八ヶ岳冬合宿 行動記録 - ACKU 神戸大学山岳部

【メンバー】
CL:間瀬(2)、 SL・装備:上村(3)、 食糧:松尾(1)

【日程】
12月25日~12月30日

文責:間瀬(2)

12月25日(日) アプローチ 雪~くもり
7:04六甲道~16:05美濃戸口~17:00 やまのこ村~20:00就寝

間瀬と松尾は六甲道から、上村は住吉からそれぞれ18切符で乗車。OBの尾崎氏から差し入れをいただく。まさにホワイトクリスマスの琵琶湖線は大雪で、松尾は初めての光景に驚いていた。名古屋を過ぎてからインド人に話しかけられ、拙い英語で頑張る。彼らは木曽御岳に行くそうだ。名古屋での中央線の乗り換えは相変わらずぎりぎり。走らないと間に合わない。塩尻でやけにハイクオリティーの駅そばでお昼にし(行ったら絶対食べるべき)、全然雪のない茅野へ。芦屋からずっと一緒だったおばちゃん2人組は上諏訪で降りた。美濃戸口は、雪はあるが5cmくらいか。非常に少ない。重い荷物に耐えながら車道を50分行くとやまのこ村。おばあさんに受付をしてもらい(1人\500)、テントを立てる。だが、雪が少なすぎてまったく支点がとれず、石もないので、風もないし立てるだけにする。掘るまでもなく地面がうっすら雪の下に見えている。水場で水を汲み、寝る。

12月26日(月) やまのこ村~行者小屋でBC設営、雪上訓練 くもり
5:00起床~7:00出発~11:15行者小屋~19:00就寝

雪がないのでドタで行く。1時間半ほど歩いてから、今回最初の反省点。大滝へのアイスクライミングのルートに入り込んでしまい、1時間ほどロス。地図を見ていなかった。この道中でアイゼンをつける。上村がバテてペースがあがっていなかったのが、これでさらにペースが落ちてしまった。予定の倍以上の時間をかけて行者小屋に到着。テントは我々をのぞいて4つ。BCを設営してからブーツアックスビレイやフィックスロープなど小屋の前の斜面で練習。文三郎道で人がいないので、滑落停止を練習。個人的には今までで一番雪が練習に適していた。よく滑るしよく刺さる。文三郎道に少し行ったところに水場がある。阿弥陀岳北稜を偵察するが、トレースはなし。ペミハヤシライスを食べるが、上村がお玉を忘れたことが判明。だが、最後までとくに支障はなかった。

12月27日(火) 赤岳往復 霧~晴
5:00起床~7:00出発~7:50地蔵の頭~8:45赤岳山頂~11:00行者小屋~19:00就寝

寒い。3人ともシュラフが濡れている。シュラフカバーが凍ってそれが溶けたみたいだ。ミドルなしでハーネスをつけ出発。8mm50mロープも持っていく。地蔵尾根上部の鎖場は、急傾斜の怖いトラバースだが鎖が完全に出ており、雪もしまっているので楽勝。はっきりとしたトレースあり。4カ所ほどの梯子はうっすら雪がかぶっており、アイゼンが引っかかる。地蔵の頭に出ると、標準の風のなか横岳はガスの中、赤岳は見えている。横岳に3人パーティーが向かっていく。赤岳へのトレースはないが、ほぼラッセルはなし。埋まっても足首まで。山頂手前のコルで吹き飛ばされそうなほど強烈な風が吹くのでゴーグルをつけるが、松尾がゴーグルをテントに置いてきてしまった。登りだすと斜面は凍っており、モナカ雪も所々ある。以後風は弱い。山頂は快晴で、すばらしい。山頂直下の岩場が、右手に谷底があり怖い。権現岳との分岐の岩場も少し怖いが、いずれも2mほどで終わる。阿弥陀岳との分岐以降はトレースばっちり。梯子はうっすら雪がかぶりアイゼンが引っかかる。BCにもどってビーコンやフィックスなど練習する。小屋の人が入山してきて、水場をトイレの前に作ってくれるが、その過程で小屋の前に水が流れてカチカチに凍ってしまい、テントシューズで歩きづらくなる。営業は28日からなのに今日からテン場代を取られる(1人\1000)。高いだけあってトイレはドアの隣に鏡があり、便座にはカバーがしてあり冷たくならないようにしてあり、トイレットペーパーも完備しているし、夜は電球もつく。ペミ豚汁を食べて寝る。

12月28日(水) 硫黄岳•横岳アタック 快晴
4:00起床~6:10出発~6:40赤岳鉱泉~8:00赤岩の頭~8:30硫黄岳~10:00三叉峰~11:45地蔵の頭~12:20行者小屋~20:00就寝

