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八ヶ岳(記:池本貴浩)
1996年12月26日〜31日


メンバー
前半 見上竜雄(3) 池本貴浩(7) 若山真(4) 小宮勇介(1)
後半 池本貴浩(7) 澤田仁平(4) 見上竜雄(3) 小宮勇介(1)

12/26 快晴
渋ノ湯8:50−10:50高見石小屋−12:35中山峠−15:00根石山荘過TS

 タクシーでアプローチ。身支度をして出発するトレース沿いに進む。予定より早く中山峠まで来た
ので行程を伸ばすことにする。天狗岳ピストンはカットし根石山荘過ぎの横林の中でテントを張る。


12/27 晴れ
TS6:30−8:00硫黄岳−9:30F210:00開始−13:00右俣F1−15:40 赤岳鉱泉BC

 予定よりかなり早く来てしまったので、BCに行く前こりジョウゴ沢によってアイスクライミング
をする。F2はあまり凍っていなかった。右俣F1 はトップローブの支点(残置)の位置がいやら
しいところにあり少し恐い。充分に楽しんで赤岳鉱泉へ。

12/29 快晴 【阿弥陀岳北稜】(文:池本)
赤岳鉱泉BC(6:05)−(8:30)岩壁部(10:10)−(10:20)阿弥陀岳(11:05)−(11:45)赤岳鉱泉BC
 昨日若山が帰り、風邪をひいて遅れた澤田が到着した。これで以後のメンバーは、池本・見上・
小宮・澤田の四名となる。
 早朝べースキャンプ(以下BC)である赤岳鉱泉を出発する。 昨日とうってかわってよい天気
だ。行者小屋を過ぎ、取付へと向かう。朝食のしいたけ・わかめたっぷりカレーうどんが少々胃に
もたれる。
 とりあえずの目標はジャンクション・ピーク(以下JP)である。尾根に取り付こうとするが
膝まで雪に埋まり若干苦労をした。稜線上にでるが、資料(『冬期クライミング』)のJPはさら
に上にある。JPを 1/25,000地形図の 2578 点と思い込んでいたのだが、実際は上部の標高
2630付近のようた。ほぼ夏道沿いでJPに到着できるはずである。夏道の分岐点はしっかりした
標識がある。その手前に阿弥陀岳のほうに向かうトレースは違うので注意が必要である。
JPから岩壁へは、ほんのちょっとの距離である。左へ簡単に巻けそうだが、明日以降の練習の
ためにロープを出すことにした。
 1ピッチ目:45m 池本トップ。最初の5 mが多少難いが、残置ハーケンがニヶ所
あり、安心して行ける。そこからはやさしく、ロープを張る必要がない。中間支点や終了時の確保
支点は岩や木から直接とる。
 2ピッチ目:45m 見上トップ。最初の15mほどの壁はハーケンも打ってあり、それほど難し
くない。その先のナイフリッジはちょっと怖い。
 阿弥陀岳頂上は、2ピッチ目の終了点からすぐであった。無風快晴、時間に余裕もあるのでゆっ
たりリゾート気分に浸りながら、もそもそレーションを食う。
 レーションにも飽きた我々は、BCに戻りスパゲッティを食べることにした。
12/30 快晴 【赤岳西壁ショルダーリッジ】(文:池本)
赤岳鉱泉BC(5:40)−(7:20)取付−(13:40)赤岳頂上(14:30)−(15:25)赤岳鉱泉BC
 長期戦が予想されるので、昨日よりも約30分早く出発。さすがにまだ暗い。満天の星である。
ヘッドランプをつけて歩き始める。
 行者小屋から赤岳目指して南東へと進む。3つ目の鎖付き階段の手前で右の谷へとトラバースす
るトレースがあった。ここから取り付くことにする。
 登山道から見て、ここが赤岳主稜の取付だと思われる地点に到着(実際はショルダーリッジの取
付)。難しそうなのでさらに左へ進む。むりやりハイマツ帯をトラバースし、何とか取り付けそう
な地点に到着できた。
 最初にあった5mの岩壁は、池本が確保なしで登り、お助け紐(6mm×5m)で後続を引き上
げる。そこからは難しそうなのでロープを出すことにした。
 1 ピッチ目:45m 見上トップ。5mほどいくと右に残置シュリンゲがあるが、左上する。そこ
からは傾斜はきつくないが、岩と雪のミックスで多少いやらしい。上部に大きな木があり、そこで
後続を確保できる。
