「カニバリズム」の段(2001.4.7)


 今回は「カニバリズム」、すなわち「食人」についてのお話です。
 それというのも今日の朝刊に衝撃的なニュースが載っていたのです。以下にその内容をそのまま引用します。

『モルドバの首都キシニョフの市場で、牛肉と偽って人肉を売っていた男女3人組が逮捕された。5日付のコメルサント紙によると、仲間の女性1人は市内のがんセンターの清掃員で、がん患者から除去された内臓や手足などの組織を盗み出し、牛肉として販売していたという。
 3人は酒に酔っていたため、「商品」の中に切除された女性の乳房があるのに気付かず販売。客の1人が気付いて警察に通報した。
 しかし、3人はすぐに釈放され、自宅で外出禁止の状態。近く行政処分を受ける見込みだが、人肉売買については刑法に罰する条項がなく、刑事処分はできないという。 (モスクワ)』

 どうよ、このニュース。
 まさに現実は小説より奇なり、最悪のブラックジョークです。
 これまで「食人」と言えば、非西洋文化圏の一部での習慣としてのものか飛行機墜落や海での漂流の際での非常事態のもの、あるいは異常性格者による殺人後の儀式としてのものぐらいしか一般に認知されてはいなかったわけですが、このニュースでは日常のすぐそばで「食人」が行われていたという事実、そしてなにより何も知らない人々でも人間を食べてしまう可能性が存在するという悪夢のような現実が明らかになったのです。
 それにしても乳房が発見されるまで気付かれなかったということは“人間は意外と食べられるかもしれない”という嫌な想像に結びつきます。
 あと、“刑法に罰する条項が無く”って、刑法でわざわざ「人肉を食用に販売してはならない」って書いてあるのもなんだかね・・・

 しかし、知らずに市場で“肉”を買った人にとっては今回の事件は“知らないほうが幸せだった事実”でしょう。肉を見るたびに思い出してしまうトラウマを持つ人も出てくることだろうし。
 報道を押さえて内密に処理するという選択肢はなかったんでしょうかね。

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