南紀 大塔川黒蔵谷 報告書

【メンバー】
 L/食料 山川眞郷(理2)   装備 近藤昂一郎(理3)   小宮勇介(OB)

【日程】
 8月21(木)~23日(土)  

【行程】
 黒蔵谷出合-出谷出合-高山谷出合-黒蔵滝上-稜線-林道-車残置地点  

文責・山川(2)

9/ 21(木)
13:00神戸発  17:00五條  20:00黒蔵谷出合近く

 今回は現役の力だけでは対応スレスレという谷を選んでみた。結果は実にその通りで、小宮さんの助力が無ければ攻略にはなかなか苦労させられたことだろう。
 アプローチには小宮さんが用意してくれた車を使うことにした。昼12時過ぎに部室に集まり、装備分け等準備の後出発する。途中の五條までは6月の黒倉又谷のアプローチと同じである。
 五條からは168号を90km程行くことになる。道幅が細い山道を夜に走るのはかなりスリリングである。熊野本宮を過ぎて川湯温泉を奥に進む。集落を幾つか過ぎると黒蔵谷の出合は近い。車は出合の1km程手前に停め、そこで寝ることにした。

9/ 22(金)
5:45出発  6:10黒蔵谷出合  7:50出谷出合  10:10高山谷出合  12:10黒蔵滝上  13:30右岸石垣(BP)

 予想では曇りとなっていたが、夜は星が見られたので天気は期待できそうだ。林道を10分程行くと林野庁か地元の漁協か何かの看板があり、ここが黒蔵谷出合と確認する。脇にある踏み後を辿り河原へ。
 河原は広く、岸辺の石には苔が着いている。増水の時はこの辺まで水が来るということか。出合から暫くは河原状で問題ない。鮎返滝10mは右岸のリッジを登ると踏み後があり、それを辿ると滝上に出られる。ここからは両岸が徐々に狭まり、泳ぎを要する箇所が出てくる。エメラルドグリーンの淵はそれなりに水深がありそうだ。
 下ノ廊下と呼ばれる出谷出合までは、特筆すべき滝はない。泳いでへつれば何とかなり、小手調べと言ったところか。因みにザックを背負ったままだと、泳ぐときにヘルメットがぶつ嘗て前が見えなくなるので、泳ぐときだけは外すことにした。泳ぎは水流の方向を考えてから実行することが大事である。
 出谷は左岸から7m程の滝を掛けて出会う。この先は中ノ廊下で、少し難しめの滝が多いようだ。
 途中、樋状の滝の狭いサラシ場に大木が倒れ、洗濯槽のようになった場所がある。ここに近藤が足を滑らせてザックを背負ったまま落ちた。ザックが後ろの大木に当たり、抜けにくくなっているようである。残った二人が助けて何とかなったが、体力を消耗したようである。因みに近藤を助けた後、山川も落ちるが容易に脱出した。ここは落ち口を迂回すれば無傷で済んだはずである。簡単そうに見えても油断してはならないと言うことか。
 大きな釜を持った4m程の滝は泳いで水線左を登るがホールドが少な目。山川はザックを小宮さんに預けて空荷で越す。続けてザックを引き上げるが、重い…。小宮さんも同じルートで来るが、近藤は右岸を巻いた。
 ゴルジュの奥に掛かる5m程の滝は、滝手前にある右岸のリッジを上がれそうである。泳ぎが必要なためか、近藤と小宮さんは巻くそうだ。「でも、ここの巻きは少し傾斜がキツくないか?」そう思い、山川は滝場に突っ込む。
思った通り簡単に越せた。
 高山谷出合には10時過ぎに着く。コースタイムではここまで6時間だったので2時間早く着いた。なかなか良いペースである。高山谷出合を過ぎると沢は巨岩帯になる。これを越すのは面白くもあるがなかなか疲れる。
 黒蔵滝手前では巨岩帯と連瀑帯が合わさり、ルート取りに悩む。どう行けばより楽に行けるだろうか? これを越すと12m滝が現れ、右岸を巻く。巻き道からは黒蔵滝が見える。黒蔵滝は左岸のルンゼを上がる。このルンゼは急な上に泥と枯れ木で満ちており、嫌な場所である。50m程上がると左の岩壁にバンドが走っており、それを伝えば滝上に出られる。巻き道(バンド)自体は踏み後が付いており容易。
 黒蔵滝上のゴルジュで第3の支流を分ける。ゴルジュをへつりながら進むと斜瀑10mが現れる。奥多摩の水根沢谷にある「半円ノ滝」を3割り増しぐらいでパワーアップさせた感じである。確かにパワーアップしているだけあってそれなりに手強いか? 近藤が少ししんどいようで、ここで初めてロープを出す。
 斜縛を越えると上ノ廊下になるが、ここはヘツリで通過できる。廊下内部で第4支流を分けて、抜け切れば右岸に石垣がある。なかなか立派なもので、ビバークにはここを利用するパーティが多いようである。我々もここに泊まることにした。
 焚火をしながら夕飯を作る。メニューはカレーとありきたりだが、今回は「山岳グルメ」なるフリーズドライのカレーセットを利用した。具とルーがセットになっており、2人前で350円くらいである。これにベーコンとチーズを入れて少し豪勢にしてみた。
 夕飯を食べ終えて、することも無いので寝ることにした。…長い夜になりそうだ。

