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夏合宿剱岳定着(記:小宮勇介 8/9八ツ峰VI峰Cフェース剣稜会ルートは明石)
1998年8月3日〜8月11日


メンバー 小宮勇介(3) 入江信一郎(6) 中谷賢人(2) 明石直子(2) 橋本拓(1)

8/3
淀川の花火に見送られて橋本を除く4人は大阪をバスで出発。18きっぷで橋本は昼出
発。


8/4 雨後曇り [入山]
7:30室堂8:40−11:30別山乗越11:44−15:35真砂沢

室堂まで直行のはずの夜行バスが大雨のため立山駅までしか行かないので思いがけず
に橋本と合流してそこからケーブルとバスで行く。どしゃ降りの中を称名の滝から登
ってこられた北口先生に室堂で出迎えられ、準備をして雨のなかを出発する。計画書
を出すところの自然保護センターがどこにあるかわからず、しばらく探してもわから
なくて北口先生に助言されたとおり剣沢の警察で出すことにする。中谷トップで雷鳥
荘の東側を行く。剣沢の雪渓は薄くなっており2万5千分の一地形図の切れ目あたりま
で登山道で行って雪渓に降りる。橋本は40kgを超える荷物を運んだ。とても頼もしい
。真砂沢に着く頃いったん止んだ雨がまた降り出す。


8/5 曇り時々雨 [雪練]
3:31起床5:10−6:20雪練場−7:00雪練12:20−1:10BC

八ツ峰I・II峰間ルンゼの岩小屋の辺りで長次郎谷雪渓は切れている。傾斜の急なとこ
ろを選んで雪練場とする。といっても右俣上部ほど急ではない。雪の硬いとろしか残
っておらず緊急停止や滑落停止のときに腿から腰にかけて激しい痛みを感じながらや
る。ピッケルが深く刺さらないので斜面の割になかなか止まれない。北口先生にアイ
ゼンとピッケルのない時の滑落停止を教わる。気分が優れないようなので10時ごろ中
谷は入江と帰る。橋本はピッケルで手のひらをきる。スタンディングアックスビレイ
は被確保者が走ってやる。明石は北口先生に歩行を教わる。雪練が計画していたのと
全然違う段取りになった。BCに雪が無いので橋本は一斗缶に水を入れてビールを冷
やす。
竹内さんが入山。北口先生の差し入れのプルーンとキウイや竹内さんのお肉や池本さ
んの差し入れのカクテルや橋本が担いできた冷えたビールなどうまい。


8/6 曇り後晴れ [雪練]
4:09起床4:46−6:00雪練場12:24−13:09BC

初めて晴れたこの日に下山する北口先生とBCで別れる。
雪練場に着き入江・橋本・小宮で偵察に行く。長次郎谷右俣上部は雪がない。左俣は
ほとんどガレ場が出てきており雪渓はほとんどない。前日の橋本と同じように滑落停
止中に小宮はピッケルで手のひらをきる。ピッケルをハンマーで打ちつけた時に刃状
のものがピックの根元にできていたからだ。きのうとおなじことをひととおりしてBCへ。


8/7 雨後晴れ [沈殿]
3:30起床
焼き蕎麦を食べたあと、様子を見て雨が強く降ったり弱く降ったりするので沈殿に決
定。その雨の中を竹内さんが下山。10時ごろから晴れる。濡れたものを乾かしたりボ
ルダリングしたり読書をする。


8/8 晴れ [源次郎尾根]
3:30起床4:38−5:28源治郎取り付き6:45−9:20I峰9:40−11:50頂12:05−13:45熊の岩
上14:24−16:00BC

ラウンドの予定を変更して平蔵を偵察できる源治郎を先にした。取り付きで中谷が靴
を履きかえ
る。仏教大のパーティーがザイルを張っている。なかなか登れない人が一人いて1時間
ぐらい後から来た3パーティーと共に待たされる。神戸大は張らない。直登せずに右側
の木をつかみながら登ると行きやすい。仏教大を抜かして踏み跡を辿っていく。I峰
手前で左にルンゼがあるのに踏み跡の薄い右側の這い松帯を登ってしまう。しかしす
ぐ踏み跡に戻れる。3人の別のパーティーが後をつけてくる。景色が良くてI峰で記念
撮影。待たずにII峰の懸垂をして下でロープ回収のとき小宮がでかい石に躓いて落と
してしまう。頂はガスっている。長次郎左俣の下りで入江がトップとなり右寄りに少
し残っている雪渓を橋本と下る。小宮・中谷・明石はガレ場を下る。後ろから来たパ
ーティーが何度も落石を起こす。岩雪崩が起こりにくい尾根状のところを下る。中谷
の靴をプラスチックシューズに履き替えてもらい雪渓をわたる。
熊の岩で今の行動について話し合う。これからは納得が行くまで話し合うことにする
。長次郎右俣の雪渓を下る。雪渓が切れているのでいったん八ツ峰側のガレ場に上が
り雪渓のない沢をわたって源治郎側で休憩して雪渓にのる。この休憩中に八ツ峰I・II
峰間ルンゼの取り付き辺りの雪渓が轟音と共に崩れ落ちる。ラントクルフトの幅が4
〜5mもあるので八ツ峰下半の取り付きは容易ではなさそうである。ちょうどどうや
って取り付くか話してたところで
最後の一人を雪キノコで確保するか岩小屋から確保して飛ぶかなどである。八ツ峰縦
走の計画を変更して上半だけ行くことにした。
BCについてもなかなか正田さんたちが来ないので何故かしらと思う。