 左に行き過ぎたので、そこから右に斜上する。足元から崩れる悪雪なので、新入生の小宮はかな
りの苦戦を強いられていた。人が登っているのか、右の稜線から声がする。父娘(娘は小学生)で
登っているようだ。あちらが赤岳主稜ではないかと疑い始める。
 岩壁の下部に到着する。右側を登ったほうが緩やかだが、左側ルンゼの中の10m先に残置ハー
ケン+テープを発見。そちらから登ることにした。ルンゼを少し登り、ハーケンで確保支点をとる。
後で判明したが、このハーケンはほとんど効いてなかった。
 2 ピッチ目:30m 池本トップ。最初の10mはかぶったルンゼ。残置ハーケンもな
く、岩でむりやりにしか中間支点をとれない。そこから上部は緩やかな雪面で確保の必要なし。適
当な岩があったので、テープで確保支点をとる。
 そこからはロープを出さずにいけた。しかし雪+ハイマツで足をとられる。高度感のある岩で緊
張する。このパターンの繰り返しで、気の休まる暇もなかった。何とかショルダーリッジまでたど
りつくが、全員へとへとになる。とりあえず頂上に向かう。
 ようやく赤岳頂上に到着。なんとBCを出発してから8 時間も経過していた。おとといはガス
でわからなかった展望が、今日は360度見ることができる。しかし疲れ切ってる我々は昨日ほど
はしゃがなかった。もそもそレーションを食う。
 帰り文三郎道を下る。途中振り返って、登ったルートの確認をする。雪稜はルートファインデ
ィングが難しい、つくづくそう感じた。
12/31 快晴 【石尊稜】(文:池本)
赤岳鉱泉BC(5:40)−(7:00)取付−(11:00)石尊峰−(12:10)赤岳鉱泉BC(14:05)−(15:40)美濃戸口
 きょうも空には雲ひとつない。ラジオでは明日から荒れるといっているので、できれば今日中に
下山したい。石尊稜にどのくらい時間がかかるかが最大のポイントである。昨日の反省を生かし、
メンバー全員にバイルをもたせる。
 取付目指して出発。道が右に90度曲がって急な登りになり、「赤岳鉱泉←→行者小屋」の標識
のある地点がある。そこから北に30mほど歩くと三又蜂ルンゼである。ルンゼをしばらく詰める
と樹林をはさんで二股になっている。右股へ行き、さらに進むとトレースに従い、南側へ巻
きぎみに登る。大きな岩壁にでた。とりあえず確保なしでいくがすぐに行き詰まり、結局はロープ
を出すはめになった。
 1ピッチ目:45m 見上+澤田トップ。やや左上ぎみに登る。残置ハーケンは10以上あり、傾
斜もきつくない。終了点は、木で確保支点がとれる。どたばたしていたので、このピッ
チだけで2時間かかった。
後続に4〜5パーティいるので、できるだけ急ぐ。そのかいあってか実質30分で上部岩壁に到
着。見るからにやさしそうだが、何といっても核心。迷わずロープを出す。
 2ピッチ目:45m 池本トップ。取付にハーケン4〜5本ベタ打ちしてある。確保支点にできる
リッジだがホールドが大きく、非常にやさしい。途中に残置ハーケンはないが、岩から中
間支点がとれる。40mほど登ると広くなる。右に残置ハーケンが2本あるので確保支点にする。
 3ピッチ目:45m 見上トップ。どこからでも登れそうだが、左側のリッジを登る。リッジの最
初にハーケンが1本ある。登はんは2ピッチ目とほほ同じ。 ロープを出すまでもない。
石尊峰は3ピッチ目の終了点からすぐであった。たいしておもしろくもない頂上なのでとっと
と下る。途中で巨大なカモシカに遭遇。人間を全く気にしていなかった。
思ったより早く赤岳鉱泉に到着。これで今日中に帰ることができる。美濃戸□発の最終バスに乗
れはよいので、ゆっくりする。テント生活もこれで終わりだと思うと嬉しいような、もう1泊し
たいような…。
 美濃戸口へ下山。バスで茅野まで。銭湯で6日間のア力を落とし、コンビ二で買い出し。とり
あえずシャンパンで乾杯。空腹で飲んだのがまずかったか、なれない酒のせいなのか、すぐに眠た
くなる。後かたずけせずにシュラフに入る。新年、目を覚ましてみるとなぜか南ア隊の中村がいた。


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