夏合宿 剣岳真砂沢定着 行動記録 - ACKU 神戸大学山岳部

【メンバー】
CL:上野(3) 香山(3) 下釜(2) 池本(1) 原田(1) 森永(1) 野辺(4) 北口(副部長){7/21~25} 船原(OB){7/25~30}

【日程】
7月21日~7月30日

7月21日 快晴

8:30 出発しようとすると下釜の背負子の紐が切れる。縁起が悪い。
  8:50 出発。天気がおそろしく良い。全員調子は良さそうである。
 11:30 別山乗越着。別山乗越から眺める剣沢は、去年とずいぶん様子が違っていた。雪が少ない。去年の難点であった急斜面は、道がかなり下まで続いており楽なものである。室堂からもずっと30分ごとに休憩を取ったが、特に遅くもならず助かった。
 14:40 真砂沢山荘着。原田(2)はめしの才能がないと聞いていたが、腹が減っていたので結構いけた。

7月22日 快晴

5:00 BCを出発。長次郎は昨日も見ていたがやはりあまり良い雪練場に見えない。
  7:05 岩が滑り落ちてきた。北口先生の「落!」の声にはじめて上を見上げる者もある。やせた雪渓は油断できない。
  8:30 長次郎左俣着。なんとか雪練には使えそうな斜面がある。だがやはり下はインゼルが出ており、かなり急な斜面であった。
  9:00 雪練開始。
 14:00 雪練終了。
 14:30 BCへ出発。やはり下りが問題である。1年生はまだ歩き方が定まっていない。
 15:40 天気図を取りに香山に先行してもらう。御苦労さまでした。
 16:10 BC着。

7/23 曇のち晴のち快晴

4:55 BC発。
  8:05 雪練場着。昨日よりかなり早く着いた。
  8:30 雪練開始。
 13:10 雪練終了。一応完成した。
 13:25 下り始める。
 15:20 BC着。

7/24 晴のち快晴一時雨

【長平ラウンド】 CL上野(3) 野辺(4) 池本(1) 森永(1)
  5:00 BC発。
  6:30 熊ノ岩着。恐ろしく速い。
  7:30 稜線に出る。長次郎右俣をつめたが、上部はかなり細っており恐かった。
  9:20 本峰着。頂上はすごく良い天気だった。1時間休むことにしてぐだぐだする。
 10:00 平長隊が本峰に着く。香山が2㍑ポリタンにフルフル(1㍑用)を入れ、素直にわびれば良いものを「たくさん飲めて良い」などと意味不明なことを言うのを聞くが、「そんなもんかな」と思った。
 10:20 平長隊と分かれ、平蔵へ向かう。カニの横ばいで、ワーキャー言いながら必死になっているおばさん(おねーちゃん)がいた。その人がすぐ後ろの野辺さんに「ここが持てますよ」と親切に指導しているのを見て、池本と上野はニヤリとする。あの時の池本の顔はとてもかわゆいと思った。
 10:40 平蔵は見違える様子である。雪は後退し、インゼルがほとんど。上部は必要ないと思うが、一応安全のためザイルを張った。
 13:20 BC着。かなり雪が少なくともラウンドは何とかなるものだ。しかし、ところどころ雪渓が割れているのと、いつ落石がくるとも知れないので緊張はした。
 16:00 食事を作っていると夕立がある。かなり強く降る。

【平長ラウンド】CL香山(3) 北口(副部長) 下釜(2) 原田(1)
 長平隊と仲良く長次郎まで行き、それから平蔵に向かう。平蔵の雪渓の下部は固く、キックステップがしんどい。出合から3ピッチで避難小屋へ。かなり雪が少なく、上部でインゼルの中を歩いたりして時間を食う。小屋が見えてからがわりと長い。たてばいを経てピークに着くと、長平隊はすでに着いていた。晴れ渡る天気の中頂上で写真を取り、40分休んでから下る。長次郎左俣を下りるとき、上部で3ピッチ フィックス。結構原田はこけている。前日の雪練場を経て長次郎出合へ。途中、上部から多量の落石があり緊張する。13:50BC着。

