Visual & Sound Novel
「ノベル」と「アドベンチャー」の境目が良くわからない。
だからとりあえず画面全体にテキストが表示されるものを「ノベル」に分類することにしました。


GARA−LAND
「8月7日の雨宿り」
さわやかな印象のヴィジュアルノベルです。一回のプレイ時間は3,40分ぐらい。
所々での選択肢によって16通りのエンディングを迎えることが出来ます。
老若男女を問わずに文句なしにお勧めできます。ちなみにこ〜ゆ〜絵柄は結構私の好みなのであった。

Studio TIL
「Moonlight Blue vol.1」
ヴィジュアルノベルです。“はーとふる・らぶこめでぃ”とのこと。
幽霊の女の子との物語。表情がころころ変わってかわいらしいです。

零式改.com
「子猫達の夜」
サウンドノベルです。なんとヒロインのみですがフルボイスです。
ストーリーはどの選択肢を選ぼうと一本道ですが、さわやかな話なので読後感は良い。
「Bisque Doll」
これもサウンドノベル。一部ボイスが入っていて雰囲気が出ている。
恋愛要素の強いホラーで、二人のヒロインのどちらかとのハッピーエンドと多くのバッドエンドのマルチエンディングとなっています。

AMETHYST Jewel Box
「白銀妖精」
ヴィジュアルノベルです。めずらしいことに選択肢が一つも無いまさに“読むだけ”のゲームです。
けっこう読み応えの有るストーリーです。
(作者サイト閉鎖? ベクターへ)

高橋直樹のホームページ
「泡沫」
サウンドノベルです。
エンディングを全て見ると選択肢が増えてまったく違うストーリーが読めるというシステムです。
共通のテーマはあるものの不思議な話やさわやかな話などいろいろなバリエーションが楽しめます。

Dream Digital Novel
「無垢 序章“第一の発見者”」
マジで怖いマルチエンディングのサウンドノベルです。
グロテスクな表現が苦手な人や心臓の弱い人は止めといた方がいいです。
「序章」となっていますが、これだけで一つの物語として完結しているのでご安心を。
物語の真相を知り生き残ることが出来るか、それはあなたの判断にかかっています。

Project Ekusia
「柵の淵」
キャラの立ち絵があるからビジュアルノベルになるのだろうか。マルチエンディング。
ヒロインとのテュルーエンドを見ないとやりきれない気分になること間違いなし。
個人的な感想だがキャラの絵は無くても良かったような気がする。(絵があったほうがわかりやすいのは確かだが)

御茶ノ水電子製作所
「CAPE JASMINE」
ごく短いサウンドノベル。ほろ苦い青春の一ページという印象の物語。

おざパーク!
「さくら」
なんというか“惜しい”印象のビジュアルノベル。ストーリーも悪くないし絵も変じゃない。
だけど字がちょっと読みにくかったり音楽が無くて寂しかったりで評価が下がってしまう。惜しい!
「Little Quest」
落し物を拾った少女が落とし主を探すという物語。マルチエンディング。
短編だが非常にCG量が多く、いい出来です。ただ、音楽が無いのが少しさみしい。

妄想半島
「小さなかまどの女神様 ヘッチ―」
ギャグ調の民話とでもいったらいいのか、ちょっといい話系のビジュアルノベル(絵本)。
分岐はなくひたすら読むだけです。
全5話の構想らしいですが、現在3話まで公開中。

十字架遊戯
「あのうたを・・・」
「電子絵本」と言うだけあって、選択肢なしで読むだけのビジュアルノベル。
人工的に作られた生命、ホムンクルスをめぐる物語。「気だるく、儚く、物憂げに」がコンセプトだそうです。

ワードワード
「鬼ヶ島」
どことなく横溝正史をほうふつとさせるサウンドノベル。戦後まもない島を舞台におこる悲劇を描いている。
2度目のプレイ以降は長いシーンを読み飛ばせる親切設計です。
ただ、一定の条件を満たしてクリアすると別のシナリオが読めるのだが、その条件が少々わかりずらいかも。

Direct Soft Fenix Fantasy
「Instanity Enemy 」
ミステリー仕立てのノベル作品。選択肢によってまったく違う物語が展開します。エンディングは6通り。
ミステリー仕立てといっても推理する必要はなく、お話を読むだけでよい。なお、カウンターが使われているので数回クリアしないと現われないシナリオもあるので全てみるのは結構たいへんかも。
音楽が無いのが少々寂しいのが難点といえば難点か? あと、プレイ後はやりきれない気分になります。

チーム・ゴルボンズ
「氷雨」
本格的なミステリー系のサウンドノベル。迷い込んだ山荘で起こる連続殺人の謎を解いてください。
18ものエンディングとよくできたシナリオは五つ星をつけてもいいほどの良い出来なのですが、選択肢までの文字飛ばしができないことと自由にセーブができないことがちょっと厳しいかも(難易度が高いのはそういうものなのでそれはそれでいいと思う)

ALE−X−FILES
「Hanged Woman」
さまざまなストーリーに分岐するオムニバス形式のサウンドノベル。エンディング数は13。
ふざけた話やシリアスな話、恋愛話などいろいろな展開があり、楽しめる。
女性の一人称だが、男がプレイしてもまったく問題ない。タイトルの意味はプレイすればすぐにわかります。
(余談)フルスクリーンモードだと全角で主人公の名前が入力できない仕様だが、あらかじめフルネームをクリップボードにコピーしておけばウィンドウモードで始めなくても大丈夫。

