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鈴木美伸さん略歴鈴木美伸さん

東京エレクトロン株式会社にてセールス・エンジニアを経験後、能力開発担当になる。日本生産性本部(現・社会経済生産性本部)組織革新コースにて間接部門の効率化について研究。人事部に異動後、採用業務を担当。理工系新卒の採用、留学生採用に注力し、インターネットに対応した採用手法の開発に取り組む。同社を退社後、フリーランスとしてコンテンツ・ライターおよび採用コンサルティングの業務を開始。
米国サイエント株式会社(2001年6月、MBOにて日本企業として独立)入社。リクルーティング・ディレクターとして日本法人の立ち上げに携わる。2002年5月、有限会社stage41を仲間と起業。キャリアカウンセラー仲間と大学と企業の人材育成の連携を研究している。

 

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  週刊採用担当者  
  第11号(キャリアの投資と配当)  
 

最近、年金の運用について法律や企業の制度変更のニュースをよく見かけますね。確定給付年金から確定拠出年金への移行というのを聞いたことはありますか?皆さんにはまだピンとこないかもしれませんが、これは企業が社員の退職金運用を、企業責任から個人の自己責任へ移管しているということです。また最近は社員に「キャリアの自立(自律)」を求める企業が増えています。つまりこれからは、年金と同様に自分のキャリアは就職した企業に頼りすぎないで、自分で運用しなければならないということです。

企業は採用した新入社員に対して、毎年大きな期待をかけて研修やOJTを行い、職業経験を積ませます。これは企業の人的資産に対する投資活動であり、数年後にはその投資(しっかり稼げる社員に成長させること)に対する回収を期待しています。終身雇用慣行が中心の高度成長期においては、企業のこの投資活動に間違いは少なかったのですが、変化の激しい社会と経済状況の現在、企業は年金の運用と同様、自信を無くしてきています。企業リストラによる人員解雇は、環境変化に対応できずに企業が作ってしまった不良債権(人を金融資産と一緒にするのは失礼ですが・・・)を断腸の思いで処分しているわけです。それが社員にキャリア自立(自律)を求めるようになった背景にあります。

さて個人の側から見ても、入社する企業を選ぶということは、これからは自分のキャリアの運用先を慎重に選択するという感覚が重要でしょう。その会社の株式を購入するような気分で、楽しみながらかつ真剣に企業研究してみて下さい。自分のキャリアをどのように運用するかは、個人個人で多様です。ハイリスク・ハイリターンを選ぶ人も居れば、堅実な運用を望む人も居ます。まさにこれからの就職活動は自分への投資家探しということになりますね。これは!と思える企業を見つけたら、その企業の採用担当者が「この応募者には是非、投資がしたい!」と思えるような自己アピールをしてみて下さい。企業が投資をしたくなるような人材とは、やはり大きな成長の可能性を感じさせる若者です。

個人のキャリアの運用と金融資産のそれとを比較して考えてみると、例えば、官業(公務員)につくということは国債を買うようなものだし、海外留学をするということは米国債購入・ドル預金といえるかもしれません。異業種・異職種への転職ということは、保有株式銘柄の組み換えでしょうか。

一方で、キャリア資産と金融資産の価値の異なる点は、金融資産のそれが没個性的な貨幣価値であるのに対し、キャリア資産の方は属人的・個性的な精神価値である点でしょう。得られる配当も金銭的価値のボーナスだけではなく、仕事の達成感・やりがいなどの個人的な精神的満足感もあり、それは時に金銭以上のものがあります。勿論、その両方を満たすポジションが見つかれば幸いです。

最後に、投資においては100%成功するという保証はありえません。誰でも回り道をしたり、寄り道をしたり、迷いながら運用していきます。だからこそ世の中は面白いのです。

 
 


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