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南アルブス仙丈岳三峰川岳沢(記:大滝)
1996年12月28日〜30日


メンバー 大滝(卒) 香山(卒) 

12.27(Wed)
神戸=(福井numberのSILVIA)=伊那北=丸山谷出合

 西日本を襲った大寒波の名残で、名古屋に出るのに2日かかるとの噂もちらほら、最
悪の場合対象変更も考えながら、深夜に神戸を後にした。名神高速道路は100km以上の
渋滞のため名阪自動車道を走る。この辺りにしては大雪の中、特に渋滞もなく名古屋に
到着、中央道を突っ走り伊那にて高速をおりる。武田信玄ゆかりの高遠町に向かい、
そこから最後に三峰川沿いに走り、chainを装着、丸山谷出合いにたどり着く。なんとこ
こでaccident、chainが切れる。帰りの不安を胸に入山を開始する。


12.28(Thu) ○○◎
7:40丸山谷出合-12:00岳沢越-12:30岳沢-16:30F2横BP

 丸山釜一股から南沢沿いの林道を登っていく。かなり上部まで堰堤はつけられており、
林道は二股手前までつけられている。北束に向きを変えた後、滝にぶつかる。ここで左
側の大きなガレ場の支尾根に取り付き200m位進むと、しっかりとしたトラバースし
た登山道にぶつかる。これをたどり沢に降り立つと伐採小屋跡に着く。小さな小滝を登
り、開けたところに右から沢が二つ出合う。右から一番目の沢を詰めていく。急登を登っ
ていくと二段の氷瀑だ。これをダブルアックスで越えるとガレ場となり、右に登れば岳
沢越だ。目の前には仙丈岳が大きく覆い被さり、そこには一筋の白い帯が伸びていた。
これが岳沢だ。ソーメン流しの滝もここから望まれる。期待を胸に岳沢に下っていく。
すごいブッシュだが、じきにしっかりとしたテーブの付いた道に出会い、これを下れば
岩魚の釣れそうな渋い感じの沢に出会う。これを下流にたどり400mで岳沢だ。
気合いを入れて沢を詰めていく。徐々に沢は幅をせばめてくる頃、頭上には核心のソ
ーメン流しの滝が大きく立ちはだかっていた。1時間近く登ればFl(15mIII)だ。
氷結が甘くローブを出して越えていく。それを越えるとやや沢は左折し右側は岩壁が
立ちはだかる。F2まで登るも、時間はもう15時だ。出発が遅れたのが悔やまれる。
連瀑帯を抜けるのを断念、F2横のルンゼを左上し尾根上に出てここにBPとする。
なんとか2人なら寝れる。この後、F2(10mII)を登った後、F3(50mIII)にフィッ
クスを行う。壁面はグスグスの氷で、一番右端より草付きとのコンタクトを左上、潅木に
て懸垂下降、ずり落ちそうな場所で久しぶりのビバークを堪能する。

 12.29(Fri) ◎◎○
7:00BP−ソーメン流しの滝-16:30F9上BP

 暗いうちに出発、F2を越え、F3を昨日のロープを辿った後、F4の取り付きヘ
(20mII)、しっかり確保支点をとった後、左端より氷柱を越える(30mIV+)。
頭上を被り気味の氷に押さえられた後、右に垂直の氷柱に出て行くところが渋い。氷結が
甘く、shouer climbingとなったため、消耗した。そこからすぐにF5(25mII)、ロープ
無しにて。ここでスリッブすればF2下まで落ちるので、絶対ミスは許されない。二股に
はその根元に良いBPがある。F6(40mIII)に快調にローブをのばした後、F7(4
0mIII)結構氷が硬く、また墜落は許されないためいやらしい。そしてコンテにてF8
(110mIV)ヘ。左上にて45mのばした後(III)、核心の滝の左下ヘ(20mII)、
RHにしっかりビレイをとり、左端を直登(45mIV+)、ここも水が流れており非常に
消耗する。気合いを入れてランナウトしながら一気に最上部の核心ヘ、レストした後、
垂直の部分を登る。核心を終えた所で、アイゼンがはずれて肝を冷やすが何とか突破、
非常にlocationが良いピッチだ。ラッセルしていくとF9(30mIII)、ここでタイムア
ップだ。ここには良いBPがあったため、ここでビバーク。全身びしょ濡れでロープから
ハーネスまで完全に凍ってしまった。大瀧もボロボロ、飯を食いまくり、明日の下山に不
安を抱きながらとりあえず寝る

12.30(Sat) ◎◎○ 
6:40BP−10:00仙丈岳−北沢峠−丹渓山荘−16:00戸台

 全身濡れており寝れるはずもなく、夜の1時から食べたポップコーンの旨かったこと。
今日もへッドランブで出発、ラッセルにてF10(40mIII)、F11(30mII)、F12
(20mII)、さらにF13(20mII)で奥の二股だ。ずっと一直線のルンゼとなっており、
ここもミスは許ざれない。左のクラストしたルンゼをひたすら登り右のリッジに移りしば
らくで大仙丈岳だ。稜線を北にとれば仙丈岳だ(3032.7m)。ここで大瀧のAZOL
Oのアウタ一が割れる。間一髪であった。久しぶりということもあるが、なかなか体力の
いるしんどいルートであった。
あいにくのガスであったが、北沢峠からのトレースに助けられて、一気に峠ヘ。森林
限界を過ぎればもう安全地帯だ。年越し登山を目指す多くの登山客とすれ違いながら、
感慨深げに戸台に下山した。

 チェーンが切れる、アイゼンがはずれる、靴が割れる、といろいろトラブルはあった
が、なかなか精いっばい力の出せたルートであった。甲斐駒ケ岳のルートとは異なり、
ゲレンデ感覚では決して登れない、南アルブスの好アルパインルートであろう。

「おわり」


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