台高 黒倉又谷 報告書

【メンバー】
 CL山川眞郷(理2)  SL岩澤貴士(発2)  装備 近藤昂一郎(理3)  請川剛史(文2)

【日程】
 2006/06/25(日)(前夜発1泊2日) 

【行程】
 白倉又谷出合-黒倉又谷出合-4段滝下-終了点-白倉又谷出合(駐車場)

文責・山川(2)

6/25(日)薄曇り
六甲道-(車)-杉の湯(川上村役場)/ビバーク-(車)-白倉又谷出合(駐車場)6:30-黒倉又谷出合6:40(7:00出発)-F8上8:45-4段滝下10:15-終了点10:50-白倉又谷出合(駐車場)13:00

 ※文中にあるフォールナンバー(F2とか)は、山と渓谷社刊「ROOK&SNOW BOOKS沢登り」中のガイドにある遡行図に対応しています。それを資料として用いました。
 今回はACKU現役には珍しく、車でのアプローチとなった。しかもその車は新入部員・請川君の家のもの。ありがとう、って言うか最初からこんなでゴメン。夕方5時頃請川が実家のある寝屋川から六甲に到着。大学で岩澤と一緒に懸垂下降と自己脱出の練習をやる。6時過ぎに六甲道で山川と近藤を拾って出発。一行は堺・橋本経由で吉野へ。今夜は杉の湯(川上村役場)のバス停に少しスペースがあるので、そこでビバークとしよう。
  明くる日、5時頃に杉の湯を発つ。大迫ダム・入之波温泉を過ぎて狭い林道へ。ここで山川のナビゲートミスで本沢川ではなく北股川へ入ってしまう。地形図では左岸に道があるはずなのに、途中から右岸通しだからおかしいと思ったのだ。引き返し、本沢川の林道へ。   林道終点の広場に車を止めて、行動開始。すぐに白倉又谷に架かる橋を渡る。下山予定場所の筏場を通り、左岸の登山道を10分程行くと、黒倉又谷が右から流れ込む。橋からは左岸に簡単に降りられるが、いきなり巨岩と小滝でテンション高め。その奥には側壁だけだがF1斜瀑3mが見える。登攀具を装備していざ入渓。
  F1はゴルジュ入り口に架かる斜瀑であるが、ヘツリは不可能でいきなり泳ぎを強いられる。軽く準備体操をして突っ込む。水勢はそれほど強くなく、釜も思ったほど広くはないので泳ぎは楽である。滝は突っ張りで越すが、後続も立て続けに来てしまったが、先発が滝を越えるまで冷たい水に浸っていなければならなかった…。間隔を置いて一人ずつ行けば良かったかも。請川にはスリングで補助をし、何とか越えてもらう。
  続くF2は8mのスラブ滝だが、これは検討段階で問題視してきたものの1つだ。端的に言えば、滑るということである。ここで、滑ると言っているそばから岩澤が「行けるだろ」とか何とか言い、中央を登るが1mも登らないうちに滑って下の釜へ。もう少し注意深く行動すべき。そこで、山川が右岸の緩傾斜のバンドを上がり、ザイルを固定した。後続はプルージックで登ったが、スラブをダイレクトに上がるルートだったので、足取りが危なげだった。ここは後続にも山川が通ってきたルート通るよう指示すべきだった。
  F3の2条4mは左から越す。少しホールドが細かいので、ハーケンを打ってスリングを掛けた。また、後続の確保もした。最後に上がってきたのは岩澤だったが、ヤツはハーケンを回収するのを忘れてきた。しかも、共装のハンマーを忘れてきたと言う。確かに装備係の近藤が、装備分けの時に取った確認も曖昧ではあったのだが。結果的には困ることはなかったが、装備忘れは場合によっては山行中止にもなるので、以後装備の管理は徹底していこう。
  F3を越えても暫くゴルジュは続くようだが、両岸が立っていて釜も深いので、後は高巻くことにした。一連のゴルジュを越えると、綺麗なナメになる。だからと言って気は抜けない。この谷は沢床全体が良く磨かれていて非常に滑りやすいのだ。
  この先は大きな滝はないものの、深い釜を持った小滝が連続する。泳ぎで取り付き、突っ張りorホールドの細かいフリークライミングというshort storyだが、とても面白い。わざわざ突っ込まなくとも簡単に越せるものが殆どだが、請川もそこチャレンジしている。なかなか良い。しかし、途中で請川が緩い滝をシャワーで登っているとき、眼鏡を水流に持って行かれてしまった。一時遡行を中断し、眼鏡の捜索を始める。20分後、どこぞのアホからヒントを得た近藤が沢底から見事眼鏡を発見することが出来た。眼鏡には紐を付けておくと良いだろう。
  終盤の4段の滝は1段目が左から。2段目が水流沿いに直登。3段目は左から巻いたが少し悪かった。4段目は右から。この谷も前回の比良・八池谷と同じく最後まで飽きさせない。途中、近藤が山川の肩を借りて小滝を越すという場面があった(いわゆるショルダーってやつ)。これぞ連携技というやつだ。
  右岸に植林小屋が見えて、遡行終了。それとほぼ同時に雨が降り出してきた。ハーネス以外の装備は外し、軽く食事を摂る。が、請川が昼食を持ってきていないらしい。どうやら3人の誰かに「昼前に終わるからいらないだろ」とかいうデマを吹き込まれたらしい(自覚無し)。言った本人は冗談のつもりだったようだが、冗談にはならなかったようだ。ここも配慮が足りなかった(計画書の個装欄にも書いていなかった)。仕方がないので少し多めに持ってきていた山川の分を分ける。また、請川の下山時の足回りが好ましくなかった。靴はスニーカーではない日常用の物だし、靴下もスニーカーソックスであった。特に靴下はくるぶしを覆う物が良い。
  さあ後半戦開始だ。後半は踏み後の薄い植林道を辿り、筏場へ下るという内容だ。植林小屋から少し沢を下った左岸側に赤テープがあり、踏み後が続いている。暫く辿ると見失ってしまった。植林地帯の中を少し下り気味に行くが、雑木林に変わってしまいそうだ。ルートを上よりに取ると、割と明瞭な踏み後に合流する。以降はこの踏み後を辿る。所々赤テープの目印もあるが、所詮は植林道なので桟道は腐っているし、ルンゼを渡るときなどは沢よりもいやらしい。
  検討段階で注目していた840mピークは気付くことなく通過してしまった。コンパスの指す方角は合っており、尾根の右側に道が付いていたのでそのまま踏み後を下った。結果、どんぴしゃで筏場に出る。そのまま駐車場まで戻り、行動終了。このとき雨は殆ど降っていなかったので濡れずに着替えが出来た。僕達が着いたすぐ後に、とてもイカした格好のお兄様方が下りてきた。どこかの特殊部隊のような風体である。全員が漆黒のウェットスーツに身を包んでいる。きっと近くのゴルジュで一暴れしてきたのだろう。かっこいいなあ。
  帰り途中に入之波温泉・五色湯に浸かって帰る。山岩近の3人は学研都市線の野崎駅で降ろしてもらった。請川君、内容の濃い沢と長い運転お疲れ様でした。

