| 大学祭も終わり、冬の本格的な訪れがそこまでやってきて、いよいよ就職戦線も本番を迎えようとしています。戦線と言えばイラクですが、大規模戦争は収束したものの、小規模なテロ活動は継続していて情勢は余談を許しません。ベトナム戦争でも同じでしたが、大規模な戦いよりも小規模なゲリラ戦の方が大変なようですね。これは就職戦線でも同じかもしれません。
採用担当者の業界用語では、インターネット上での採用活動を「空中戦」、企業説明会等を開催して実際に学生とコンタクトする採用活動を「地上戦」と言うことがあります。採用戦線は秋の空中戦から始まり徐々に地上戦に主戦場を移していきます。最近は就職情報企業がドンドン戦闘開始を早めており、今年は10月早々に開戦しましたが、あまりに早い開戦に大学関係者が業者へクレームをつける一幕もありました。
採用戦線において空中戦が本格的に始まってきたのは1997年頃です。この頃はまだ制空権の奪い合いで、最大手のリクルート社は紙媒体(就職広報誌)を主力に持っていたために空中戦へ出遅れましたが、その後の圧倒的な資本力と営業力で2000年にはほぼ制空権を押さえてきています(どこかの国家のようです)。そのため同業の就職情報企業は、空中戦から撤退したり、地上戦に力を入れ始めました。
そして昨年からはますますこの地上戦が盛んになり、場合によっては空中戦より早い局地戦が出てきました。その参加国、いや参加主体も就職情報企業だけではなく、大学就職部、学生コミュニティ、または企業単独と、大混乱の様相です。そのため企業の採用担当者も年々、早くから戦場に駆り出されるようになってしまいました。
就職状況が厳しいいま、就職ガイダンスや企業セミナーが増えてくることは良いことなのでしょうが、反面その情報の氾濫が問題になってきています。主人公である学生さんもどこから手を付けてよいかわからなくなってきたことでしょう。選択肢が多すぎる世の中の方が生きるのは大変なのかもしれません。米国には日本ほどの加熱した就職シーズンや就職協定はありませんが、学生と企業のコンタクトを卒業の6ヶ月前からと規制する大学もあります。ある戦略コンサルファームがこれを破ってその大学に出入り禁止の制裁を受けたことがありました。情報を整理して秩序をつくるのも大学キャリアセンターの大切な機能なんですね。
こんな状況で覚えておきたいのは、「何かを選ぶことは何かを捨てること」という意識です。人の人生は選択の繰り返しのプロセスだというキャリアの研究者もおります。諦め難ければ、せめて順序をつけて動く訓練をしましょう。就職して仕事に就いた時、優先順位がつけられないと苦労します。「営業マンは断ることを覚えなさい」というビジネスマン向けの本がちょっとしたベストセラーになりましたが、これを採用活動で言うならば、「就活学生は切り捨てることを覚えなさい」かな。そういえば「捨てる技術」という本も売れました。やはり社会全体に溢れまくったモノや情報にみんな苦労しているのですね。
空中戦、地上戦、局地戦、協定に制裁、そして溢れたモノと情報の戦後処理・・・いやはや、まさに就職活動は戦争ですね。タフに生きて行きましょう!
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