Romance Fantasia
「IN THE PLANET」
惑星探索に出た少年少女のお話のサウンドノベル。選択肢はあるがストーリーは基本的に一直線。
途中にミニゲーム(?)のようなものもある。ところどころにボイスが入っているのだが、それがどうにも「とってつけた」ような印象があるのが気になった。別にボイスはなくても良かったのでは・・・

幻想都市
「くるみわり人形」
本格派のサウンドノベル。
現在「バージョン0.6」とのことで、ホラータッチの「紅葉編」とミステリータッチの「志野編」(こちらがメインシナリオ)がプレイできる。
「ショートカット」や「早送り機能」など繰り返しのプレイがしやすいのもありがたい。
文句なしに素晴らしいできなので、お勧めです。次のバージョンになるのを待ってもいいですが、現在の状態でも十二分に楽しめることは間違いないありません。

ゲルひみつ結社
「ひとかた」
かなり読みごたえのある伝奇サウンドノベル。基本的にストーリーは一本道だが、面白いのでぐいぐい読ませる。
18禁版と一般指定版がありますが、オリジナルは18禁版なので18歳以上の方はそちらをどうぞ。
ただし18禁版といっても「そ〜いう描写」があるというだけで、それがメインではないので悪しからず。
ちなみにこのゲームのシナリオはフリー素材として提供されているので画像や音を変えて自分でサウンドノベル化することも可能らしい。(ものすごく大変だろうけど)

TAEKO SOFT
「美少女アイドル Lost Way Child Rhapsody」
珍しいことにヒロインの女の子が実写のサウンドノベルです。エンディングは二つ。
内容は主人公とヒロインの恋愛物。でも、メインはストーリーよりも女の子の写真なのかも?
これはフリーウェアですが、パスワードを手に入れるために広告のページに行ってもらうことで作者に利益が入るというシステムになっています。三方一両損みたいで、よく考えられてますな。

JuneBride公式ホームページ
「JuneBride」
異常な状況に巻き込まれた主人公とヒロインの物語でマルチエンディングのサウンドノベルです。
作者さんが自ら影響を受けた(というかゲームを作るきっかけになった)と公言しているだけあって「1999ChristmasEve」と雰囲気とかがよく似ているので、「1999」が好きな人ならお勧めできます。(「1999」はもう公開されてませんが・・・)
かなりボリュームがあり、全エンディング制覇は大変ですが、制覇しないとおまけの追加シナリオが出ないので頑張ってください。わからない人にはHPに攻略のヒントもあります。
ただ、物語で謎が謎のまま説明不足な気がする部分があるのがちょっと気になるかも。

ゾウディアック公式HP
「ZODIAC」
ホラーチックな探索型アドベンチャーゲームです。
わりとグロい画像なんかもあったりするが、ちりばめられたヒントから謎を解いていくというパズル的要素の方が印象深いので(個人的には)そんなに「怖い」という印象はなかった。
敵との戦闘なんかもあったりするが、メインは数々の謎解き。メモをとり、頭を使わないとなかなか解けないものが多いので、悩まされる分だけ楽しめる。(どうしても分らない時は掲示板にヒントやネタバレがある)
マルチエンディングだが、1回目でベストエンドを迎えるのはよほど慎重に進めないと難しい。でも、とにかくクリアすれば特典として詳しい攻略のあるサイトへ行けるようになるので安心だ。
「ZODIAC2」
内容を説明すると前作と同じような表現になってしまうが、ホラーチックな探索型アドベンチャーゲームです。
例によってパズル要素が強いのだが、なんと戦闘の難易度だけでなく謎解きの難易度も設定可能なので、謎解きの苦手な人にも優しくなっています。
また、クリア後の特典も充実しているので、やりこみ要素もたっぷりです。完成度もより高くなってお勧めの作品です。

じゅえる☆ぼっくす
「勿忘草の夜」
「わすれなぐさのよる」と読みます。わりとスタンダードなタイプのサウンドノベル。
中篇程度の長さなので、大作はちょっと――という人にもお勧めです。もっとも、エンディングの数が多いので、そうでない人も完全攻略を目指せば長く遊べることでしょう。
ホラーですが、残酷な末路の直接的な描写は(あんまり)ないので、スプラッタが苦手な人でもたぶん大丈夫です。
うまくまとまった良品です。ただ、欲を言えば、いわゆる「即死エンド」が多目かも?

夢鳥‐yumedori
「恐怖の花子さん」
「怖さ」を前面に打ち出したサウンドノベルです。マルチエンディング。
怖さの種類としてはゾクッとするというよりはドキッとするような――言ってみれば「お化け屋敷」のような怖さです(なんだこの説明は)
主人公の語り口調のシナリオと一種独特の絵が怖さをいっそう引き立ててくれます。

Atelier of Chiharu
「紅刻の唄」
分岐のない読むだけのビジュアルノベルです。切なく美しい物語と美麗なイラストが素晴らしい。
ごく一部に残酷な描写もあったり、女の子同士の恋情をつづっていたり――と書くととっつきにくい作品かのようにも思われますが、決してそんなことはなく、万人にお勧めできる良作です。
ただし、かなりの長編なので一息に読みきろうとしたら一日つぶれるかも。っていうかつぶれる(笑)
現在、「第零話」と「第壱話」が公開中。なお、「第壱話」は18歳未満禁止ですので、ご注意を。(それぞれの話でまとまっているので消化不良になる心配は不要)

