視ということは、応募者の将来の夢や希望(→志望動機)に対するアカウンタビリティが求められているということですね。つまり「根拠の無い自信」では採用担当者も納得しなくなってきたというわけです。個人的な経験からは、学生時代の経験と職業経験では内容も質もかなり次元が異なるので、まずは採用して働かせてみようよ、と言いたいところですが、世知辛い世の中になってきたものです。
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