「イラクの人質事件について」の段(2004.4.23)
さて、今日はちぃとばかし時事ネタを書こうかと思う。あんまし日常ネタばっかりでも飽きが来るかなということで。まあ書こうと思えば「お茶してたら“あたしばっかりしゃべってるから、そっちからも話のネタ振ってくださいよ〜”と言われて、いい話題が思いつかなくて困った」とか「親睦会の会費が7000円もして、しかもメニューのしゃぶしゃぶのデザートがバナナて」とか「メールの返事につい時間をかけて雑記が書けてない」とかなんとでも書けるのだが、今日はマジメな話を書くのだ、とそういうスタンスで臨むことにします。
それで時事ネタとして選んだのは近頃大騒動になった「イラク民間人人質事件」。
人質が無事に解放されるという運びになったので思う存分語る、ということです。もし犠牲者が出てたら不謹慎だし後味が悪いので書くつもりはなかったんですが、生きて帰ってきたからには書きたいことを書きます。
まず、根本的なことなんだが、みんな騒ぎすぎ。
こういう事態が起こりうることは十分に予想されたこと。むしろ今まで起こらなかったことが不思議なぐらいだ。それで今さら「やっぱり自衛隊は引き返すべきだ」なんて言う奴は片腹痛いの一言につきる。
私は最初っから自衛隊を海外に出すことには否定的な見解を持っているが、それでもテロリストの要求に従って自衛隊を引き返すという選択はありえない。もしも要求を日本政府が飲めば、同様の手口が世界中に横行していたずらに犠牲を増やす結果になるからだ。つまり送ってしまったからには選択肢は初めから一つしかなかったに等しい。それなのにどうすべきかを尋ねられて2つに分かれる世論はどうかしている。
某総理大臣の言動もどうかと思う。選択肢は存在しないのだから撤兵しないのは当然として、「最善をつくす」とかごまかしてはっきりと「ご家族には申し訳無いが、犠牲が出ようとテロリストのいかなる要求にも応じることはできない」と表明しなかったのはいただけない。
ただの結果オーライで支持率アップなんて、悪い冗談だ。個人的には犠牲者が出て退陣に追い詰められなかったのが残念なところですな。
「テロに詳しい有識者」のコメントも疑問だ。曰く「民間人数名の命と自衛隊の撤退では価値のレベルが違いすぎている。これでは交渉の余地が無い」とのことだが、それはあくまでもテロリストと政府の間での交渉ではという限定された文脈での話ではないだろうか。
本気でテロリストが自衛隊を撤退させたいと望むのなら、人質をとびきり残酷な方法で殺害してテレビで流せばよい。テレビで放映規制がかかるようならばネットに動画を流せば好事家達が勝手に規制が不可能なほどあっという間に広めてくれるだろう。そうなればソマリアでの米軍の例もあるように、世論が自衛隊を撤退させることもありうることである。大衆は論理でなく感情で動くもの、その点を考慮に入れれば「カード」としての価値は十分にあると思われるのだが、「有識者さん」はそれをはなから考慮に入れていないらしいのが気になるところだ。
それと人質になった人やその家族が「皆様にご迷惑をおかけして申し訳無い」とか謝罪していたのも引っかかる。今回の人質は「国民の代表が派遣を決定した自衛隊の存在によってとばっちりを受けた」、いわば国民の皆様に謝罪される側の人間だ。それが勝手に騒いだ「皆様」に謝罪させられるというのは筋が通らないように思われる。
だいたい己の信念にしたがってイラクに行ったのならば、何を恥じることがあるだろう。危険性に関して見誤っていて観光気分でイラクに行っていた、というなら話は別だけれども。
こう言っちゃあ何だが、戦闘地域じゃ毎日女子供も含めて多くの人が死んでいるのにこんなおたおたしている日本はのんきというか、平和ぼけというか……クールじゃないぜ。