林檎坂通信
「 " ガラスの中の少女 " Does Anybody Really Know What Time It Is ?」
基本的には一本道だが、最後の謎解きでエンディングが二つに分かれるサイコホラー作品。
確かな文章力と、現実と妄想の交錯する先の読めない展開で最後まで飽きることなく楽しめるはず。
ただ、謎解きは相当難しいので、フォルダに同梱されているヒントを参考にする必要があるかもしれない。
それと、トゥルーとバッドの二つのエンディングがあるといっても、真相がわかるかどうかという違いがあるだけで、ぶっちゃけどっちもバッドエンドです。ハッピーエンドがないのはちょっと……という人はご注意を。

十月図書館
「 イルムタージュ・ヴェルアレアサン」
タイトルだけではよくわからないだろうが、「文化祭を間近に迎えた高校を舞台にした物語」をコンセプトにした物語のサウンドノベル。
永遠に製作中、ということでその気になった人がいればシナリオを書いてどんどん物語を分岐させて製作に参加することが可能だということらしい。
とはいえ、既に完成しているシナリオもちゃんとあるのでご安心を。内容的には「女神転生」を知ってる方がよさそうなシナリオとギャルゲーっぽい(そうか?)シナリオ等。けっこうボリュームがあります。
ちなみにシナリオは完全にオープンソースで添付されているので、バグがあろうが途中で飽きようが、最後まで読めるようになっています(笑)

Capricious Cherry
「雨の日には白い傘を」
ごく短いサウンドノベル。すぐに終わるがエンディングは多い。
いくつかのエンディングを見るうちに背景のストーリーがわかってくるような作りになっている(そんな大げさなものでもないが)
読後感は悪くない(たぶん万人向け)なので、気軽に楽しめるはず。
「Seeker―月夜のリング―」
夜の学校を舞台にしたホラー(?)サウンドノベル。これも長さのわりにはエンディングは多い。
サイト内で一番シナリオ量が多い、とのことだが、プレイ後の感想としてはちょっと物足りないというか、物語の第一話だけを読んだような感じで「終わった感」がない感じだ。というかむしろ「次回へ続く」な感じか。(続編があるわけではないが)
ちなみにこの作品には一部で「同じ選択肢を選んでもランダムで展開が変わる」という珍しいシステムを採用しています。非常に面白い試みではあるんですが、この手のゲームでユーザーがそれを望んでいるかは微妙・・・

Goodmorning Sunset
「Cronosnow」
なんというか、実に奇妙な味わいのホラーサウンドノベル。「普通のゲーム」をお求めの方には向いていないことは確か。
良くも悪くも商業ベースには乗りえない、フリーゲームならではの作りです。
ネタバレしてしまうと面白くもなんともないので詳しくは書けないが、ある程度プレイして行きづまったと感じたら、ゲームに同梱してある作者のネタバレコメントを読みましょう。

Project Lips
「Twinkle Little Star」
人魚伝説を中心とした「伝承ノベル」だそうです。といっても普通のサウンドノベルですが。
メインストーリーは環境破壊と開発という難しいテーマを扱っていますが、どちらが絶対に正しいと簡単に断じることなく真摯に問題に向き合っている印象があって好感がもてる。
また、クリアすると増える選択肢から派生する別のストーリーもバラエティに富んでいて面白い。まだ見ていないルートがあるかはCG集が埋まっているかどうかでだいたいわかるはず。
あと、主人公の父親がものすごい悪人面なのに、別に悪役でもなんでもないのが個人的にはツボ(笑)

MoreMoreEntartainment
「クロスフェードに堕ちた夢 -renewal-」
記憶喪失の男と謎の組織に追われる少女――どういうジャンルか、といわれると公開サイトにある「B級ハリウッド映画っぽい」という表現しかないような感じのサウンドノベル。
「音楽重視」とのことで、実際プレイしていてBGMは場面場面に合っていて雰囲気を盛り上げてくれる。
シナリオはいくつか選択肢があるものの、ストーリーとしてはほぼ一本道。展開も文体もわかりやすいのでさくさく読み進めることができます(ただし結構ボリュームがあるのですぐには読み終わらないが・・・)
あと、誤字等の修正バッチが出ているので、それを当ててからプレイする方がいいと思われます。
――個人的には「夢」以外のシーンでも一人称の話者が切り替わってしまうことにちょっと違和感を感じたりもしますが、そういうものだとわりきってしまえば、いいシナリオだと思います。(気にしすぎ?)

