「模擬裁判」の段(2001.10.31)
ゼミで模擬裁判をやった。
司法制度改革の案の一つである「裁判員制度」を試してみるということらしい。
「裁判員制度」というのは一般に「参審員」としてしられる司法の市民参加の形の一つで、一般市民が裁判官と同じ立場になるという点で、無罪・有罪のみを決める陪審員とはことなる制度である。
発表者が裁判官、弁護士、検察官、被告人(!)の役を演じ、私を含むほかのゼミ生は裁判員ということであった。もっとも、実際の裁判員制度はおそらく一般市民は2,3名なのに対して、今回は10名を越えるということで違いが生じていた。
さて、論じた事件は実際にあった事件で「カステラ事件」というものである。
どんなケースかというと、ある大学の研究員がある製鉄会社に出向していて、その男がカステラに赤痢菌をふりかけて同僚に食べさせたとして傷害罪で告訴されたというものである。
ちなみに(確か)昭和37年の12月に起こった事件で、最高裁までいって有罪が確定している。
で、証拠などを色々と検討したのだが、検察側の論証はかなり推論に推論を重ねたいいかげんなものだと言わざるを得なかった。
はっきりと無罪だということはできなくても、少なくとも「疑わしきは被告人の利益に」という原則にのっとる限り、有罪宣告はできなかったろうと思われる。
たとえば、被告人は26日にカステラに赤痢菌をふりかけ、28日に同僚がそれを食べたということになっていて、弁護側は2日間で菌は人を罹患させるだけの毒性を失っているはずだという実験結果を提示したのに対し、検察側は「砂糖が赤痢菌を殺す」ということで「チクロ」というというよくわからない別の甘味料ならば赤痢菌は死ななかったという主張をした。
しかし、蓋然性としてその甘味料を使用していた可能性は著しく低い。
だいいち、そういうことをいい出すのであれば、使用されていたということをきちんと立証すべきだ。それほど難しいことでもあるまい(関係者に証言させるor伝票を調べるなど)
だが、高裁と最高裁は検察側の「チクロ使用説」を採用したらしい。あほちゃうか。
で、話は変わるが、被害者達に被告は直接食べさせたわけではなく、置いてあったカステラを食べた人が病気になったということらしい。
教訓――誰のものともわからん物を勝手に食うな(当たり前だ)