9/ 23(土)
6:20出発  7:00離沢地点  8:00稜線  8:30林道  12:10車残置地点

 5時起床だったが、辺りは暗いので急いで準備はしなかった。石垣を少し行くと左岸にシズクの滝という滝がある。落差は比較的大きく、シズクがぽたぽたと垂れているのでスグに分かるはず。1/25000地形図「皆地」の「黒蔵滝」は恐らくこのシズクの滝の辺りであろう。シズクの滝を過ぎると斜瀑10mが現れるが、これは右岸を容易に上ることができる。
 沢から林道に詰め上がるには、地形図の「黒蔵谷」の「黒」の字の左にある枝沢を利用しようとしたが、一本右の枝沢に入ってしまった。出だしは両方とも南を向いているので間違えやすい。利用したかった枝沢は登り始めると南西に折れていくのが特徴である。間違って入った枝沢は進行方向を変えることなく南に突き上げる。
 尤も、間違って入った枝沢でも林道には上がれると判断したので、修正はしなかった。下部は枯れ木の堆積したナメ状で、それが終わると植樹林に変わる。詰め上がった先は803mピークと林道の間の稜線である。
 この稜線はスッキリしており、休憩にはちょうど良いところである。装備を下山モードに切り替えて一休み。林道へは稜線を西に辿れば容易に出られる。
 林道へ出ると林野庁の大きな看板が立っている。道は思った程荒れておらず、よく使われているようだ。林道を歩き始めて少し行くと、キロ数を表す標識が立っている。18.5km…どこから? 0.5km~1.5kmの間隔で立てられたこの標識を信用すれば、黒蔵谷出合までは凡そ15kmである。所要時間は3時間半で、検討段階で立てた予想時間とピッタリだった。お疲れ様でした。
 熊野の辺りは温泉が豊富で、湯ノ峰温泉に浸かって帰る。暖かくて良い湯だ。身に染みる。
 比較的道は空いており、神戸に着いたのは7時過ぎ。小宮さん運転お疲れ様でした。
         

反省会記録
        

・近藤、山川が落ちた斜瀑も含め、全体的に滑りやすかった。注意が足りなかったと言える。
・泳ぎは水流を読んで行うようにする。
・高巻きやツメのルートファインディングがまだ甘いか。
・滝の直登は岩登りの技術が直に反映される。岩トレをオールシーズンでやろう。
・防水処理が不完全である。