7月25日 晴のち雨

休養日。北口先生下山。船原さん入山。下釜の誕生日。シャボン玉をし、コーヒーを飲んだ。

7/26 曇のち雨強し 源治郎&A魚高中止

【源治郎】CL上野(3) 船原(OB) 下釜(2) 原田(1) 森永(1)
 4時起床。どう見ても雨が降るぜという天気だが昨日は休養日であり、何とか日程をこなしたい気持ちに駆られたリーダーか6時に出発の決定をする。8時、源治郎取付。小雨ぱらつくなか、取付に着いた源治郎隊は雨はやむ、と神がかったリーダーに従い強行しようとする。Aフェース隊は交信で「今日は沈澱にする」と連絡してきた。しかしリーダーは爆走してしまった。下釜が濡れた岩を1ピッチ登ったところで超土砂降りとなり、中止が決まった。船原・原田・森永に先に下りてもらうことにして、上野はとりあえず下釜のところまで登る。両名は当初右のルンゼを下るつもりでいたがルンゼは滝と化し、下降は無理である。やむを得ず一旦尾根をつめてから下ることにする。途中激しい雨で現在地の把握が困難であったため、相当不安に駆られる。何でも良いから早く下り道を見つけたいとあせり、かなりひどい道を下り始めた。先に別に下りた3名にザイルを1本持たせたため、手持ちのザイルは45メートル1本であった。懸垂で下降するがなかなか距離が稼げない。また適当な支点がない。下りに転じてからは体が冷え、1時間おきに入る交信によって何とか気を取り直す状態であった。5ピッチほどでやっと雪渓らしきものが見える所まで来る。「助かった」と思った。ふらふらになり雪渓まで出て、BCへ帰り着く。ところが先行していたはずの3名が戻っていない。まさか!と思ってあわてて取付に戻ってみると3人が下降してきていた。リーダーが指示を明確にしておかなかったことが原因である。全く皆を疲労させることになってしまい申し訳なかった。BC帰着は12時半であった。

【Ⅵ峰Aフェース魚津高ルート】CL香山(3) 野辺(4) 池本(1)
 本日4時起きしてテントの外を見るが上部はすっぽりガスの中。昨日の天気図からしても雨が降りそうだったため、6時までウエイティング。上部の雲が少し切れてきたために出発したが、雨が降りだしガスも濃くなってきたので引き返す。

7/27 快晴のち晴

【Cフェース剣稜会ルート隊】CL上野(3) 野辺(4) 森永(1)
  3:30 起床。
  4:40 出発。
  5:50 ⅠⅡ峰間ルンゼ末端で八下隊と分かれる。
  6:40 Cフェース着。先行パーティーが2パーティーある。2人と3人のパーティーである。用意をして待つことにする。その間にも後からどんどんやってくる。総勢20人以上である。早起きは三文の得とは良く言うた。
  7:45 ようやく取付ことができた。はっきり言って全く問題のないルートであった。ハーケンなどは必要ないと断言できる。森永をはさんでミッテル登りでいく。森永(1)はなぜか息が荒い奴だがひょいひょい登ってくるので上から見ていると楽しい男だ。待ち時間が多くなかなか進めないが、4ピッチ目までは資料の通りである。しかし5ピッチ目で終わるはずが結局6ピッチかかった。5ピッチ目の途中のナイフリッジで切ったためとも思うのだが、一気に行ってしまうのは少し苦しいようである。(なぜか長い。)
 11:30 Cフェースの頭着。
 12:00 頭を出発。
 14:00 BC着。少し遅れて八下隊が戻る。やたらと良かった、おもしろかったを連発している。よっぽど良かったらしい。でもCフェースも何となく楽しかった(楽だった。)

【八峰下半隊】CL香山(3) SL船原(OB) 下釜(2) 原田(1) 池本(1)
 C剣隊とⅠⅡ峰間ルンゼ取付まで一緒に行き、分かれてとりつく。今年は雪が少なく、ルンゼ内の雪はきれいに落ちて下部で少しつながっているだけ。その雪渓上からルンゼの左の壁に移り、後は浮き石に気を付けながらルンゼ内をつめ、稜線直下で左の壁を上り3時間ちょっとで稜線へ。Ⅲ峰はハーケン、Ⅳ峰は這松に支点を取り懸垂。なお冬か春に八峰でヘリで救助された人がいたらしいが、おそらくその人らのだと思われる、テントの残骸やマット、ワカン、オーバー手袋、ザイル・・・、などがⅣ峰の懸垂終了点に散乱していた。Ⅴ峰では40分休憩。その間、某3回・2回生はⅤ峰のピナクルに行って遊ぶ。Ⅴ峰からはクライムダウンの後、這松で1ピッチ 15メートルの懸垂。しかしクライムダウンも可能。下降路を下って行き、ⅤⅥのコルに下りるところでもう1ピッチザイルを出し、1年生を下ろす。Ⅴ峰からの下りは、2回生以上ならザイル無しでも可能であろう。16:10帰幕。

7/28 晴 曇 快晴

【剣尾根上半隊】CL上野(3) SL野辺(4) 池本(1) 森永(1) 船原(OB)
  3:00 起床。
  4:00 BC発。
  8:30 三ノ窓着。ここで剣上隊とチンネ隊を分ける。三ノ窓雪渓は下部が恐ろしく乱れていた。
  9:00 池ノ谷ガリーを下り始める。噂通りのすごい奴だ。
 10:00 R3に取り付く。少々わかりにくいところであるが、尾根に向かって三角形の岩の右側(つまり下側)がそれである。1時間足らずで稜線に出ることができる。稜線は非常に細いナイフリッジである。状況によってはザイルを出すべき所である。
 13:00 剣尾根の頭に到着。以外とあっけない最後に皆気が抜けた。船原さんが飴をくれた。森永がドラえもんをもらう。
 13:30 出発。
 13:50 長次郎右俣着。ザイルを3ピッチ張る。かなり気持ちの悪いスノーブリッジである。下部はおそろしく割れていて、雪渓の下が沢であることがわかる。
 16:00 BCに到着。皆非常に良く歩いた。かなりうまくいったのは1年生の強さによる所が大であった。