反省会記録
        

 やはり新入部員に対する配慮が欠けていた点が第一である。ルート取り、食事(非常食含めて)、靴(靴下)、etc…。1つ1つきっちり見ていく必要がある。第二に忘れ物が多い。物によっては続行不可能になる物もあるので、これも重要である。第三は車でアプローチするときのルートファインディングが意外な盲点であるということ。車でアプローチする場合はこれも検討事項の1つになるでしょう。
  行動内容自体は悪くはなかったと思います。ただ、検討段階で滑りやすいと言っておきながらもF2で滑っているヤツもいたように、少々軽率な行動がありました。小滝のようにどこでも越えられる場合は好きに行けば良いでしょうが、滝場(悪場)ではもっとまとまって行動した方が良いと思います。請川君については初回だったこともありますが、もっと岩トレが必要でしょう。夏の沢に向けて特訓をしよう。しかし、始めての割には良かった方だと思います。休憩も殆ど取っていなかったのに良く歩いていました。
  今回はレベル的には前回より上でしたが、各人がそれぞれの課題を感じ、そう言う意味では充実した山行になったのではないでしょうか。夏の沢に向けて、夏休み前にもう1本沢をやるつもりでいますが(7/22・23予定)、次回も今回と同レベルの沢を目指そうと思います。
  これで報告書を終わります。登山本部の伊藤君、色々と面倒を見てくれた尾崎OB、顧問の先生方、どうもありがとうございました。