Project天月<Tentsuki>
「天雨月都」
2004年5月現在は「お試しVersion.4.1」です。「お試し」といってもちゃんと話は完結しているので、安心して遊んでください。なぜ「お試し」なのかはダウンロード後「readme」を読んでくださいませ。
現在のところ大きく二つのストーリーのあるマルチエンディングのノベルです。盛り上げ方がうまいので、話にのめりこめる。
巷では賛否両論あるキャラの絵ですが、個人的には全然問題ないです。むしろ、表情をうまく書き分けていて素晴らしいと思います。
あと、「おまけシナリオ」や「次回予告」などサービス精神もあってすばらしい。
なお、残酷な描写やグロテスクな表現もあるのでその点にはご注意を。

Moon House
「散り逝く花に君を想ふ」
明治時代を舞台にした恋愛とサイコ・サスペンス風味のサウンドノベルです。
マルチエンディングで、二人の主人公のどちらかを最初に選択して、その主人公の視点から物語が展開します。そのため、片方でクリアした後でもう一人をプレイするとストーリーを裏側から見る形になって面白いです。
明治の風俗っていうのがちゃんと再現されてるかっていうのはよくわかりませんが、雰囲気は味わえます。
ただ、主人公に感情移入は――ちょっとしにくいかも(特に男の主人公)

ウマいんぼ
「OH!威信慕!!」
なんていうか、「美味○んぼ」のパロディです。個人的には大好きなノリですが、プレイする人を確実に選ぶので、三ツ星評価止まりということにしておきます。
プレイする人を選ぶ、ということですが、条件としては「原作を登場人物のキャラがわかる程度には知っている」、「でも原作をバカにされたと怒り狂わない」、「基本的にバカなノリは嫌いじゃない」などの点をクリアする必要があります。
しかし、上記の点をクリアした人にはよく作りこまれた非常に面白いバカゲーとして楽しめると思います。
なお、このゲームには残虐な描写や叫び声なんかがあったりしますので、その点にはご注意を。

Bias Crashers
「黒猫」
エドガー・アラン・ポーの同名小説「黒猫」をリメイクしたサウンドノベル。選択肢はないので読むだけです。
非常に凝ったオープニングから後は、えんえん暗〜い話が続きます。まぁ、そもそも原作がそういう話なので当たり前っちゃあ、当たり前なのですが。
ちなみに原作は著作権切れで青空文庫で公開されているので、興味を持った方はそちらをご覧になってもいいかも。よくぞここまで話を膨らませたものだと驚くことでしょう。
あと、オープニングの「歌」は・・・う〜ん、個人的な意見としては無い方が・・・

Square Box
「消火栓」
わりと本格的なミステリーのサウンドノベル。基本的には真相エンド一つとバッドエンド多数のマルチエンディング。
特徴的なのは「犯人マークシステム」。選択した人物を疑った状態でストーリーを進めるというこのシステムや、要所要所でのクリッカブルマップ方式の採用によって「選択肢総当りで解く」というような単純な解き方ができなくなっている。
難易度はわりと高めだが、それだけ十分に楽しめる作品だ。
余談だが、死後1日経過した屍体って刺してもそんなに血が出ないんじゃなかろうかと思ったり。ちゃんと調べたわけじゃないけど。

詩的廃屋 -Lyrical Deli-
「茜街奇譚」
現代の街に潜む「人でないもの」と「人間」との関係を描いたサウンドノベル。
現在のところ分岐ありの長編1本と分岐なしの短編3本が収録されている。ただし分岐ありといってもストーリーはほぼ一本道。
文章は特に読みづらいということもなく、雰囲気も出ているのだが、いかんせんエピソードを積み重ねてキャラを魅せるタイプのノベルなので長編一本ではやや弱い印象を受ける。
今後エピソードが追加されていく予定のようなので、それに期待するのもよろしいかと。

a ripple
「call」
事故で入院した病院での人々との触れ合いを描いた中篇サウンドノベル。マルチエンディング。
舞台が舞台なだけにともすれば説教臭くなりそうな話だが、それほど嫌味な感じはない。ただ、一つのストーリーの中で複数のキャラの物語を描いているので少し焦点がぼやけてしまっている印象。
それとバグなのかどうかは不明だが、エンディング到達後に追加される「面会」メニューはトゥルーエンド以外だと話がつながらないので、見るならトゥルーエンドを見た後まで見ないように注意(私がプレイした時には通常エンドの後でも出てしまった)
あ、あと、CGは好みのタイプです(そんなことは聞いてない)

わいわい工房
「魔夏〜MANATSU〜」
ホラー系のサウンドノベル。サスペンスっていうよりは怪談のノリが強い。
フラグ立てての分岐もあるが、基本的には即死エンドが多い。あと、本筋のストーリーと関係ない理不尽なエンドが多いのが個人的にはひっかかった(この辺が怪談というか都市伝説のノリというゆえん)
残酷な描写やグロテスクな描写が多いので苦手な人は止めた方が賢明。
ちなみにエンディングリストを埋めても得られるのはグロ絵のギャラリーだけです(笑) なんかヒロイン(?)の妹の絵が一番怖い気がするのは私だけであろうか・・・
(作者サイト閉鎖? ベクターへ)

礼門屋
「ファインダードアイズ」
視点の違う短いエピソードを積み重ねて一つのストーリーになるタイプのサウンドノベル。エンディングは一応3種類だが、ストーリーに大きな変化はない。
なんだか色々と兵器の設定にこだわっているようなので(私にはわからなかった)、ミリタリー関係に詳しい人は楽しいのかも。
あと、シリアスな展開なのにあの脱力するコードネームはいったい・・・(元ネタがわかる方が悪い?)