【チンネ中央チムニーaバンドbクラック】CL香山(3) 下釜(2) 原田(1)
 今朝は3時起きして4時出発。最初のうちはラテ行動。出合に着くまでに1時間20分ほどかかった。三ノ窓の下部は雪渓が完全に消え失せており、河原歩きをしばらくした後雪渓へ。3ピッチでチンネまで、さらに取付に行くまでにもう1ピッチ。中チムニーには先行パーティーがいたが、われわれよりかなり早く取り付いていたため待たずにすんだのはついていた。〈1ピッチ目〉Ⅲ 35メートル下釜トップ、凹角の右側のフェース及びカンテを登る。〈2ピッチ目〉Ⅲ~Ⅱ 40メートル香山トップ。凹角の右のフェースを登って中央バンドへ。中央バンドを移動し、gチムニー直下のビレーポイントまで行く。〈3ピッチ目〉Ⅱ 20メートル下釜トップ。aバンドをトラバース。このピッチの時に、池ノ谷かどこかで岩崩れ?か何かが起こったような大音響が響きわたるが、辺りは真っ白にガスに包まれていたため確認できず。〈4ピッチ目〉Ⅲ 20メートル香山トップ。ビレーポイントからbクラックに移るとき、aバンドを少し戻って直上すれば楽勝。このピッチの高度感は気持ちいい。〈5ピッチ目〉Ⅱ 30メートル下釜トップ。傾斜の落ちた壁を登ってチンネの頭へ。頭へ着くとどこからか「ホーホイ」のコールが・・・。剣上隊が剣尾根の頭から下りているところだった。剣上隊を見送り、30分ほどの休憩の後長次郎右俣を下りる。今年は右俣が急で、上部から4ピッチ フィックス。原田が転けずに下りてきていたので、ザイルを外して下りることにするが、スリップした原田が15メートルほど滑るハプニングがあった。17時BC着。

7/29 晴のち快晴

【源治郎隊】
  5:15 BC発。
  6:30 源治郎隊とAフェース隊を分ける。26日の再戦である。皆気合いが入る。前回と違い乾いた岩肌であり、やはり登り易い。しかし侮ったか、最初のザイルをしまい込んだのが8時である。少し焦る。
 10:10 Ⅰ峰着。ここにきて調子が出てきたか、ペースがぐんと上がる。
 11:00 Ⅱ峰懸垂点。10人パーティーがいて1時間以上待つ覚悟であったが、意外な速さで終えてくれる。
 11:50 懸垂終了。
 12:25 本峰着。なんと30分余りで着く。速い。ゆっくり昼寝をする。船原さんの裸体がまぶしい。
 13:30 本峰発。
 16:30 BC着。今度は左俣を下ったが、左俣の方が下降には適していると見られる。夜は食いつぶしの後、上級生がフラッシュダンスを披露、喝采の中夜は更けていった。

【Ⅵ峰Aフェース魚津高ルート】CL香山(3) 野辺(4) 池本(1)
 本日は4時起き5:15出発。我が隊はぶっ飛ばして取付まで1時間半。速い速い。久しぶりに息が切れる。
 〈1ピッチ目〉Ⅲ+ 35メートル野辺トップ。左の凹角に取り付いて登るが一部いやらしく、また先行パーティーが変なところに取り付いていたこともあり惑わされ、1時間ほどロスする。野辺さんが行ったルート取りがいやらしそうだったため、池本には荷物を全て取付に置いて登らせる。
 〈2ピッチ目〉Ⅲ 40メートル 香山トップ。一人だけクレッターの香山は楽勝でビレーポイントへ。途中のカンテは両側がすぱっと切れており非常に快適。
 〈3ピッチ目〉Ⅱ 40メートル 野辺トップ。Aフェース頭へ。頭では1時間の休憩。ぽかぽかと暖かい日差しの中お昼寝。後ⅤⅥのコルへのクライムダウン。Aの取付で池本のザックの回収、装備の整理をして帰幕。

7/30 快晴

4時半起床。下山である。皆それぞれ感慨があったろう。まさに猛暑の中を色々と合宿中のことを思いながら歩く。
 12:30 室堂着。

【感想】

新入生の3人は本当によく頑張った。今年の新人は皆いける奴らだ。君らは合宿でずいぶんと強くなったと思う。ほとんどオールトップだったが、文句一つ言わずによく働いてくれたただ一人の2回生下釜、よくやってくれた。北口先生、船原・野辺両先輩には全員をよく助けてくださり、ありがとうございました。それから入山されなかった先輩方も差し入れなど色々ご心配くださりありがとうございました。最後に、あんまり頼りにならん不肖の私をよく支えてくれたリーダー層の諸君、本当にありがとう。とこんなことを考えながら、今年のチーフリーダーは下山した訳です。ともあれ、全員無事に下山したことに感謝します。