統計の前提条件
以下は大角征矢先輩による統計の集計法等を引用したものです。

 檜書店月刊誌『観世』巻末に掲載の各会演能予告番組をもとに、以下のような統計をとってみました。これにつき、以下統計をとる前提条件を列記しますと、  

@  集計期間は、戦後復刊されて間もない『観世』昭和25年1月号から平成11年12月号まででちょうど50年間の600ヶ月の統計がとれるので、この期間としました。
 なお、50年の期間なので便宜上、10年ごとのまとまりとして、
  A期  昭和25年〜34年
  B期  昭和35年〜44年
  C期  昭和45年〜54年
  D期  昭和55年〜平成元年
  E期  平成 2年〜11年
の5期および、通期(昭和25年〜平成11年)に区分してみました。


A  統計の対象は、観世流シテ方の日本国内における有料のものとし、いわゆる「五流能」や、一曲の演能でツレなど他流との共演であっても、シテが観世流の演能であれば、それを統計に加えました。

B  演能曲目は檜書店刊『観世流謡曲全集』(大成版〜正・続百番集合本)の曲目の範囲としました。但し『大典』は除き、『』は『猩々』に、『笛之巻』は『橋弁慶』にそれぞれ加えました。
 また、最近正式曲目に組み込まれた『松浦佐用姫』『三山』はこの集計にはなじまないので除外し、いわゆる新作能・復曲能・試演の類の演能も統計より除外しましたが、現行曲を往時の演出で行ったもの(たとえば世阿弥自筆本による『雲林院』『弱法師』など)は当該曲として集計に加えました。
 なお、『』は別格とし、以上現行曲207番の集計・分析のあと、『』を加えることとしました。


C  演能種別は、正規の装束能のほか、半能や袴能も<一番の演能>として加えました。

D  演能場所は、能楽堂のほか、○○会館・野外(薪能)なども含めました。

E  カルチャー講座などの演能で、一日のうちに2回、同一人物が演じたり、またはシテの演者を変えるなどして演じられた場合は、それぞれ一回の演能として集計しました。

F  シテの逝去その他で、当日実際には演能されなかったかも知れないものも、演能されたものとして計上しました。但し事前に明らかに演能中止になったものは、これを省きました。その典型的な例は、平成7年1月17日の阪神大震災の時期(その直後当分の間)の被災地区における演能であります。
 また『観世』誌の予告掲載にはないが私の知る限り確実に演能されたものは、統計に加えました。


 概ね以上の前提条件のもとに統計を採りました。しかし、毎月の『観世』誌原稿締切り後に到着した各会番組は月遅れの『観世』に〈補遺〉の形で掲載されることがあり、また一部不完全な番組〜曲目とシテのみの掲載があって、翌月に〈三役完備〉の番組が掲載されたりして〈この場合は明らかに重複〉ダブり集計や、或いはその年度内に集計されるべきなのに翌月分に集計されたりする事が、遺漏なきやと問われれば、完璧な自信はありませんが、私なりに、かなり丹念に調べたつもりです…。
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