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いよいよ2003年もカウント・ダウンですね。今回はちょっと「道草コラム」です。数えてみると、私は今年、神戸大学に20回近く伺っておりました。電車の駅からキャンパスまでは、バスを利用しておりましたが、時間に余裕のある時はよく坂道を歩いて行きました。そんな時、いつも浮かぶ言葉があります。
「山路(やまみち)を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。
住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生まれて、画(え)が出来る。
人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣りにちらちらする唯の人である。唯の人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。人でなしの国は人の世よりも猶住みにくかろう。」
言わずとも知られた夏目漱石の『草枕』の冒頭の一節ですが、ここに出てきた「智(知)」「情」「意」は、企業で働くビジネス・パーソンに求められる基本スキルとしても考えることができます。ハーバード・ビジネス・スクールのカッツ教授が以下のとおりにまとめています。
「知」 専門能力(テクニカル・スキル)→業務処理能力、職務遂行能力、問題解決能力
「情」 対人能力(ヒューマン・スキル)→接遇・応対力、説得・交渉力、動機付け・リーダーシップ能力
「意」 概念化能力(コンセプチュアル・スキル)→問題発見・把握能力、戦略立案能力、意思決定能力
「知」「情」「意」は、一般に、人間として必要な知識をもっており、感情が豊かであり、そして意志をもって行動できることを言いますが、折角ですので自己分析にも応用して自分に問いかけてみましょう。これらはまさに採用面接の質問と同じですね。
「知」 過去からの道程(どうやってここにきたのか) 「君は何故、ここに居るのか?」
「情」 現在の気持ち(それをどう感じるか) 「それを君はどう評価するのか?」
「意」 未来への期待(そしてどうしたいのか) 「これから君はどうしたいのか?」
後期試験の準備や就職活動で何かと慌ただしい年末ですが、どうぞお休み中に何か一冊の良書を読んでみて自分の考えを巡らせてみて下さい。そして、新鮮な気持ちで新年の新たな一歩を踏み出しましょう。未来は遠い向こうにあるのではなく、いま皆さんの目の前から始まっていますから。
海外の多くの大学には「広大なキャンパス」と「高い塔」が設けられています。これは「視野を広くもちなさい」「志を高くもちなさい」の象徴なのだろうと思います。神戸大では広大なキャンパスは無理ですが、坂道を登って行って丘の上から遠く大阪湾を見渡した時、「足元を見ながら常に上をめざせ」という精神を感じて欲しいと思います。ちょっと重たく感じるノートパソコンを背負って歩いている時には、「人の一生は重荷を背負うて遠き道を行くが如し」という徳川家康の言葉もチラッと浮かんでしまいますが。(笑)
皆さんの新年が素晴らしいものとなるように祈っております!
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