8/9 晴れ [?峰Aフェース魚津高ルート] 小宮・橋本
3:33起床BC4:48−6:35取り付き−7:00登攀開始−8:001ピッチ目終了−9:15登攀終
了11:10−
11:50V・VIのコル12:00−13:00BC

今日が休養日となった中谷は調子が悪い。
先に出た2人を抜かして取り付くと順番待ちをせずに登れる。

(1ピッチ目 小宮リード) 凹角から取り付く。少し湿っぽくて冷たい岩を登っていく
。岩トレしといて良かったと思うほどのホールドが少なくてランナーのかけにくいと
ころがある。中央大
ルートの人が間違ったルートを取ったらしくルンゼの右のテラスにいる。7セット持
ってきたランナーがあと2つぐらいあればと感じながら登っていくとテラスを通り過
ぎて少し上まで来てしまったらしい。ルンゼの手前左下に立って確保。8環を落とす。

(2ピッチ目 橋本リード) ルンゼの下で少し苦しむ。後から来た3パーティーをた
待たす。

(3ピッチ目 小宮リード) 大きな岩を越えてのぼる。終了点の岩で支点を取り確保
する。

Aフェースの頭で休憩しながら入江と明石を見る。チョコとビスケットとかりんとう
を一袋食べてしまう。三ノ窓側の緑が濃い。飽きて帰るとき懸垂待ちをする。
12時の交信で無線が濡れてて故障と分かる。入江・明石よりも正田さんと木南さんの
方が早く着く。二人は見上さんと源次郎に登ってきたらしい。中谷元気になる。

[VI峰Cフェース剣稜会ルート] 入江・明石
BCを4:30に出発する。長次郎谷をゆっくりのぼる。八ツ峰I・IIのコルあたりから上
部へは雪渓が薄いため、源治郎尾根側の岩下部を歩き、途中で雪渓のとけた水が滝の
ように流れている箇所を八ツ峰側へ渡る。雪のない石のゴロゴロした道をのぼってい
ると、背後から駆け上がってくる人の気配を感じる。それも何人もの・・・。Cフェ
ースの基部に到着。2人のパーティーが1ピッチ目に取り付いており、アプローチに
走ってきた大学山岳部らしき3人のパーティーの次に上ることとなる。1時間あまり
寒さと緊張で震えながら待つ。

(1ピッチ目 明石リード) 左側に走るバンドをのぼる。ランニングビレーの支点が
多くまたホールドもたくさんあり登りやすい。凹角に入ってすぐ上部にテラスがある。

(2ピッチ目 入江リード) 大きなテラスから左に源次郎尾根を見ながらフェイスを
のぼる。のぼりきったところに中間支点をとる。ここで明石が入江にヌンチャク・ハ
ーケンのついたギアスリングを渡すのを忘れていることに気づく。ハイマツを支点に
ピッチをすぐきることが出来たから良かったものの反省すべき事である。短いピッチ
となる。

(3ピッチ目 明石リード) 資料通りフェースの下部はランニングビレー点が少なく
ドキドキする。慎重にのぼっていくと支点の豊かな小さなテラスにつく。もう少し上
にはハイマツがあり確保場所がありそうだがロープが足らないようなのでピッチを切
る。

(4ピッチ目 入江リード) このルートのハイライトとなるナイフエッジ。確保場所
からはトップの姿が見えない。入江は順調にクリア。明石は鋭いナイフエッジの上と
岩のくぼみを利用する。ナイフエッジの側面のどちらに行けば良いのかで迷い時間が
かかる。

(5ピッチ目 明石リード) カンテ状の岩をすでに頭に到着したAフェース隊の熱い
視線に見守られながら登る。Cフェースの頭で確保する。このピッチでは25mしか
なく距離的には近いが崖となっておりコールの声がとどきにくかった。

Cフェースの頭で30分程休憩の後、五六のコル手前までクライムダウンで下る。五
六のコルへの懸垂で順番町をしてBCへは15:30に着く。

BC(2:00)Cフェース基部(4:00)頭(3:00)BC


8/10 曇り後晴れ [八ツ峰上半]小宮・入江・明石・橋本
3:33起床4:40−6:45V・VIのコル7:00−8:36VII峰9:00−10:15八ツ峰の頭10:55−13:00VII
VIIIのコル−15:35BC

ラウンドの三ノ窓−平蔵は雪が少なく雪渓歩きの練習にならないので行かないことに
する。中谷は行きたくないので行かない。VI峰の下りでザイルを張らなかったので時
間がかかる。天気が良く快適で、去年は雨であったけど今年は全く別の所に居るかの
ようだった。VII峰からの池ノ平の景色は格別である。頭で入江レーションを橋本と食
べる。帰りクレオパトラニードルに登ってみる。チンネは人気があり人が多い。VII・VIII
のコルから懸垂で長次郎右俣に降りる。熊の岩の近くまで行かないと雪渓が無い。八
ツ峰I・II峰間ルンゼより下にクレバスが4つぐらいある。BCで食い潰しをする。入
江さんの抹茶ゼリーのホイップクリームかけがうまい。焚き火をこっそりする。


8/11 曇り [下山]
3:33起床5:35-9:03別山乗越9:18-11:00室堂

テントを畳んで出発。平蔵谷の出合いあたりから源次郎尾根の対岸の登山道を行く。
全員無事に室堂に着く。めちゃくちゃ人が多く騒然としている。入江さんは直行便で
帰り他の4人は富山で風呂に入りラーメンを食う。中谷は途中で福井に帰る。残りの3
人は18切符で六甲道に向かい、ちょうど夜中の12時に駅に着く。電車の中で飲むビー
ルがうまい。



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