SUGAR STAR
「歌恋」
15禁(性的描写あり)なので、15歳未満の方はダウンロードしてプレイしてはダメです。
男と女、男と男、女と女――というように、シナリオ次第でカップリングが色々です。(でも、メインシナリオではヒロインとシリアスな恋愛話してたのに、いきなりホモに目覚められてもかなり違和感が・・・)
シナリオは会話が多いが、文字色で区別しているのでわかりやすい。ただ、本来1人称のシナリオなのに本人がその場にいないシーンの描写があるのはちょっとひっかかるかも。
CGは頭身が低めのかわいらしい感じで、かなり上手い方だと思われる。(好き嫌いは分かれるかもしれないが)
あと、各シナリオの攻略方法はダウンロードページに掲載されているので、面倒な人はそれを見ながらどうぞ。

NaGISA net
「カレイドスコープ」
ネタバレになるのでストーリー紹介はできないですが、感動系ヒューマンドラマのノベルです。選択肢は多数なれど、ストーリーは一本道。
ストーリーは嫌いな方向性じゃないし、最終的に伏線を回収したラストも読後感がいい。――が、ストーリーの展開が「問題が出てきてはそれを乗り越えていく」というのを繰り返すパターンなので、なんだか盛り上がりに欠けるというかカタルシスが不足しているような印象がある。
あと、3人称はサウンドノベルには向いていないんじゃないかと・・・

儚い夢館
「精神科医 香月悠のカルテ」
選択肢無しの読むだけサウンドノベルです。(エンディング後のおまけには選択肢がありますが)
作者自身の体験に裏打ちされた「大事なこと」に関するメッセージが本編に一貫して流れていて、それはまあそれでいいんだが「力」とか「血のつながり」とかの設定が伏線として回収されてないのはど〜かな〜と思わないではない。あと、タイトルでわかることとはいえ、主人公に関する設定を説明せずにいきなりストーリーに入っていくのもちょっと引っかかるものが・・・
私自身は共感するような体験をあんまししてないので、そんなもんかって感じにどうしてもなってしまうが、共感できるような経験のある人ならぐっとくるかもです。

EVERY MONTH
「怨鏡」
特殊な能力に目覚めた主人公が日常から非日常の世界に巻き込まれていく――というありがちといえばありがちなストーリーのサウンドノベル。
とはいっても、設定などはなかなかに魅力的なものがあるので読み応えはある。むしろ問題(?)は作りが荒いように感じること。あちこちから素材を持ってきて採用しているために「キャラの立ち絵のタッチがバラバラ」だったり「背景が写真だったりイラストだったりバラバラ」だったりと、もうちょっと気を使ってもよかったのではと思ってしまう。また、最後の選択肢でエンディングが変わってしまうのにエンディングコンプのためには頭から読み直す必要があるというのもちょっと萎える。(ツールの仕様かもしれないが)
ちなみに続編も作られているので面白いと思った人はそちらもどうぞ。

(猫)milk cat
「ヒトナツの夢」
タイトルからもイメージされる通りのちょっと切ないサウンドノベルです。文章は珍しいことに縦書きです。
このゲームの一番の特徴はなんといっても「フルボイス」という点でしょう。もう主人公からヒロイン、脇役までしゃべりまくりです。(追加パッチをあてる必要あり)
そして地味にすごいのがオプション機能の多機能さ。オートモード時の速度等の実用的な設定はわかるとして、ボイスの音量設定を各キャラクター毎に行えるという「野郎の声は聞きたくない人向け?」な機能までついています(笑)
ストーリーは分岐も少なくゲーム性は低いですが、お話を読んで感動したいにはお勧めです。なお、本編は切ないストーリーが展開されるのにおまけのミニゲームは「パンチラゲーム」というギャップがなんとも・・・

熊月温泉
「神様ノ子守唄-ツギハギ殺人事件-」
え〜、こんなタイトルですが、これはミステリー作品ではありません。じゃあどんなジャンルかっていうと、それを説明するとネタバレになってしまうので説明できないというなんとも言えない作品です。序盤の展開はミステリ風ではあるんですが・・・ミステリのつもりで読むと最後は「ポカーン」とすること間違いなしです(笑)
とはいえ、「これはミステリじゃない」と唱えながら読むとテンポ良くストーリーが進むので普通のノベル作品として面白いです。ただし、最後の最後にいかにも「次回作に続く」的な設定が明かされたり、謎の存在が謎のままだったりで、この作品だけでは評価に困るのも事実。ノリと設定は面白いと思うので、ここは「次回作に期待」かも?
「神様ノ子守唄-キミに捧げる鎮魂歌-」
上記の作品の続編にあたる作品です。今回はもう完全に能力者バトルものに特化してるのである意味「安心」して読んでいられる。
ただし、続編なのに前作のヒロインが出てきません(!?) 主人公は同じで、前作の設定を踏まえた話であるにも関わらず、です。良いか悪いかは別として驚くべきことではある。
今回もやっぱり風呂敷はひろげっぱなしで伏線は回収されずじまい。全三作で次回作で完結する予定とのことですが、本当に完結するのか不安?

