就職活動や自分のキャリアを考える上で参考になる良書をご紹介したいと思います。
「3分以内に話はまとめなさい」高井伸夫著(すばる舎、\1300.-)
著者は人事労務分野で高名な弁護士で、その弁論には検事さえ聞き惚れるといいます。米国ほどの裁判のイメージはないかもしれませんが、弁護士の、説得力、論理構成力、そのノウハウは就職活動での面接でも応用がきくものです。いくつかポイントをあげましょう。
「見えるようにしなさい。そうしなければ評価の対象になりませんよ。」
これは成果主義(仕事の評価手法のひとつ)のことを説明した一文ですが、採用面接にもあてはまります。不合格になる応募者には「内面には良いものがありそうだが、伝えきれないんだな・・・。」と思わせる方が多く居りますが、時間の余裕のない時、面接者は判定不能(=不合格)という判断をせざるをえません。面接体験談で、「面接者が自分の良いところを引き出してくれた。」というコメントをよく目にしますが、それは何らかの点で応募者から見えるものを採用担当者が感じたからで、偶然ではありません。
「三という数字には、五や六、七といったほかの数字にはない意味が含まれているからです。」
ある経営戦略コンサルティング企業では、「提案内容は絶対に3つにしろ」という鉄則があります。3というのは、少なくもなく多くもないベストな数字で「マジック・ナンバー」とも言われています。みなさんが志望動機をあげる時も3つということを意識すると良いでしょう。この書籍タイトルの3分というのも面接では非常に意味がある時間です。どんなに面接者が面白そうに貴方の話を聞いていても、3分間話したらそこで一度、相手に話のバトンを渡しましょう。外資系企業の中途採用面接においては、応募者の話していた時間と聴いていた時間を測定していて、総面接時間の80%以上を話していたら不合格としている企業もあるくらいです。
「どんな話もその場で相手の反応を見ながら、コンテンツを変えていく臨機応変さが求められます。」
これはまさに裁判での攻防の1シーンのようですが、採用面接においても相手の反応が見えているかどうか、というのはもっとも大事なポイントです。面接者が応募者とコミュニケーションが取れていると感じるのは活きている会話をしている時で、それは会話の中から新しい展開が生まれているかどうかです。つまり、どれだけ自分が話したかではなく、どれだけ相手が感じたか、が重要なんですね。
コミュニケーション能力は個人差が激しいと思われますが、それは持って生まれた能力に拠るものではなく、どれだけその能力を使う環境にあったか、どれだけトレーニングしてきたか、によります。こういった書籍の知識を意識して使っていけば、誰でも必ずコミュニケーション能力は向上します。この本は就職活動のハウツー本ではありませんが、対人コミュニケーションにおいて非常に有効なヒントがちりばめられていますので、面接の場面でどのように応用するか、という視点で読んでみて下さい。きっと参考になります。
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