南ア・赤石~荒川縦走 報告書

【メンバー】
CL:井上(3)竹内(5)天野、香山(2)下釜(1)川端(5)

【日程】
3月4日~3月14日

文責・井上(3)

3月4日 曇 曇 曇
JR平岡駅(6:30/7:30)しらびそ峠約4km手前(7:40/9:00)しらびそ峠(/16:30)登山口手前

 一時の「林道のほぼ中間点くらいまで車で入れるかも・・・」という非常に希望的観測の強いウワサはモノの見事にくつがえされ、我々は事もあろうにチェーンを車に積んでいなかったタクシーのおっちゃんにしらびそ峠のはるか手前で降ろされてしまったのでした。そこからはひたすら林道歩き。ダムの工事のためアプローチは林道に限られていたというものの、この林道の長いこと長いこと・・・。飛島工事事務所までは車のトレースがあったので楽であったが、それ以降は林道といえど土砂崩れと雪崩で所々通過困難なところがあったり、ひざくらいのラッセルが延々と続くのでした。たいしたアップ、ダウンはないとはいえ、どこまで行っても単調な林道歩き。風景もほとんど同じであるので気分も滅入ってしまう。下釜(1)の疲労が激しく落石の心配の少ない所を探し本日のTSとする。

3月5日 晴
TS(10:30/13:30)登山口TS

 下釜の体調がかんばしくなく、昨日の疲れ+少々風邪気味のようである。そこで9:10の天気図まで休養とし、本日はとにかくTSを登山口まで移動させることにする。ラッセルや悪場が続きW歩荷を交え3時間かけてようやく登山口へ到着。全員「やった!やった!」の大喜び。頂上さながらの感激ぶりである。広々とした登山口でのんびりとくつろぎ、全員、明日からの尾根歩きに備えてぐっすり眠るのでした。(しかし2日間に渡る林道歩きのせいでもう既に靴ずれに泣く者もいたりする。)

3月6日 晴 晴 快晴
TS(大沢岳西尾根)(6:10/8:50)唐松峠(/13:40)森林限界手前2400㍍付近TS

 天候にも恵まれはりきって出発する。午前中は雪の状態も良く短かめのピッチで快調に高度をかせぐ。しかし・・・お昼頃からはまたもやらっせる。1ピッチ2まわりの割り合いでW歩荷で進む。2200㍍付近でルートを誤りかけるが、天野(2)が赤布を見つけすぎにもとにもどることができた。雪が腐りだし足が重くなって来た頃に、森林限界の手前までくる。なお山行計画における条件に従い、3日目までに小兎、兎岳のコルまで行けなかったので兎岳、聖岳へのアタックは残念ながらカットすることにした。楽しみにしていた方ごめんなさい。いつか必ず行きませう!今回はあせらずじっくりと攻めていくことにしましょう。

3月7日 ガス&雪のため沈澱

 低気圧+寒冷前線の通過を祈るのみ。

3月8日 曇 晴 快晴
TS(6:10/9:00)大沢岳 (/11:30)百間洞(/14:25)百間平TS

 風は強いが視界は良く後にはおさまってくるだろうと判断して出発。はじめは下級生が不慣れなため少々とまどったりもしたが、2ピッチめくらいから風も弱まりよいお天気となり、気分も晴れてくる。しかし主稜線上に出るとやっぱりかなりの風である。慎重かつ確実にアイゼンをきしませる。百間洞からはうってくわって「ど」ラッセルとなる。腰から胸までのラッセルが続く。ダブル歩荷でなんとか切り抜ける。それが終わると今度はクラストした斜面の急登である。いやはや全く息もつかせぬ見事な攻撃といえよう・・・。風がきついので稜線より少し南にはずれた岩の出たところでTS。みなさんお疲れ様でした。稜線上なのにトランシーバーの交信は不可。A隊(白根三山)は今頃どこにいるのかなあ~?」と各々思いを馳せるのでした。

3月9日 快晴
TS(6:20/9:40)赤石岳(/11:25) 大聖寺平(/13:00)荒川小屋

 本日は風も弱くとてもよいお天気。赤石岳をめざしてはりきってゴー!しかし・・・登山はやっぱり急である。クラストした斜面に足をハの字に開きアイゼンをキュッキュッと響かせる。資料曰く「足首の痛くなるような急登」の登場である。(「30度くらいの斜面がある」との声もチラホラ)ここを登り切ると前方には荒川、塩見・・・といった南アの山々、右手には雄大な富士山、そして後方には・・・何故か聖、兎より中盛丸山のまん丸がくっきりと姿をあらわしたのでした。赤石、小赤石を越え進路を荒川小屋へととる。大聖寺平へは今度は急な下りが登場する。ジグザグをきったりして難なく下り広~い広~い大聖寺平へ到着。稜線より見えていた小渋尾根の降り口を確認しておく。(ここは本当に広いのでガスったら大変そうである)荒川小屋へは夏道も見えていたが日も高くなりラッセル間違いなしなので稜線伝いに行き、一気に下ることにする。この日はそうでもなかったが通常は風がキツイのであろう。雪はほとんど飛ばされており、ガレガレした所に少し雪がついたような稜線である。斜面をラッセルして小屋へ。