INFINITY
「七年凪」
まっとうなミステリ作品です。シチュエーションは「孤立した山荘での連続殺人」――よくあるパターンっちゃあよくあるパターンですが、警察を介入させないためにはしょうがないのかもという気がします。
サスペンスとか推理の論理的な流れはこの手のミステリ作品の中では水準以上だと思います。犯人の動機がちょっとアレとかいうのは、純粋なパズラーに動機は不要という観点からいうと個人的にはどうでもいいです。
ただ、推理の元になる連続殺人以外のいわゆる「バッドエンド時の虐殺シーン」が無茶すぎかも・・・闇夜を駆け抜け(暗視ゴーグル?)屋根の上から狙撃する(レーザースコープ使用?)――ゴルゴか、お前は(笑)

KITTENS
「PSOアンダーグラウンド/朽ちゆく想い出に」
某ファンタシースターオンライン(PSO)の世界観を下敷きにしたSFホラーノベルです。専門用語も多数出てくるが、「用語解説」機能があるので予備知識のない人でも楽しめる。
システムはごく普通のノベルゲームのもの。ただやや変わってるのが各章の終わりごとに野郎どもとの好感度が数字で表示されるということ。いや、別にその手の要素は皆無なのだが(笑)
エンディングはトゥルーエンド後に入れるサブシナリオのものも含めると30以上にもなるが、大多数は主人公の「死にっぷり」のバリエーションなので、実質的なエンドはそれほどの数はないかも。
別にPSOを知らなくても問題ないとは思うが、知ってる人ならもうちょっと評価は上がる――かも。ちなみに拙はPSO未プレイです。

出窓のすなばこ
「ホームタウン」
サイコサスペンス――確かに他に適当な表現が見つからない。が、どちらかというと「怖い話」というより「哀しい話」といった印象のサウンドノベルです。
兄の死の真相を探ろうと決意した主人公だが、嵐の中一軒屋に閉じ込められ、そこに殺人鬼がやってきて――というストーリーなわけだが、無事に生還して真相を知ってトゥルーエンドにたどり着いても、どこかほろ苦い読後感が残る、そんな感じ。ハッピーエンド好きにはちょっと向かないかも。
気になるのは、「エンディングリストがホームページにしかない」(!?)ということと、「BGMがあったりなかったりしてるが、これって演出?」なところ。作者さんのホームページを見るとパソコンが苦手らしいので技術的な部分で難しいのかも知れないのですが、どうしても他のソフトと比較してしまうので少し引っかかってしまった。念のために書いておきますが、文章の方はしっかりしてて読みやすいですよ。

Air
「ランプ lamp/rumble」
ジャンルは――恋愛、なんだろうか。どちらかというと恋愛というよりお話という要素が強いような印象。
ストーリーはランプの中から女の子が出てきて願い事を叶えてくれるというけどどうしよう――という内容で、結末もありがちと言えばありがちで、選択肢も少ないのでゲーム性は低いと言ってよい。が、雰囲気が良く、文章運びも問題ないので、全体としては好印象。
ただ、「サーヴァント」云々のくだりは作者のお遊びなんだろうが、ストーリーに矛盾をきたすだけでなく、全体からもちょっと浮いた感じになってるのでいらなかったのでは――というのが唯一引っかかったかも。

二番煎じ
「完全懲悪」
ジャンルはミステリです。製作者曰く「『氷雨』に憧れて作成したもの」とのことです。マルチエンディング。
さて、失礼を承知で書かせてもらいますが、プレイしてみてのミステリ好きとしての私の評価は「不可」です。及第点はあげられません。理由としては、文章力がどうこうとか、読後感がどうこうとか、そういうことではありません。そこにロジックがないからです。
精密なロジック無しにミステリは成立しません。殺人が起こり、トリックがあり、探偵役がいればミステリになる――というわけではありません。この作品をプレイされる方には「ミステリ」としてではなく「サスペンス小説」を読むつもりでプレイすることをお勧めします。

きらりんぐソフトウェア
「愛を探して」
とっても短いので騙されたと思ってやってみるといいかも。(それで「騙された!」と思っても責任は持ちませんが)
あと、プレイ回数は1回だけにしときましょう。そうすると何となく嫌な感じが持続できます(笑)

飼育小屋製作委員会
「鴉の断音符」
「断音符」の名の通り、細切れの物語でつづられるサウンドノベルです。具体的には、1日毎の行動をその都度選択していくというシステムなので、一貫して一つのストーリーを追う事もできるし、その逆もまた然りということで非常に自由度が高い。
ストーリーは「主に」殺人事件を追うものだが、まったく関係のないストーリー展開もあり、8つのメインエンドと8つのサブエンドが用意されている。コンプリートするのはそれなりに根気がいるが、ヒントも用意されているのでそれを参考にどうぞ。
なお、主人公は人間並みの知能を持った「カラス」です。このゲームをプレイした後はカラス好きに――なるかどうかは知りません(笑)

ReIce second
「White Epilogue」
サイトでの紹介では「ごった煮恋愛ノベル」とのことですが……一般的な「ギャルゲー」を想像すると痛い目を見ます。どっちかっつーとジャンル的には「青春ミステリ」に近いか?(それにしたって微妙に違う気がするが)
シナリオは「隣町で起こった連続失踪事件を調べ始めた主人公達だったが……」って感じのストーリーで、選択肢なしの一本道です。その代わりと言ってはなんだが、かなり序盤から「真相」への伏線がちりばめられているので、「読むだけ」なのもそれはそれで良いのかもしれぬ。
ただ、若干ご都合主義的に感じられる部分や、舌足らずに感じられる部分が人によっては気になるかもだが、まあその辺りを気にしすぎると何も書けなくなるし、ある程度目をつぶっても良いのではないかというのが個人的な見解だ。
なお、総合的な評価については、「特にひどい点はないが、とりたてて強くアピールする点も……」という印象なのでこうなったが、今後公開予定の同じ世界観の作品で作品世界が深まれば、あるいは評価が変わる可能性も?

