「外国人の被参政権および公務就任権」の段(2001.5.3)
さてさて、今回は昨日のゼミで話し合ったことについて書こうと思う。流れ的には先週の「外国人参政権」の続きと言った形なのだが、それについてはここでは語らない。興味のある人は以前書いた分をご覧になるのがよろしかろう。
まず説明しておこう。「被参政権」というのは簡単に言って選挙で投票される側になる権利のことである。議員になったり、自治体の首長になったりする権利と言ってもいいだろう。
それで問題は外国籍を持った人間にその権利はあるのか、あるいは与えても良いのかということである。
私自身の考えでは基本的に、有権者が信頼して選ぶのであるから国籍の有無は関係ないであろう、という立場である。
このことに反対する意見はいくつかあるが、重要なのが「国民主権原理に反するのではないか?」というものである。私としては有権者が選ぶのだから問題ないと思うのだが、前のゼミの教授の説では「国民というのは政府の支配に対する反対概念なので日本に密接な利害関係を有すればたる(具体的には永住権者など)」という説明で国民主権原理には反しないらしい。むろん「国民は国籍保有者に限る」という伝統的な説もあるが、どちらとでも解釈できるのならばふさわしいほうを選ぶべきであり、有権者に選択肢を増やすことはマイナスではないと考える。
あと、「スパイされる」とか「母国の有利になるように運ぶ」という意見もあったが、日本人にもスパイをする人はいるし、必ずしも母国のために行動するとは限るまい。それに、そもそもそんなよこしまな意図を持って政治家を目指す人間が日本国籍を取ることをためらうことはないだろう。国籍による制限は何の役にも立ちはしないのだ。
国政レベルと地方レベルで分けるべきかという議論については、特段分けねばならないとは思わない。ただ、リコール制度があるだけ地方の方が認めやすいのかもしれないとは思った。
次に「公務就任権」であるが、これは公務員になる権利のことである。現在「国籍条項」というものがあり、外国人は公務員になれないのが一般的である。この「国籍条項」というのは法律の根拠はなく、“当然の法理”というあいまいな基準によって国レベルでは肯定されている。地方レベルでは「国籍条項」を撤廃している自治体も出てきているが、昇進などに制限のあるケースが多いのが現状である。
このことについての私の立場は国籍による差別は撤廃すべきであるという立場である。理由は「制限する理由が無いから」である。
スパイうんぬんや権力をもつうんぬんは先ほどと同じく、そんな目的をもつ者は日本国籍を取るだろうし日本人だから悪いことをしないなどということは決してないので無意味な議論である。
そこで私は「機会の平等は保障し、採用するかどうかは各省庁などにまかせるべきだ」と主張したのだが、おそらく就職活動で苦労したんだと思うが4回の女の子に「機会の平等だけ保障しても女子社員の募集と同じで最初から採るつもりが無いのなら無意味だ」と批判されてしまった。
たしかにその意見自体はまったくそのとおりではあるが、かといって「外国人枠」を作るのもどうかと思うし、平等にする前提条件として国籍条項の撤廃は必要だとも思う。
あと、院生からの意見で「選挙と違って国民に選ばれたわけでもないのに権力を握ることになる」との指摘もあったが、日本にあだなす者を識別するのに“国籍”をもってすることが妥当だとは思われない。
政治家にふさわしくない人間も、公務員にふさわしくない人間も国籍に関係なく存在する。単純ではあるが、国籍とかそんなんじゃなく“その人”を見るべきである。それだけのことだ。