3月10日 快晴
TS(5:30/6:30)前岳取付き(/7:30)前岳(/9:00)悪沢(9:25/10:50)前岳(/11:40)TS

 本日も雲一つない青空。絶好のアタック日和である。順調なペースで前岳の取付きへ。前岳へは大岩の右(静岡側)の雪面+ガレ場のところの雪面を選んで登る。クラストしていたので案外登りやすかった。中岳の避難小屋を過ぎて悪沢岳へ。細い雪稜となり、慎重に進む。前岳からみた悪沢岳はその名の通り「いかつい」感じで「どこから登るんやろー?」と思ったりしたが、下部まで行くとわりとルートははっきりしていた。下りはちょっと危ないかな・・・と思うようなところは1、2カ所あったが、登りはさして手こずらず頂上へ。アントニオ猪木のガッツポーズで大喜び。南ア北部の山々、中ア、そして北ア。東にはやっぱり富士山。風もなく青い蒼い空の下で3000㍍の頂上を思うぞんぶん満喫するのでした。「やっぱり天気のいい頂上は最高やねっ!」と誰もが思ったことでしょう。なんとなく感慨深いものもあったりする。さて下りですが時間が早かったせいか、雪の状態も悪化しておらず、あれよあれよと言う間に下ってしまいました。結局今回のアタックはノーザイルで無事終えることができたのです。2694㍍地点から最短距離をとって小屋へ戻る。天候に恵まれLuckyなアタックができ、山々を楽しめ本当に良かった良かった。小屋ではシュラフを干したり物思いにふけったりする。

3月11日 快晴 快晴 晴れ
TS(5:40/8:30)荒川カール降り口(/12:00)2600㍍付近(/14:20)高山裏避難小屋

 本日もよいお天気。「余裕で板屋岳」などと甘いことを思っていたら大間違い。カールを降りるのを途中でやめてトラバースしたりして稜線にもどった(ここまでにも非常に時間をとってしまう)のだが、いざ稜線を進もうとするとこれがなかなかシビアである。斜度50度~70度に切れたところが突然出現する。フィックスすることにするがはじめ谷側を降りかけるが前進困難とわかり、改めてリッジ側にフィックスのルートを変更したりする。この際井上が偵察を兼ねて先にリッジ側に降りてしまったのでフィックス工作は主に5年生の先輩方の仕事となってしまう。状況判断が甘かったと反省する。ここでまたまた大幅に時間がかかり、今後の行動を検討し直す。とにっかう高山裏避難小屋をめざそうと気を取り直して頑張る。稜線上の腰、胸までのラッセルを経てようやく小屋へ到着。

3月12日 雪

 いやはや小屋泊まりで良かった良かった。

3月13日 晴れ
小屋(5:20/8:00)板屋岳(/9:45)大日影山(/12:40)小河内岳(/14:10)烏帽子岳(/15:40)三伏峠TS

 本日は前行程の遅れを取り戻そうと星空のもと出発!8時に板屋岳についたので「こりゃいける!」と思いきや道のりは遠く、疲れ気味の者も出て来てペースがなかなか進まない。but今山行不調であった下釜が下山パワーを発揮!頑張ってくれてしまう。小河内岳への登りはメチャクチャ風が強く慎重かつ確実+安全に登っていく。頂上まで行くとすっかり塩見がでっかくなっていて感動してしまう。以降は全員で順番にトップを交代して順調に飛ばす。幾多のアップ、ダウンをどんどん越えていく。途中でカモシカくんに遭遇。10㍍くらいまで接近しても逃げないので写真を撮ったり、話しかけたりする。(なんのこっちゃ)そこからfreeで三伏峠をめざす。15時40分着。きょうは10時間20分の行程である。本当に本当にお疲れサマ。A隊との感動の再会・・・は見事に果たせずちょっとガッカリ。みんなお疲れですっかり下山ムードになってしまい「一日待とうかな」という気持は消えてしまったのでした。ゴメンなさい。

3月14日 晴れ
TS(7:00/9:00)塩川小屋(/12:30)鹿塩

 「きっと発見してくれるだろう」とACKU赤布にビニールPの伝言を結びはりきって下山。なにはともあれ無事故に山行を終え本当に本当に~良かった良かった!みなさんご苦労サマでした。