「飼い主失格」の段(2003.9.1)
もう昨晩のことになるが、夜の10時半頃、飼っていた犬が死んでしまった。
あまりに突然すぎてよくわからない。こういう時、どうすればいいんだろう。嘆き悲しめればいいのだろうけど。
ほんの数時間前までは元気だったのだ。
今日だって旅行から帰ってきた僕は散歩に連れていったし、夕飯もあげた。普通で、いつも通りで、何一つおかしなことなどなかったのだ。
でも、その時、庭で普段なら絶対に出さないような変で恐ろしい叫び声を10秒ぐらいあげたんだ。
何事かと思って階段をかけおりて庭に出たらぶったおれてて、目も開きっぱなしで、お腹も動いてなくて、呼びかけても身動きしなくなってた。いや、ほんの少しの間、口元が少しけいれんしていたように僕には見えた。見間違いなのかもしれないが。
駆けつけてきた親も慌てて、車で動物病院に連れていこうとしたのだけれど、僕は最初体を持つのをためらってしまった。死んでる、ということを確認してしまうのが怖かったのかもしれない。
普段は飼い主面してたくせに最低だ。飼い主失格だ。
結局親が抱え上げてそれを運ぶのを手伝うことしかできなかったのだけれど、あのゴムのようにぐにゃぐにゃとした力の抜けた体を持った感触はショックだった。
獣医さんの話だと、もう10歳だと立派な歳で、最後に断末魔の声をあげるようなことも「ある事」なのだそうだ。おそらくは心筋梗塞あたりだったのだろうということだ。
明日、僕は当然会社に行かねばならないが、もう明日中に燃してしまうそうだ。
でも死体を火葬するために連絡するところが「燃えるゴミ・燃えないゴミ」などの分類の一つとして書いてあるのはデリカシーなさすぎではなかろうか。
「家族の一員」とおくめんもなく言えるような関係ではなかったけれど、やっぱりペットとして長い時間を一緒に生きてきたのだ。
最後に叫んだあの声が耳から離れない。
やっぱり別れのあいさつなんかじゃなくて、苦しくて痛かったんだろうと思う。
生き物は死ぬから嫌だ。先に死なれるとどうしていいかわからない。