ビー玉世界理論
「えっちゃん珍道中〜ぷろろーぐ?!」
ロールプレイングゲームでよくある「村の名前を答えるキャラ」を主人公の一人にすえたパロディ風味のファンタジーノベルです。読むだけの一本道。
基本的にはもう一人の主人公の「えっちゃん」との漫才のようなボケとツッコミの会話でストーリーが進行していく。
全体的には、ちょっと世界観が練りきれてないような印象。着想自体は面白いのだが、あまりそれを掘り下げずに変人キャラの勢いだけでストーリーが進められていくのがそう感じる原因かもしれない。
きちんとした「お話」が好きな人にはお勧めしかねるが、若さというかとにかく「勢い」のあるのが好きな人はやってみるといいかもです。

言ノ葉迷宮
「お初桜事件」
これは著作権切れの短編作品をサウンドノベル化したものです。原作は甲賀三郎。舞台は昭和初期となっております。元が小説なので、当然の事ながら読むだけで選択肢等は一切ありません。
この作品は探偵役の少年が知人の巻き込まれた事件に関して推理して、それを主人公の少年が脇で感心しながらみているというホームズシリーズのような構成となっています。といっても短編なので、初めから真相を知っていたかのごとくすぐに解決してしまうので読者は頭を悩まされる隙は全くと言っていいほど与えられません(笑)
当時の人間にサービス精神を求めてもしょうがないので、「あとがき」みたいなものは当然無く、読後感があっさりしすぎているかもしれない。念のために書いておくと、古い話=面白くないということはないので、その辺はご安心を。
あと、続編の「贋紙幣事件」もあるので、気に入った方はそちらも合わせてどうぞ。

ZIGZAG
「The noose」
ホラー作品です。スタイルとしては、普通の人が恐ろしいことに巻き込まれる――というタイプではなく、病んでる主人公の一人称で語られるサイコな感じのスタイルです。なので生理的に受け付けない人にきついかもしれない。
選択肢は最後の最後に一つあるだけなので、基本的には読むだけです。ストーリーは、主人公がどうにも病んでるからか、なんかすっきりしない印象。そこんとこがホラーなんだと言い切ってしまえばそうなのかもしれないが・・・

黒ミサ会別館 ちーぷ・そふと
「血袴鬼譚」
時代劇風の和風デジタルノベルです。所要時間は30分程度で、選択しなしの読むだけのものです。
ストーリーは有りがちというか、展開が読めるものではありますが、それはそれで王道ってことなのかも。現在のところは「第一幕」だけだが、今後続編が出れば深みが増す――かもしれない。
(ちなみにゲームはサイトの「隔離封印された廃屋」というコーナーから「別館」に行くことでダウンロードできます。ちょっとわかりにくいので参考まで)

White Flame
「時流」
「時流」と書いて「ときながれ」と読む――ということで、伝奇物のノベル作品です。一本道の読むだけの作品ですが、かなりのボリュームがあるので注意が必要(公称約8時間)。
シナリオの構成上、同じような場面を繰り返すシーンが多いのだが、同じ文章の使いまわしを多用することなくきちんと場面ごとに書かれているので、長い展開もだれることなく最後まで楽しむことが出来ます。
若干の矛盾とかひっかかる部分も無いではないのだが、それ以上にシナリオに魅力があります。繰り返される悲劇の果てにハッピーエンドにたどり着くことができた時には感動もひとしおというものではなかろうかと思われます。

PROJECT写楽
「煉獄のユリカ」
ホラー物のサウンドノベルです。特徴としては「登場人物も含めて」実写という点。モデルは(当時)現役の女子高生に作者の美人な奥さん……いや、それがウリっていうわけでもないんでしょうが(笑)
選択肢はあるものの基本的には一本道のストーリーで、間違った選択肢を選ぶと不条理なまでに即デスエンドを迎えます。それはまあ、説明書にも明記してあることなのでそ〜ゆ〜ものだと割り切るのがよいかと。
本編は残酷な展開のホラーですが、本編後のアナザーストーリーはおちゃらけたシナリオです。しかも展開ミエミエ。プレイ後に脱力するにはちょうどいいかと。

半透明舞台
「雪と手袋」
短編のミステリー作品です。ただしミステリーといっても殺人事件とかではなくちょっとした日常の謎を解くというものです。選択肢無しなので読むだけのノベル作品です。
ミステリーの難易度は――これは「ヒントが出そろってさあ推理しましょう」というタイプの作品ではないので難しいとか易しいとかいう基準を用いるのは少し違うように思われる。ただ、論理の流れは自然で仮説を検証していく過程はミステリ好きにも納得の出来。
なお、この作品の魅力はミステリ部分にもありますが、作品全体の雰囲気の心地よさにもあります。年齢性別を問わずお勧めできる良作です。

