就職活動や自分のキャリアを考える上で参考になる良書をご紹介したいと思います。
「バカの壁」養老孟司著(新潮新書、\680.-)
著者は解剖学の権威で脳の研究者としてもよくTVにも登場されていますね。この本は昨年200万部も売れたそうですが、内容についてはちょっと詭弁的に感じるところもあります。まあ、それも同氏の狙いとする逆説的な表現なのかもしれませんが、ここではいつもの通り就職活動に役立つ視点で見てみましょう。
『誰が「個性を伸ばせ」とか「オリジナリティを発揮しろ」とか無責任に言い出したのでしょうか。』
それは企業人事部の採用担当者です。(^_^; いや冗談はさておき、採用担当者は確かに「個性的な人」を求むと言います。しかし、それはこの本で同氏が例にされている精神病患者ではありません。尤も、たまに「個性的」と「奇妙」との差異が分からない応募者がやってくることはありますが、採用担当者の求める個性とは、発想や視点のユニークさであることはお分かりでしょう。同氏の言い方を借りれば、己の周囲に壁を作っていない人、壁に気づいて登っていける人、物事を一元的な価値ではなく多元的に見ることが出来る人のことですね。就職活動では自己分析の方法論が同じになってしまって、知らないうちに同じ思考パターンの人が増えることでありますが、それこそ没個性です。
『利口、バカを何で測るかといえば、結局、これは社会適応性でしか測れない。』
先日、ある大学の職員の方々にリーダーシップの講演を行いました。リーダーシップとは、一般に指導力とか統率力という言葉で解釈されがちですが、それはリーダーの行動の1スタイルで、状況に応じてスタイルを変えていけるのが本当のリーダーシップによるマネジメントです。ある意味、リーダーシップとは他の人間との縁を大切にしてその縁を活かしていこうとする行為ともいえます。だからグループ・ディスカッションではリーダーが一番、なんてことは無いんですよ。フォロワーシップも大切なんです。人間は究極のところ一人ですが、一人で生きてはいけないというのは自明の理です。そんな当たり前のことをしっかり理解していることが社会適応性なんだと思います。「One
for all, all for one」、良い言葉ですよね。
「現物から学ばないというのは、全部ヴァーチャルになっているということの表れです。」
今の就職活動は、まさにヴァーチャルの世界で展開されていることが多いですね。同氏は、個性は意識にあるのではなく肉体に宿っているのだからできるだけ身体を動かして学べ、と言っていますが、これだけ世の中に情報が溢れると、それも仕方の無いことかもしれません。ヴァーチャルほど多くはできませんが、できるだけ身体を使った就職活動をしたいものですね。「人生でぶつかる問題に、そもそも正解なんてない。とりあえずの答えがあるだけです。」という同氏の言葉が身体で理解できると思います。ヴァーチャルの世界はデジタルなので物事の答えが1対1で対応していることが多いですが、現物はアナログですからいくらでも答えはありますね。
それにしても養老先生は超個性的な方々と触れていたのですね。精神病院はともかく東大ってそんなところなのでしょうか?
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