「ライトノベルが斬られてる」の段(2004.12.14)


 なんでも最近巷では「ライトノベルを正当に評価しよう」というムーブメントがあるとかないとかそんな感じらしい。当方ライトノベルが3度の飯の次ぐらいに好きな(?)身としてはこの流れに乗らないわけにもいかないんだろうなあということで数ある本の中で書店に積んであった「ライトノベル☆めった斬り」という本を読んでみることにした。ありていに言えば柳の下のどじょうになったわけだがなんでお店ではどぜうって書くんだろうな別にどじょうでいいじゃないかと思うのだが蝶々料理を出す店がてふてふとお品書きに書いてあるのを見たわけじゃないのでどじょうが特殊なのかどうかはわからない。そういや関西ではうなぎをまむしっていうけど本当にまむし料理をだす料理店は困るだろうなぁ。

 ――疲れるので、以下は普通の文体で(笑)
 で、その本というのは著者二人のライトノベルについての対談とライトノベルの作品紹介からなっているのだが、まあ対談パートはなんというか「座学」という印象だ。(作品紹介は「実習」ね)
 ためになる――かどうかはわからないがライトノベルの歴史を概観するのにはちょうどよい感じだ。別にこれを鵜呑みにしても知識を披露する機会なんてないから問題ないし(嫌な発想だな)
 驚いたのは対談で「ドクロちゃん」がやたらと頻出していたので、てっきり「認めたくないんだろ〜な〜」と思ってたら作品紹介パートで「文章は丁寧で、主人公が本当に普通の少年なのにも好感がもてる」みたいな好評価だったことだ。一般的な小説好きな大人なら絶対「こんなの小説じゃない!」と全否定するところを肯定してみせるとはさすがにこんな本を書けるだけあって頭が柔らかいものだと感心する。私自身アレを初めて読んだ時は「なんじゃこりゃ!?」と思ったクチだし。

 作品紹介パートは、色々なジャンルのライトノベルを100タイトル(シリーズ)紹介しているもので、今後色々と参考になりそうで良かった。読んだことのあって自分が好きな作品の「タイム・リープ」や「猫の地球犠」なんかがいい評価だと自分のことのようにうれしくなる。逆に「フォーチュン・クエスト」みたいに「何が面白いのかわからなかった」とか書かれた場合は別にむかつくでもなくなるほどなあと思ってしまうのは不思議なところだが。
 あと、この作品紹介には選者の趣味が色濃く反映されまくってるのが笑えた。だって普通に選んで朝松健の「私闘学園」が100作品の中に入るわけが絶対無い!(持ってるし、読んだけど) ライトノベル好きに聞いたって作品の存在自体知らない人が9割以上なのは確実なのを持ってくるこの適当さが大好きだ。

 そしてこの本で一番笑ったのは「田中哲弥プッシュしすぎ!(爆笑)」という点である。だいたいにして作品紹介で「大久保町シリーズ」「やみ鍋の陰謀」「悪魔の国からこっちに丁稚」と3つも紹介している。100作品しか無い内の3つも枠をとってるのは田中哲弥ぐらいしかいないのだが、田中哲弥は誰もが知ってる大御所というにはほど遠いどっちかというとマイナーな作家なのだ。(私は大好きなのだが)
 まだしも「大久保町シリーズ」なら知ってる人はいても「やみ鍋の陰謀」「悪魔の国からこっちに丁稚」と来た日には入手困難なほどマイナーな作品だ。全部絶版だし、古本屋でさえ見つけづらい。まあ、俺は全部持ってるけど。それを堂々と、しかも紹介文も長めに紹介してるのがたまらなくツボにはまった。
 いや、田中哲弥は面白い。それはもう間違い無い。嘘だと思うなら田中哲弥のホームページに行って日記やらコラム(?)やらを読んでみるとよろしい。面白くなかったら面白くなるまで読んでればそのうち面白くなってくることは疑い様の無い事実なのである。本当だ。(また文体があやしくなってるし)
 この本を見て田中哲弥ファンが増えたらどないしようと無用な心配をするほどのプッシュぶりは一読の価値がある。別にファンが増えてもどうもしないけど。

 そんな感じでなかなか楽しめる一冊であった。「何でこの作品が触れられてないの!」という信者な人にはお勧めしないが、ライトノベルに興味を持ってる人には面白いと思われる。未読だが「このライトノベルがすごい!」とかも気になる。そちらも見かけたら買うかもしれぬ。
 いい年してライトノベルでもないだろうというなかれ。とりあえず今はこういうのが面白いからしょうがないのだ。そういうもんでしょ。
 
   
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