作りゲーム置き場
「ある夏の日、山荘にて……」
孤立した山荘で殺人事件が――という王道まっしぐらな本格ミステリー作品です。ミステリ好きな人も満足の出来。
見事なのは「間違った推理で間違った真犯人を推理する」選択肢があるのだが、その際の論理構成が実に凝っている点。間違った推理の場合はもう一人の探偵役的な登場人物に矛盾点を指摘されてしまうのだが、それまではそれで間違いないと思わせるだけの説得力がある。ぶっちゃけ、私も最初のチャレンジ時に見事にひっかかってしまったくちです(笑)
最初の事件の解決に失敗しても第二の事件でリベンジができるという構成も面白いし、クリア後におまけシナリオが出てくるというのもお約束だが、満足度を高めてくれる。
ただ、あるエンディングでだけ明かされる「ある事実」は、それを隠すためにあからさまに文章が不自然になっていて、勘のいい人はすぐにひっかけに気づくようなことなので、やや蛇足気味のような印象がある。
なお、既読スキップ機能は実装されていないので、繰り返しプレイする時は既読をノーウエイトにしてエンター押しっ放しで我慢しましょう。

夢で描いたホウレン草
「hundred」
セカイ系な感じの超能力(?)バトル、あるいは世紀末覇者(ちょっと違)な雰囲気のサウンドノベルです。
この作品は少々――かなり変則的な構成になっていて、100のタイトル(元ネタは「字書きさんに100のお題」だそうです)に物語が分割されていますが、実質上は単一の一貫したストーリーになっています。さらには全て一人称で書かれており、その視点がころころ変わる(必ずしも1タイトル1視点というわけではない)という相当一般的でない書き方です。
また、セーブをしてもそれが何話目かはわからないので、同じ話をもう一度読みたいのでなければ自分で「今何話目まで読んだか」を記憶するか記録するかしておかなければなりません。(作者さん自信も自覚はあったようだが効果的な対策がとれなかった模様)
ストーリー自体は、それなりに面白い。細かい点をあげれば、描写に若干矛盾があったり、キャラの書き分けが微妙だったり――といくつかひっかかる部分もあるが、ラストへの持っていき方は「このネタはこのためか!」とちょっと意表をつかれて感動したので、差し引きゼロといったところではなかろうか。

Prime
「ノトス水上紀行」
100年前に異常気象により大半が水没した世界でのヨットに情熱を燃やす若者たちの青春群像――なのだろうか? ヒロインが3人のマルチエンドのノベル作品という表現ならとりあえず間違いはないのだろうが。
まず、プレイした人が最初に引っかかるのは恐らく「立ち絵」だろう。なんというかバランスが悪い。よく観察すれば、手が長すぎるか頭が小さすぎるかどっちかだろうなと見当がつくが、サイトのキャラ紹介を見れば手足が長すぎるんだなということがわかる。プレイしていればそのうち慣れるが、やはりイベントCGと同じ水準を期待したくなるのが人情というものであろう。
次にシナリオ。かなりのボリュームがあって、ヒロインごとにかなり違った印象のストーリーが展開される。なお、その内一人のルートへは他の二人でクリアしていないと行けないので注意が必要だ。シナリオで気になったのが、中盤の中だるみ。それなりにイベントは起こるのだが、なんというかメリハリにかけていて微妙に盛り上がらない。一日一日を細かく描写しすぎているせいで、「繰り返している感」を感じてしまうのもその一因だと思われる。
さらに世界設定。これは個人的にどうにも納得できなかった。名前といいどうみても現代日本そのままの文化が5つしか島の残っていない世界で維持されてるのがご都合主義的で引っ掛かりを覚えた。さらに文中で「ピンクの髪が」とかいう表現があることから、ビジュアルの設定じゃなくて実際にヒロインの一人の髪はピンク色なのだと推定されるが――それは、正直ないだろう。そこまでいくと近未来SFじゃなくてファンタジーの領域だ。なんというか世界観の土台がしっかりしてないと、いちいち引っかかってしまう。(車を使ってるけどどこで産油してるんだ?とか)
基本的には主人公の成長物語とヒロインとの恋愛がメインの青春もの(一部例外あり)なので、細かいところには目をつぶれるっていう人はどうぞ。逆に「こだわってしまう」人は避けた方が無難かもです。

TRUE REMEMBRANCE
「送電塔のミメイ」
日本の離島っぽい場所を舞台にした和風ファンタジーノベル作品。(あくまでも「っぽい」だけなので伝奇のカテゴリーからは外れるようだ)
ゲームシステムはごく一般的なひたすら読み進めるもので、分岐は存在しない。最後までの所要時間は推定3〜5時間程度と思われる。
特徴的な点としては、このゲームは閑話をはさんだ数話で構成されているのだが、話によって一人称の話主が変わる点があげられる。基本的にはメインの二人が交互に話主になってそれぞれの視点で物語が進むのだが、そのおかげで二人の内面や互いにどう見ているのかがわかり、物語にふくらみがでているように思われる。
シナリオは、とても良い。多少ややこしい部分はあるが、はりめぐらされた伏線がきちんと生きている。中盤から終盤にかけての盛り上がりは一気に読み進めたくなるだけの力がある。付け加えると、脇役も含めたほとんどの登場人物の「その後」について決着をつけているのも、一つ間違えれば蛇足になるところを丁寧な仕事と感じさせる。
エンディングムービーも非常に素晴らしく、物語の最後を飾るにふさわしいものとなって感動をもりあげてくれる。
全体を通して、「ゲーム性」にこだわる人以外であればお勧めできる良作といって良いと思う。あと、ヒロインのミメイがかわいすぎる(萌えキャラじゃないが)

