黒部・十字峡偵察 報告書

【メンバー】
CL:川端(5)

【日程】
10月5日~10月9日

10月5日 晴 曇 曇
ケヤキ平(10:00/15:40)志合谷(15:40/17:15)オリオ谷出合TS

 宇奈月で登山届けをだし、黒部峡谷鉄道に乗り込む。私にとっては初めての黒部下流域である。今まで資料と噂にしか見たことのない風景が眼前にあった。黒なぎ川や東鐘釣山の絶壁やサンナビキの山等など。興奮気味にケヤキ平の駅に独り降り立つ。黒部横断の夢を見てここまできた。今回の山行は来年3月に黒部横断をしたいと、デポを兼ねての偵察山行である。50kg程度の荷を整理し、人気がなくなったのを見計らって出発。重い。途中、関西電力の人と会い、それとなく積雪期の黒部の様子を尋ねるも、黒部川を横断するとは考えもつかないようで、世間話しに花をさかせるだけだった。奥鐘山西壁を見送り、水平道を注意深く行く。志合谷の無気味なトンネルを過ぎ、オリオ谷に着いたところでツエルトを張る。非常に心細く、ほとんど眠られなかった。

10月6日 曇 曇 雨
TS(6:55/9:15)阿曽原TS

 いくらなんでも今日中に着くと思い、ゆっくり出発。11時から15時まで爆睡してしまう。

10月7日 曇 曇 曇
TS(6:35/)十字峡(/12:15)TS(13:00/)阿曽原峠(/14:15)TS

 はりきって十字峡へ出発。荷も軽いと心も軽い。ところが東谷の吊り橋で40人弱の団体に追い付いてしまった。S字峡、半月峡と通り過ぎ、ようやく十字峡に着いた。棒小屋沢と剣沢が1点で黒部川に注ぐ景観は素晴らしい。興奮して叫び声をあげてしまう。牛首尾根もガンドウ尾根支稜もかなりの傾斜がある。棒小屋側になんとかルートを見出せそう。一方、ガンドウ尾根支稜は剣沢側は無理。黒部側から取付くのが良いのではないだろうか。1時間程偵察する。TSに戻り大休止をとったあと、阿曽原峠まで荷上げしておく。

10月8日 晴 曇 雪

 阿曽原峠でデポを回収したあと、仙人谷側に続く道をたどる。仙人湯小屋を過ぎ沢を右手に左手に見送った。途中からみぞれ、そして仙人池に上がった時には雪景色となっていた。デポの適地はないか探してみるが、小屋の主人に聞くと小屋は完全に埋もれるしダケ樺にデポし、失敗したN大の話を聞く。池平山まで行くことも考えるが、単独だし、この荷物だしと言い訳がましく考え下山を決める。帰りの荷の重いことよ。仙人谷では石の上に積もった雪に滑り、背負子の荷を崩し、雪を血で染めながら必死の思いだった。阿曽原峠で非常パックのカロリーメイトを食べTsに戻る。

10月9日 快晴 晴

 念のため1日分の食料だけを残し、もと来た道を引き返す。しかし黒部は想像以上にすごかった。正直なところ恐れおののいてしまったというのが実感である。それでも、もう一度態勢と作戦を立て直して挑戦してみたい。黒部にはそれだけの魅力がある。