北ア 北鎌尾根~槍ヶ岳 報告書

【メンバー】
CL:川端(5)武智(5)安井(京大M5)

【日程】
3月20日~3月27日

3月20日 快晴
信濃大町(5:55/6:30)七倉(7:00/11:45)湯俣山荘(12:10/13:50)水俣川 1450付近TS

 すっかり明るくなった駅に着くと登山指導員のオヤジが我々を出迎えた「今シーズン初めて」「雪は少ない」「5日程前の雪に注意せよ」とのこと。七倉で再度登山届けを出しまたもや脅かされた。単純な3人は簡単に緊張してしまう。それでもテクテクと林道を歩く。雪も締まって快調。谷間越しに北鎌が見える。またまた緊張。湯俣周辺は硫黄の匂いが鼻をつく。カラ谷出合から水俣川出合(右岸)は壁に雪がべったりついて嫌らしい。15㍍フィックス。水俣川の吊り橋を渡り左岸沿いに進む。少し早いが良いTSが見つかったので行程をきることにする。

3月21日 快晴
TS(5:55/11:00)千天吊り橋(11:10/12:00)P2尾根末端(12:15/16:50)P2

 TSから快調に左岸を行くと中東沢出合付近でツルツルの壁に遮られる。渡渉できないかとウロチョロしているうちに1人、2人と川にはまってしまい(Kは顔面からこけ鼻血も出す)、面倒臭くなってアウターだけで渡渉。死ぬ思いであった。出合で再び左岸に渡渉し何度も高巻いたりしてようやくのことで千天吊り橋に着いた。吊り橋はワイヤー1本が切れており、1人ずつ。天上沢右岸を行く。心配していた天上沢渡渉もスノーブリッジで楽に渡ると赤布が見える。ここから迷いようもない程赤布がついている。1800㍍付近より岩と雪が混じる急登となる。Tが足首の不調を訴える。相当痛いらしい。P2直下で左に回り込みクーロアール状を50㍍フィックス(Y)。陽射しも届かず寒い。天気図をとりあと少し登ると樹林中の快適なTS。P2だ。

3月22日 快晴

 Tの足の調子が思わしくない。あすまで様子をみることにする。行けるようでも時間をかけ北鎌だけに絞ることにし、穂高へはcutする。もったいない天気だが仕方あるまい。下山も覚悟する。

3月23日 晴れ 晴れ 曇
TS(5:55/12:00)P5,6のコル(12:15/16:50)北鎌のコル

 Tの足も大分マシになったのでとりあえず出発することにする。樹林中を急登。登り切るとP5、6が見え歓声があがる。P3(2150)を越え急登をラッセル。クールアール状から左のリッジに上がりさらに左を回り込むようにして尾根上に出た。そこからはアイゼンが良く効く。P5手前でロープをつけ、天上沢側をトラバース。雪崩やすそうな斜面をアイゼンにつくダンゴを落としながら2ピッチ フィックス(Y、K)し、少し登ってコルに。コルよりP6を千丈沢側を1ピッチ(Y)で傾斜が緩くなる。ここからリッジ状となり念のためフィックス 4ピッチ。北鎌のコルへは15㍍の懸垂。コルの雪を削りTSとする。悪天の兆し。

3月24日 雪

 4時に起きると日本海の低気圧の影響で湿雪。沈澱。ホットケーキをつくったりして空腹をおさえる。

3月25日 晴れ 快晴 晴れ
TS(10:30/11:40)P9(12:10/13:20)独標手前TS

 冬型の気圧配置が強まることが予想されるし昨日の湿雪も気になり迷う。9時の天気図をつけるころにはポカポカ陽気「おかしいなあ」などと言いながらP8へアイゼン、ワッパで出発。休憩しているとTが「アッ!」と言う。何ごとかと振り返るとハト。雷鳥を見たことはあっても雪山でハトを見るのは初めてだ。レーションの粉を与えて出発。P8手前よりアイゼンの世界。急登を登りきると独標が威圧的である。独標手前コルで雪を削り、防風壁をつくってTSとする。夕方から風が強まって来た。大槍がついに見えた。デカい。

3月26日 
TS(9:05/9:30)独標取付き(10:10/13:00)独標(13:30/15:00)2873手前コルTS

 防風壁もこわされる程の風だったが、日が昇る頃には大分弱まったので出発。TSから独標中央に見えるルンゼに取付く。ルンゼを40㍍フィックス(K)。2ピッチ目はそこから右に回り込みチムニー状を行く(Y)。ヤヤ難。ルンゼをそのまま詰める方が簡単だ。陽も当たらないので凍傷になりそうだった。独標からは大体千丈沢側をまく。一度Kバランスを崩しハッとする場面もあったがTに助けられた。

3月27日 快晴 快晴 晴れ
TS(6:00/8:10)北鎌平(8:30/10:50)槍ヶ岳(11:30/12:30)飛騨沢宝の木(12:55/16:15)新穂高温泉

 雪も締まり快適に行く。このあたり大槍がドンドン迫ってきて気分の良いところだ。さて大槍基部から雪壁を少し登ったところでロープをつけることにする。ここでTがついにルート最前線に参加。待望の「主砲復活」である。Kガ右に回り込むように雪壁を1ピッチ。そこからTがさらに右から岩場を行くがロープの流れが悪く、頂上まで行けず。左から回り込むべきだったろう。そこから棒の立ったリッジを乗越し、雪壁を登り詰めると感動の槍ヶ岳頂上だ。(15㍍、K)順番に上がり、万歳三唱。アタック食の板チョコをほおばりながら360度の展望を楽しむ。人影もない。眼前には白い山々。「やっぱりやめられん」
慎重に下り肩の小屋に着く。飛騨沢の状態が良いので下ることにする。抜戸、笠を正面に見ながらシリコを混じえてワイワイ言いながら宝の木に。身軽な格好で蒲田川右俣をどんどん進む。滝谷出合で七倉以来人と会った。やはり下山は早い。新穂高から神岡を経て富山へ出、風呂に入りビールを飲んだら、もう最高!