今回のメイン。朝から雲一つない最高の天気。6:30頃からヘッドランプなしで行けるくらいに明るくなるので6:00出発がよいかな。赤岳鉱泉までに3つのクライミングのトレースがあった。鉱泉でミドルを脱ぎハーネスをつけ出発。8mm50mロープももちろん持参。雪は少なく、所々石が出ていた。大同心沢までにクライミングのトレースが2カ所。樹林帯はばっちりトレースがあり、ラッセルはなし。急斜面をつづら折りに登っていく。赤岩の頭から稜線に出るが、風は非常に弱い。日本アルプスがすべて、木曽御岳も見える最高の景色。硫黄岳山頂直下の岩場は変に巻くと急斜面のトラバースとなり危険。トレースは錯綜していた。山頂の雪庇はそれほど発達していない。7つのケルンに導かれて硫黄岳山荘に。この小屋の東側は建物が西風を防いでくれるので絶好の休憩ポイント。ここで松尾がアイゼンのゆるんだバンドを締める。どうもゆるみやすいみたいだ。台座の頭から奥の院までは楽勝。その後きついのかな、と思ったがトレースもあり、雪がしまっていて滑落しそうなところはほとんどなかった。奥の院を過ぎて少しいくと、東をトラバースする怖い箇所があるのだが、楽勝。日の岳の西を巻く急斜面のトラバースの手前で、なんてことない岩場の下りだが1回くらい実践しようと思いフィックスロープの練習をする。雪を30cmくらい掘ると草と土がでてきて、面白いようにスノーバーとピッケルがよく刺さる。スノーバー2本で支点を作り、途中スノーバーで1本、岩角で1箇所中間支点を取り、平らなところでスノーバーとピッケルで終了点を作る。なかなかフィックスの練習に適していたと思う。練習を終えて日の岳のトラバースへ。鎖は出ており、雪もしまっているので楽勝。道幅は70cmくらいか。トラバースよりトラバース地点に降りるところが怖い。鎖にセルフビレイを取り通過。鎖が埋まっていたり、雪が多かったりするときは迷わずロープを出すべき。少し行くと、目の前にカモシカが現れ、じっと見つめ合う。体長130cmくらいか。そういえばカモシカらしき足跡がいっぱいあった。二十三夜峰の下りは雪がしまっており楽勝。下りきってのトラバースの幅が狭く怖い。ここも雪が多いと怖いだろう。これが終わると横岳の岩稜核心部は終了。地蔵の頭まで簡単な稜線歩き。小屋に戻って休む。ペミミートソースパスタを食べて寝る。

12月29日(木) 阿弥陀岳北稜アタック 晴れ一時くもり
4:00起床~6:00出発~6:40北稜上JP~7:10核心部岩場取り付き~9:10阿弥陀岳山頂~10:05文三郎分岐~10:40行者小屋~13:15出発~15:50美濃戸口~17:15茅野~22:00 就寝

今回のラストを飾る。文三郎道と阿弥陀岳の分岐の標識から中岳沢に入りトレースを300mほど詰めると右の尾根(北稜の支稜の最東のもの)にあがっていくのでたどると稜線に出る。一部ラッセルがあり、ふくらはぎくらい埋まる。稜線をたどると右手に北稜とJPが見え、間の斜面をトラバースしていく。雪崩れそうな傾斜なので、雪が多いときはたどってきた尾根をさらに詰め、核心部手前の雪壁まで尾根をたどっていくべきだろう。どちらの道もトレースがついていた。雪壁は灌木がいっぱいあり、容易。よほど雪が多くてラッセルでもないかぎりロープは出す必要はないだろう。核心部の岩場は、正面のフェースも登れそうだったが(Ⅲ級くらい)支点が古びたハーケンしかないので、左に回ってきれいなペツルのボルトが2本打ってあるところから小ルンゼを登ることにする。トップは間瀬。
1P目 凹角(Ⅱ級)を5~6m登ると岩場を右から巻いて右側が切れ落ちた草付きスラブ(Ⅱ級)となる。スラブの手前にペツルのボルトが1本、その隣にスリングで支点のとれそうな岩角がある。とれそうな支点はこの2つくらい。高度感もあってかなり怖かったのでバイルを使う。よく刺さる。スラブを登りきり少し歩くと終了点の岩にきれいなペツルのボルトが2本。広いしビレイがしやすい。ロープは50mで5m余るくらい。ロープの流れはよい。
2P目 後続の人が同じ支点を使ってビレイし始める。登る前に確認したら、自分たちのカラビナのゲートが開いていた。危ない。もう少し待てば空くんだから下で待てよ。階段状の岩場(Ⅱ級)をあがるのだが、バイルに不慣れなせいで1歩目で落ちてしまう。幸い何事もない。登りきると横に伸びた灌木で中間支点をとる。そしてナイフリッジのはずが、ただの細い雪稜。ここでロープが絡んでしまう。越えると横に伸びた灌木があり、古い残置スリングがあるが当然自分のスリングを使ってビレイ。雪が多いとこの木は埋まるので、ブーツアックスやヒップビレイをするのだろう。ここから先は斜面を登り、一般道と合流。山頂へ。健闘を称え合い、握手。赤岳方面の下りは急ではあるが、容易。東は切れている。行者小屋へとおりる夏道のトレースらしきものがあったが、雪崩れそうな斜面である。文三郎分岐のきつい登りを終えて、行者小屋に戻る。時間に余裕があるので茅野までおりてしまうことにするが、1時間ほどおりると道が薄く雪がついており、すごくよく滑る。横岳よりも阿弥陀岳よりも怖い。やまのこ村で野沢菜(\500)を買い、無事美濃戸口について茅野へ。モンエイトという建物でステビバ。19:00ころから雪が降り始める。

12月30日(金) 上諏訪温泉、帰宅

上村は始発で東京に向かう。間瀬と松尾は上諏訪の片倉館という宿で温泉に入り(\600)、諏訪湖を見て観光して神戸に帰った。とにかくいい天気に恵まれてラッキーでした。