「一年ぶり」の段(2001.10.12)
今日、学校のパソコンにアクセスしたら珍しいものを見つけた。
去年の「政治データ分析」の講義でだしたレポートのデータである。
なんか久しぶりに見たのでちょいとアップしてみます。
ちなみに「優」をこの講義ではとりました。以下がそのレポートの文字部分である。図表部分はデータとして残ってなかったので想像でおぎなってください(笑)
このレポートでは、都市化と犯罪の多発化・凶悪化の関連について分析をしようと考えています。
都市化の基準としては様々なものが考えれられますが、このレポートにおいては
人口密度(高いほど都市化が進んでいる)
第一次産業比率(高いほど都市化が遅れている)
の2点で表すこととします。
そこで、そもそも上記の2点は本当に関連があるのかを調べる必要があります。
この2つはともに連続変量なので相関係数を用いて調べます。
相関係数が「−0,583」となったのでこれは負の相関関係です。つまり、人口密度が高いほど農業率が低くなる傾向がある、ということで予想に一致します。
アスタリスクがつくので信頼性があるといえ、また相関係数の絶対値が0,3を超えていることから2変数に関連があるといえます。
以上のことから人口密度と第一次産業比率は関連があるといえ、都市化の基準として用いることができます。
注;ちなみに相関係数の表中では「農業比率」と表されているものは第一次産業比率を表している。(これ以降の分析においても同様とする。)
次に、都市化と犯罪の多発化について分析する。
これは人口密度・第一次産業比率と刑法犯の認知件数との相関関係を調べることで分析する。
ここで、あえて「認知件数」としたのは、もちろん暗数を加えた真の発生件数はわからないので、検挙数よりは実際の発生件数に近い値をとると思われたからである。
また、この「刑法犯の認知件数」からは交通業務上過失致死の件数は除いた値となっている。これは交通事故は社会通念上犯罪とはみなされず、さらに数も多いため分析の障害となる可能性が高いからである。
さて、これらの相関関係を調べるわけだが、これらはみな連続変量なので相関係数を用いて相関関係を調べます。
すると、
といった結果が出ます。
まず人口密度との相関係数を見ると「0,900」にまで達しており、かなり関連の強い相関関係であると言えます。
次に第一次産業比率との関係を見ると「−0,655」という値をとっており、わりと関連の強い相関関係である。
この二つの相関係数にはそれぞれアスタリスクが付いており、信頼性は高い。
以上のことから都市化と犯罪の多発化には関連があるといって良い。
しかし、相関関係がわかっても因果関係が明らかになったわけではない。
だが、「犯罪が増えたから人が増える」というのはいかにも不自然である。一方「人が増えたから犯罪が増える」というのは理解しやすい。
よって「都市化にともない犯罪が多発化する」という仮説はいちおう採用できるといって良いだろう。
次に、都市化と犯罪の凶悪化について分析する。
これは人口密度・第一次産業比率と凶悪犯の認知件数との相関関係を調べることで分析する。
これらもまた連続変量なので相関係数によって相関関係を調べます。
これらをそのまま調べると、
といった結果が出ます。
それぞれ高い相関係数を示しているので、刑法犯総数と同様に都市化と凶悪犯の増加は関係有りといえます。
しかし、これだけでは都市化と犯罪の凶悪化に関係があるとまでいうことはできません。
なぜなら、これは都市化にともなって全犯罪中の凶悪犯の割合が増加するということは示していないからである。
よって、「凶悪犯認知件数/刑法犯総数認知件数*100」という凶悪犯の発生割合を示す変数をつくり、それを用いて再度相関係数を調べます。
すると、
といった結果が出ます。
人口密度、第一次産業比率ともに新変数との相関係数は低い。
よって、都市化と犯罪の凶悪化には関連があるとはいえない。
従って「都市化にともない犯罪が凶悪化する」という仮説は採用することができない。
まとめ
結局「都市化が進むにつれて犯罪は増加するが凶悪化するわけではない」という分析結果となった。
これはおそらく社会には凶悪な犯罪を犯しうる人間が一定の割合で存在し、都市化が進み人と人との接点が増えるとそれだけあつれきが生じ、その結果犯罪が増加すると、その犯罪の増加分の一定割合ずつに凶悪な犯罪を犯す人が含まれるのだろうと思われる。
その結果として都市化が進んでも凶悪犯の占める割合はあまり変わらないのだろうと推察される。
いかがでしたか、まだまだ私も若いなあ。